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料理のヒント

 あなたは、日々の料理は何を参考にしていますか?

 私は自分の経験と、外食などで食べたものをヒントにすることが多いです。料理研究家のお仕事やレシピ本について本や記事を書いていますが、レシピを読んでつくることは、ほとんどありません。

 あまり複雑な料理はしないし、たいていは、具材を入れ替えただけの炒め物やスープ、煮物、サラダなので、レシピを必要とすることがないのかもしれません。私のこの連載を読んでくださっている方は、お気づきかもしれませんが、レパートリーを求めてもいないのです。

 たまに、読んでいる本や、観ていたテレビ番組などにヒントを見つけることがあります。トップの写真は、まさにそんな料理です。料理、と呼ぶほどのことではありませんが。

 先日、メキシコからアメリカに渡った移民女性を主人公にした映画を観ました。アマゾンプライムで配信している『イーストサイド・寿司』という作品です。日本の映画館では配給していなかったそうですが、人気作品なのだそうです。

 アメリカで、父と娘の3人家族の主人公は、今までたくさんのメキシカン・レストランで働いた経験がある料理上手という設定で、やがて日系人が営む寿司料理屋で、女性への偏見を乗り越えて成長し一人前の寿司職人になっていくのですが、私がヒントをもらったのは、寿司の話ではなく、その前段の話です。

 彼女は、父親とワゴンを引いて、カットフルーツを売っています。その際に、おいしくするための一工夫として、客に手渡しする直前にライムを絞るのです。父親が経費を節約しようとライムジュースを買うと「それだとおいしくない」と怒ります。

 「これはいい」と思って、毎朝食べる果物に、私は冷蔵庫にあるレモンを絞ってみることにしました。上の写真は、実は食べてみたら果物自体が酸っぱかったというネクタリンで、レモンの効果はいまいちでしたが、その前に黄金桃にレモンをかけたときは、甘酸っぱさがどこかのお店で食べたような高級感があって、マンゴーのような味わいになっていました。

 なのでかけるフルーツは選ばないといけませんが、甘いものにレモンをかけたら、甘酸っぱくていい感じになると思いますよ。

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