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赤札に導かれ、川崎大師へ

前日の職場の休憩室。同僚の2人と話す中で川崎大師の赤札が話題になった。朝から行列に並んで授与された人、他の人から譲り受けた人。まあ、テレビで長い時間並んで赤札を受け取っている様子をみて、ご苦労なことだねぇ、なんて妻と話していたので、その存在は知っていた。

まさか自分がここにいるとは

自転車で行けるほど近いところで30年ほど暮らしてきたのが、赤札というものをこれまで全く知らなかった。どうやら川崎大師では、10年毎に大開帳奉修そして赤札授与が行われているそうだ。
この赤札をいただくことによって、無量の功徳を授かるとのこと。
決して信心深いとは言えない人間なので、ほぼ興味もそそられず、全くの人ごとと捉えていたのだが、先述の2人が形は違いこそすれ、揃って赤札を受け取っていることを知り、意外にも身近な話題であったことにちょっとビックリ。
そして「へぇ、赤札もらいに行かないんだ?」とさも不思議そうに問われたことが、なんだか心に引っかかっていた。
仕事が終わりスマホをチェック。娘からのLINE。なんと友達と川崎大師の赤札の行列に並んでいる写真が添付されているではないか。
あれー?そんなに信心深い子だったかなあ…
まさか、赤札関係者が身内にいたとは!そしてその後には「お父さんは行かないの?」と、ここでも、行かない選択が意外だと言わんばかりの言葉が投げかけられる。
まぁ、行かないよね。そんなわざわざ朝から行列してお札をもらうなんて。

早くから多くの人が!出勤前の人も

翌朝5時半、赤札を求める行列の中にいた。この日なぜかほぼ眠れなかった。まさかとは思うが、同僚と娘に言われた「行かないの?」が気になっていたのか!?いやいや、そんなわけはないよなあ、偶然だよー。朝方、あまりにも寝られずヤケになってスマホを見出した。そこで赤札のことがチラッと頭をよぎり、川崎大師のHPを開いて調みた。
そこで気がついた。やっぱり昨日からずっと気になってたんだ。悔しかったのかなぁ。そんなわけないよなぁ。でも、なんだかじっとしていられない気がする。あれっ、今日大安だぞ!さらにご利益アップじゃないか!?
もう行くしかないでしょ!次は10年後。今行かないと、10年間悔いが残るかも…。
昨日は土砂降り、今日は?快晴だ!お大師様が俺を呼んでいる!!
で、今変なカップルの後ろで靴入れの袋を持たされて並んでいる。どう見ても信仰心のあるようなカップルには見えないが、そう思っている自分も同じだよな。なんでここにいるんだか?
自分の滑稽さについつい苦笑い。それが穏やかなおじさんと映ったのか、隣の老婦人が話しかけてきた。聞くところによれば、前回10年前にも来ていたとのこと。もうこれが最後だと思ってお参りには来たそうだ。俺だって10年経てば70台に突入している。次があるのかどうか。

いよいよ 大本堂の中へGO!

ご婦人にいろいろと教えてもらいながら、待つこと1時間半。いよいよ大本堂の中へ。朝一番の行列に並ぶと、御本尊を拝むだけでなく護摩祈祷も見ることができた。
そして、信徒会館まで移動した後、いよいよ赤札を授かることに。とても貫禄のあるお坊様から手渡されたお札を大事に携えて外に出た。

無事にいただくことができました

何かが起こる前に、一刻も早くカバー(赤札入れ)を買わなければと焦る。500円のしかない?
いや、100円で買えるとネットには書いてあったぞ!結局、境内から出ればいろんなお店で安いものも含めたくさんの種類の赤札入れが売られているいうことがわかった。100円の赤札入れを購入。無事に赤札をケースに収めて一件落着!

ケースに入れてひと安心

1日前のこの時間。まさか自分が川崎大師にいるとは想像も出来なかった。人というのはわからないものだ。本人でさえこうなんだから。
全く何もわからないままに行列に加わったが、なんだかとってもいい気持ちになっている自分がそこにいた。これで後悔なしという気持ち、ご婦人と穏やかな会話を楽しめたこと、奇跡的に天気にもお日柄にも恵まれたこと。
同僚にも娘にもすぐ連絡だ!器のちっちゃいおじさんの、ちっちゃな出来事。小さな幸せだけど、ずっと記憶に残る日になりそうな予感がする。
さて、10年後の次の大開帳、赤札授与も迎えられるように、健康第一で過ごさなければ!

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