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ご飯、ちゃんと食べていますか?

 今日は家事以前の話をしたいと思います。前に、1980年代以降生まれのミレニアル世代に食卓の話を聞きました。すると、仕事が忙しすぎて食事をとること自体がままならない、という人が多かったのです。

なぜ食べられないのか

 私が会社員だったのは、1990年代前半と遠い昔です。残業は多かったけど、ランチタイムはきちんとありましたし、その時間帯に食べられなくても「遅メシ」とホワイトボードに書いてランチに出かけることができました。そしてちゃっかり1時間休憩して帰ってくる。残業も20時以降になる場合は、30分の食事休憩をとる権利があって、会社にある450円分の食券を使える店に行って、食事しました。「遅メシ」以外は、同僚と一緒です。

 そもそも、朝昼晩ときちんと食べないではいられない体質で、大学時代など11時前に起きて朝ご飯を食べるのに、12時を過ぎたら母親に「お昼ご飯は?」と聞いてうっとおしがられたぐらいです。仕事が忙しくても食べる時間だけは欲しい。なるべく規則正しい生活をしていました。

 ところが、話を聞いたミレニアル世代の職場は、決まったランチタイムがなく、各自仕事のきりがついたときに食べに行く。それが15時とか遅くなる人も、時間がなくてコンビニのおにぎりなどをパソコンの前で食べていたりするそうです。同僚と食べに行くという発想自体がない人も珍しくありませんでした。

 夜ごはんに関しては、私たちの時代に食べなかった人たちとそう変わらず、深夜帰宅する夫が、家でご飯を食べるという話は多かったです。一人、25歳の編集者の人が、なんとなくお金を使うのがもったいなく、総菜が嫌いなので、深夜に家に帰ってご飯と納豆だけ食べる、という人がいました。

人と食べるのがよい理由

 びっくりした私は、食関係のIT企業に勤めるミレニアル世代の友人に聞いてみました。すると、「うちの会社もランチタイムはないですね。人と食べることもみんなあんまりない」というではありませんか。もう私は完全に浦島太郎です。

 そういえば、人と食べられない学生がいる、という話を聞いたのは10年ほど前。ミレニアル世代のことです。友人は人と食べるのも好きで、会食できるのは当たり前という人なので、そういう傾向はありませんが、食べるところを見られると恥ずかしいという人はいます。

 もちろん食べ方は自由です。一人が好きな人もいます。でも、会食は情報交換の場であり、気分転換の場でもあります。自分とは違う考え方、発想を知って発見する。仕事を忘れて笑ったりして、リフレッシュすることだってできます。仕事のエネルギー源にもなるのです。

 同僚が何を考えているのか、あるいは自分はどんな事情を抱えているのか、お互いに知ったほうが、仕事はしやすくなりませんか? 何より、人は財産です。親交を深めることで人生はより豊かになる。せっかく毎日人と一緒にいるのに、そのメリットを失うなんてもったいない。その中に生涯の友になる人もいるかもしれない。ただ机を並べているだけだったら、人間関係めんどくさいよね、で終わってしまいます。

当たり前だけど、食べることは大事

 規則正しい食事は健康のもとです。私は20代後半、フリーになって独り暮らしの生活をする中で、食事が不規則だった結果、30代で結婚したときに病への道をまっしぐらに進んでしまいました。栄養も偏っていたのです。

 一人暮らしの人、家族となかなか一緒に食べられない人は、要注意です。栄養のバランスも悪くなりがちなので、だからこそ、職場で迎えるランチタイムは、弁当やら定食やら選択肢がある中で、バランスがとれた食事もしやすい。人と一緒に食べていたら、自分の栄養の偏りに気がつくこともできます。身体は資本です。若いときは生命力があるから乗り切れることでも、中年になったらいろいろ問題が出てきたりします。

 家事は健康を整える活動でもあります。それをこなすには、自分も元気な方がいい。元気のもとは食事です。まずは、自分自身に栄養を与え、毎日でなくていいから、たまには人と過ごしてエネルギーを交換し合う。食事をつくるのなんて、そのあとの問題です。そこからまず始めませんか?

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