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ヤモリが室内にいる生活①

事実として「いる」だけであって、まったくもってヤモリを歓迎していない案件なのでヤモリフレンドリーな人はここで元の世界へ戻ってほしい……

これは「マンション居室にヤモリが侵入してしまい夜な夜な発狂する一人暮らしの記録(未完)」です。

8月20日深夜 ヤモリを現認

それは夏コミ遠征から戻って5日を経過した日の深夜でした。
夏コミ参加日からは1週間が経過し、感染症の症状も出ることなく、安堵で胸をなでおろしつつ、冬コミの準備はもう始まってるから感染症に押し負けるわけにいかない、早寝しなきゃ……

と、思いつつもコミケの戦後処理などをして夜更かしをしてしまい、
そろそろ寝ようと歯磨きをして居室に戻ったときのことであった。

なんか動いた

視界の端でなんか動いた。ので、コンマ秒でそちらに視線を集中、
テレビ台とデスクの間の壁……20cmほどの隙間を

写真は撮れてない。速すぎて。

走る………ヤモリ!!!!!

ヤモリ??!!!

ヤモリ!!!???

ヤモリ!!!!!!!!!

思わず思考と体がフリーズ。
私に爬虫類の知識はなく、イモリもヤモリもトカゲも見分けなどつかない。しかし「井戸にいるのはイモリ、家にいるのはヤモリ」と昔教わったのでとりあえずヤモリと仮定する。

ヤモリと同居はしたくない

ハエトリグモならば「あらぁいらっしゃいませ♪砂糖水いる?」とお接待に走るが、ヤモリは嫌だ。
微妙にでかいし、つぶしたらつぶれたら汚損レベルがすごそうだから。
万一、文献たちの間に潜り込んで、私が知らずに本をドンしたら……
潰れなくとも本の上や裏側で死なれて腐敗されようものなら……

想像もしたくない地獄である。

埃除けのビニールはかけているがヤモリなら隙間を突破できる本棚


それだけではない、即検索したら「ヤモリの糞」による被害報告もある。
服や壁につくとシミになるらしい。

それは非常に困る。壁は賃貸だから「ヤモリがやった」と言い張れても(?)、服は着れなくなるし、本は洗えないから手放すしかなくなる。

ヤモリ目撃から数分、「ヤモリとの同居は断固拒否」という結論に至り、「潰さずにどうにか排除する」という決定が下された、が。
どうやって?

ミッション!ヤモリをどうにかして部屋から追い出せ

ネットによると「ヤモリは臆病なので近くを叩くと驚いて出てくるから、窓まで叩いて誘導して追い出す」とある。
早速、頑丈なスチールデスクの天板を叩く。猫バンバンならぬヤモリバンバン。
先程ヤモリはテレビ台の後ろの壁からデスクの後ろの壁に走った。
だから今はデスクと壁の間にいる、はず。
断続的に6回ほど叩いた。深夜なのに。

……

出てこないが?

見てない間にテレビ台の裏側に移動したかと考え、テレビ台も叩く。
デスクを叩き、テレビ台を叩く。深夜なのに。

数分待つも出てこない
眠いので今夜は諦めて寝ようとトイレに行って戻ってきたら頭が!!!
ヤモリの頭がデスク裏から出てる!!!
と思ったのも束の間、すぐにテレビ台裏へと駆けこまれた!シィーット!

再びテレビ台を叩く大会が始まるが、やっぱり出てこない
なんだこいつ、ネット情報と違うぞ。

ヤモリ目撃2日目

休日である。朝からものすごく掃除をした。
夏コミの原稿修羅場中は最低限の片づけしかしていなかったので、それはもうしっかりと掃除をした。
途中でヤモリが飛び出てくるのではとビビりながらの掃除であったが、掃除中にヤモリは姿を現さなかった。

周囲を叩いてもまったくもって「驚いて出てくる」ことのないヤモリ。
「窓まで誘導」は難しいのではと考えて、幼少期に開発した「蚊捕獲機」を取り出して準備しておくことに。

一人暮らし必須アイテム、蚊捕獲器と指示棒


これは内側に殺虫剤を塗布しており、蚊が壁にとまったときに上から被せて蚊を閉じ込めしばし待つと蚊が勝手に殺虫剤まみれになって死ぬ」というものである。
初期は「当時愛煙家であった父に容器内へタバコの煙を吹き込んでもらって蚊を仕留める」ものであったが、何度か繰り返すうちに容器内部にニコチン等が蓄積して毎度煙を吹き込んでもらう必要がなくなったことから、「内側に毒を塗っておけばよい」という結論に達したものである。

それはさておき、昨夜目撃したヤモリのサイズは約10cm。
走るスピードは半端なく速かった。
潰さずにこの容器で捕らえる自信はゼロ。
掃除機のノズルに排水溝ネットをくっつけて吸うという方法もあるようだが、手持ちのハンディタイプにそんなノズルはないから不能。
(ラップの芯を取り付ける等の方法もあるようだがラップの芯がない)

でもこれだけ派手に掃除機かけて丁寧に部屋の隅々まで掃除をしたのにヤモリは出てこなかったのだから、もしやヤモリは夜中の内にどこからか出て行ったのでは?

……などと淡い期待を抱いたが、普通にヤモリは出た
昨晩と同じ時間帯、再び机とテレビ台の間を駆け抜けた。
無駄と分かりつつ再び深夜のテレビ台とデスクをバンバンし、案の定、まったく出てこないので諦めて寝た。

ヤモリ目撃3日目

普通、こういった記事を書くならそろそろ展開が見込めてもいいはずだが全く解決の兆しがない。
ヤモリは再び深夜に現れ、今度は本棚の後ろからテレビ台の後ろへと走った。「ヤモリによる本棚汚損の危険」が既に生じていることに思わず悲鳴を上げる。
急いでテレビ台と壁の間を覗き込むと、テレビ台と壁の約1cmの間の……厄介なことに最も配線数の多い場所にヤモリはいた。
驚かせて窓まで誘導」を一応目指してみようと、愛用の指示棒で近くを叩いてみる。

……微動だにしないが?

えっなにこいつマジで動かねぇ。剛の者か?って位に動じない。
あまりに動かないからギリギリを攻めて周囲を突いていく内に、うっかり指示棒の先でヤモリの頭をこづいてしまった瞬間、ヤモリ消えた!!!
……のではなく恐らくテレビ台の下の僅かな隙間に逃げ込んでしまった。

そんなことよりこいつほんとに速ェぞ!!!!

ヤモリ目撃4日目

23時前に就寝したのでヤモリを目撃せず。

ヤモリ目撃5日目

少し寝るのが遅くなり、23時半にベッドに乗っかり、ハエトリグモの赤ちゃん(約1.5mm)が毛布の上をよちよち歩きしているのを見つけて床に逃がしてやって、さぁ寝ようとスマホを充電コードに繋……ぎゃあああああ

ヤモリ、今度は本棚の下から頭を出していて目撃と同時にベッドの下へ。

すぐにベッド下を確認するもヤモリ見つからず

ヤモリはどこに行った


ひとまずヤモリ足止めのためのガムテープを床に設置したが、わずかな音にビビッて目覚めるという恐怖の夜となった。

ヤモリが走った経路にガムテープを養生テープで固定。見るの怖い箇所が増えただけだった


ヤモリ目撃6日目

いい加減疲れてきた。
これ読んでくれてる人も疲れてきたと思う。
5日間で「ヤモリは23時半過ぎから動き始める」らしいという経験則が蓄積したので23時前に寝てしまいたかった。まず寝不足を解消したい。

しかし、昨日から気づいてはいた壁の小さな汚れ、近づいてよく見たらヤモリの糞だった。糞はネット情報と同じで、先端は白く残りは茶色い細長い形状だった。
もうダメだ!このままでは戸棚の裏がヤモリの卵と糞でいっぱいになってしまう…!!!
そう危惧して私は貴重な睡眠時間を削り、3分で武器を開発した。その名も「ブラック・グングニル」。

「ブラック・グングニル」全景。かっこいい命名をしたがるのは永遠の中二だから。


クイックルワイパー(黒)の柄に、比較的しっかりした紙を内側に仕込んだ粘着テープを装着することで「柔らかくしなりつつもヤモリをくっつけることができるかもしれない棒」にした。


あのくそ早いヤモリにこれを当てることができるのか


こんなことをしていたら23時17分である。
経験則によるとそろそろヤモリが動き出す時間……本棚やベッドサイド、テレビ台の裏をのぞき込んでみるも……ヤモリはいない。
やはり23時半以降なのだろうか。
歯磨きするため洗面所へ向かうべく中ドアを開けると……

で、出た~~~~~~~~~~!!!!!!!!!
玄関シューズボックスの表面に!ヤモリ!
しかしグングニルを取りに行ってる間にヤモリLOST!!!

この機会、逃してたまるかと壁やシューズボックスを叩きまくるもヤモリ出てこない!
こいつほんとに「驚いて出てくる」というアクションをしないヤモリだな!!!!!

しばらく照明を消し、玄関ドアを数センチ開け、マンション廊下の明るい光に導かれて出て行けと祈りながら待つこと数十分。

ヤモリ出てこない!!!!!
ヤモリ出ていかない!!!!!!

既に6日目。私はあまりにヤモリに時間と気力を削られたため、ついに「1日ワンプッシュ蚊がいなくなるスプレー」を玄関の壁にワンプッシュしてから寝た。ヤモリを飼っている人はこれを使わないという情報をネットで得たので、その逆張りである。

ヤモリ目撃7日目

今日である。
ヤモリさておき安納芋パルムを食べる。

近所のスーパーでラス1買ったのは私だワハハ


つづく










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