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株主との対話と開示の事例紹介③

皆さん、こんにちは。
アクロポリス・アドバイザーズです。

前回に引き続き、東京証券取引所が公表した『「株主との対話の推進と開示」に関する企業の対応状況とフォローアップ』の内容を受けて、具体的に企業の対応と開示について紹介していきたいと思います。

最終回の今回は、山善の対話と開示内容について紹介いたします。
山善が公表した資料については、以下の資料をご覧ください。
株主・投資家との対話の推進状況 ご報告


■対話の実施概要と社内フィードバックについて

山善は機関投資家との対話の実施概要として、投資家の属性会社側の対応者対話の主なテーマ株主の関心事項について公表しています。

対話を通して把握された株主からの意見や懸念点は、経営陣や取締役に対してフィードバックが行われており、それを踏まえて議論をする体制となっているようです。
また、1 on 1ミーティングについては、広報・IR室責任者が担当しているようです。

株主・投資家との対話の推進状況 ご報告

■対話の実例について

山善が行った機関投資家との対話を通して挙がった意見とその返答が開示されています。

ここではその一部を抜粋して紹介します。
◎二次卸の販売店における事業継承問題の影響と対策は?
→二次卸の先のユーザーも減少しているが、直ちに大きな変化があるわけではない。
後継者問題を抱える中小の要望があれば当社グループに加えることも行い、マーケットの維持拡大に尽力している。
◎PBR0.8倍と1倍割れだが課題意識、改善策は?
当社の事業モデルがわかりにくいと認識しているので、市場からの理解を促進するためにIR活動を積極化する。

株主・投資家との対話の推進状況 ご報告

■おわりに

ここまでご覧いただきありがとうございます。
山善は、機関投資家との対話を通して認識した課題を踏まえて、決算説明会資料を充実させています。
今回の資料にも、「資本収益性向上への取り組みについて」として一部紹介されていますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。

今後、特にプライム上場の企業の経営陣やIR担当の方々は、株主との対話やその開示について更に求められることと思います。
この記事が上記の方々に限らず、株主との対話について検討している方々の前例の把握に役立つことを願っております。


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