刺さる本は時に読むのが辛くなる
有川浩さんの『フリーター、家を買う。』を読んだ。
ドラマもやっていたと記憶しているのだけどそちらも見ていないので本当に初めて作品に触れた。タイトル通りの本なのかなと読み始めたけれど、正確にはちょっと違う。フリーター状態であった主人公が母親が精神的に病んでしまった事をきっかけにして自分を見つめなおし立ち直りバイトから正社員になって成長していく物語だった。そして最終的にはタイトル通りに家を買う。ネタバレになってしまうけど内容はそんな感じ。
まあーとにかくまっさきに浮かぶ事は読んでいて自分もダメダメな人間であるので物凄く刺さったという事。凄く読みやすいし内容も面白いのに読むのが辛いと思ってしまうくらいだった。日記にも読むのが辛いと2,3回書いていたし。自分がダメであるという事を分かってもそこから変化していくのはパワーがいるししんどくもあるのを改めて感じた。主人公の母親のように精神的に折れてしまってもそこから回復するのには更に時間がかかってしまうし。何かを変える、元に戻そうとするのはしんどい、でも継続し続ければ少しずつ変わっていけるというメッセージも感じた。自分は誰かに頼ったり自分の話をするのが壊滅的に苦手なのだけどそれではダメなんだなというのを感じた。しんどくもあるのだけど読めば前向きな気持ちを貰える話であったので読後感も良かった。
母親や主人公家族が近所から受けていたいじめの描写は明らかに異常だったのでそこには現実味をあんまり感じなかったな。動物虐待とかホラーすぎてこんな事をする人がいる近所には住みたくないと心の底から思った。あと有川作品お馴染みの恋愛要素もしっかりあるのだけど後半に入ってからだしノーカンのエピソードとか若干唐突に始まったなと思ってしまった。少女漫画大好きだし恋愛要素あるの好きだったりするんだけど無くても面白く読めるし無理に入れなくても良かった気もした。
#電本フェス2021読書感想会 #フリーター 、家を買う。
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