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Work Suitable Ink5選

「必要最低限」という言葉とはまあまあ無縁の万年筆&インクの世界。
なので普段使いのインクについて語るにしても標準のブルー・ブルーブラック・ブラックにはとどまりません。
Facebookの万年筆コミュニティをたまにのぞいて誰かが「Work suitable ink(あるいはWork safe ink)=仕事に使えるインク」のオススメを尋ねているスレを見る限り「普通のインク」以外を普段使いに持っておきたい人はたくさんいるようで。中にはラメ入りインクを仕事の筆記に使ってる人もいて(職業は不明)インク好きは好きとこだわりがすごい。

そもそも仕事に使える、普段から多く使えるインクはどんなものが良いのか、と考えると自分にとって重要なのは:
(1)乾きが早い
(2)(明度・彩度共に)明るすぎない
(3)書いた時に全部一様に濃いよりは少しは濃淡がある方が読みやすい

ここら辺を踏まえて自分が使ったことがあるインクでwork suitableに該当しそうな、標準のインクとはちょっと違う楽しみがあって愛用してるインクを挙げてみます。

パイロット 色彩雫 月夜

自分にとっての愛用ブルーブラックはこれ。キャップレス細字で使ってます。各メーカー標準のブルーブラックより鮮やかさがあるのが好きなポイント。
同じ色彩雫でも深海だともっとブルー寄り(紫がかったブルー)で柔らかさがあってそっちも好きなのですが月夜のはっきりくっきりに軍配が上がります。もっと違う字幅だと表情がまたかわるのかな。

セーラー 青墨

こっちはブルーブラックじゃなくてブルーとしてのエントリー。蒼墨がブルーブラック相当なのでこっちはブルーで合ってるはず。
月夜同様鮮やかさ・くっきりはっきりが魅力的でさらに顔料インクで濡れにも強く乾きも速め。他にブルーやブルーブラックを持ってても所持しておきたいインクです。

神戸インク物語 No.32 多聞パープルグレー

ご当地インクではありますが最近は海外でも手に入るオンラインショップがかなり増えました。でもお値段的には大事に使いたい。でもこういうおとなしめの濃い紫はたくさん書くのにも向く色。

中細で書いた時の濃淡がいい具合なんですよね、なんというか癒しの領域。

濃い紫で言うと手持ちにはモンブランのラベンダーパープルもありますがこちらは程よい鮮やかさで読みやすいながら乾くのにちょっと時間がかかるのが悩みどころ。

ロバートオスター Thunderstorm

何度か書いてますが濃淡のある濃い冷たいグレーのこのインクを私は黒として扱ってるふしがあります。実際べったり黒いインクよりはこういう色の方がたくさん手書きした時には見やすいかも。

ロバートオスター Velvet Storm

これだけ「常用」「愛用」とはちょっとまだ言えないインクなのですが
(まだボトルで持ってないですし)、普段使いに緑系のインクを使いたい!という方がいればオススメの一色です。少し青寄りのくすんだ濃い緑で濃淡も楽しめるインク。個人的には「ゴス系」インクの一例(Thunderstormや多聞パープルグレーも同じく)でエドガー・アラン・ポーを書き写す時に使いたくなります。ちょっと書き心地はドライめのインクですが速く乾くのは便利。実際に仕事用途で使うかどうかは別として多くの量を手書きしても主張が強すぎず見やすい色です。

最後のVelvet storm以外はどれもかなり愛着があるインクでそう簡単に取って代わるインクが現れることはないと思いますし、様々な新しいインクが巷に出回る中でもこういうタイプのインクは目新しい色彩・機能があんまり出てこない印象があります。変わることがあるとしたら好みの変化か生産中止が理由になりそうなのでそれまではばりばり愛用していきたいです。