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上手に買いものするには?

 先日、新しいカテイカ研究会のメンバーで、最近家族の料理を担当するようになった、五十嵐啓太さんが投げてくださったテーマが、フェイスブック・コミュニティ内ですごく盛り上がったので、今回はそのレポートをしたいと思います。

「買いものは高度な仕事だ」伊藤尚子

 5月の寒暖差の大きい気候のため、買った食材が傷んだり、体調を崩して予定の料理ができなくて、無駄になった食材がある。と悩みを打ち明けてくださった五十嵐さん。

 最初に回答をくださったのは、大阪の伊藤尚子さん。そのままコメントを引用しますね。

 買い物(今回の場合、どちらかというと在庫管理でしょうか)というのは、かなり高度な部類の話で、うまくできないからといって、恥ずかしくも情けなくもないんじゃないかなあと思います。
 企業だって、在庫管理はかなり大きな経営の要素で、専任者を置いて力注ぎますよね。それくらい難しいことです。「兼業」で家事をやる以上、そこが完璧でなくなるのは、まず仕方がない。
 そう認識した上で、全体が気持ちよく回るように工夫することが大事なのかなーと思います。全体というのは、例えば在庫の経済的悪影響だけにとらわれず、体力的心理的負担その他も考慮して、「無駄」を「一種の投資」と割り切るとか、そういうことです。

「『メイン』と『サブ』を意識する」有賀薫

  次に、有賀薫さんが家庭で食材ロスをへらすことは大事だけど、ある程度は目をつぶらないとつらくなる。家庭でご飯をつくって食べること自体がロス削減につながると前置きしたうえで、次のようにご自身のやり方を説明しました。

 私はいつも「メイン」と「サブ」という関係を意識しています。メインにする食材とは、素材で勝負できるもの、それがおいしくないとおいしく作ることが難しいもの。とんかつの豚肉であり、麻婆茄子の茄子であり、回鍋肉のキャベツです。
 メイン食材は古くなった食材や残り食材には務まらないので、味の補助的な存在として登場させます。キャベツなら他の新鮮な野菜と一緒に炒めたり、豚なら焼き肉のたれなど濃い味で味付けしたり。その素材の味で勝負しないってことですね。
 まとめ買いはこれからの季節は難易度が上がります。そもそも暑い時期は料理自体が大変になるので、私は夏はシンプルに食べることを心がけています。

「チラシを活用」「そして気にしない」真田美華代

 消費生活アドバイザーの真田さんが、家庭でのご自身の体験もまじえつつくださったアドバイスは、さすがのプロです。

1つめは、「チラシの活用」です。
 最近は紙ではなく、アプリやウェブチラシが充実して、買い物前にパッと見やすくなりました。
 旬の食材が大きく載っていてメニューの参考になったり、日替りのお買い得品が載っていたりと、意外に役立ちます。スーパーは水曜日と土曜日にチラシを更新することが多く、その前夜から見られるところも増えました。水曜日はお買い得品が多いです。
2つめは、「カテゴリー割引」の利用
 お近くのスーパーで「味噌全品2割引」等を見かけませんか?サミットさんはこういう割引の月間予定表を店頭に貼り出しています。「ストックがあったかな?」とチェックするきっかけに使えます。割引期間は数日あるので、調味料や日用品・お米など、在庫を考えながらストックするのに使っています。
3つめは「少量サイズを買う」そして「気にしない」
 皆さんもおっしゃっていますが、特に、夏は仕方ないと割り切るほうが良いです。私なんて「アドバイザー」とか名乗っているクセに、うちの冷蔵庫の片隅にはおろし大根になるはずだった切れ端がラップにくるまって変色しかかっています。まとめて切ってタッパーにいれておけば、味噌汁の具にできたのに…と軽く反省。
 少人数世帯に対応するため、青果も肉・魚も、少量販売が充実してきています。

「自分の定番料理と食材を決める」Kenji Imai

 夫婦ともに家事を行うImaiさんは、具体的な料理を紹介しながらアドバイス。伊藤さんは、あまった食材は味噌汁にすると便利とアドバイスしてくださいましたが、Imaiさんはパスタにするそうです。

 ある程度ストックする食材を、決めておくとラクですよ。どれくらいの日数で傷むかも把握しやすくなります。
 常備している材料のみ、またはプラスアルファで自分自身の定番料理を作ってまわしていくと無駄が少なくなります。

 材料を替えるだけ、味が変わります。これを楽しめるようになれば、レシピと100%同じ材料を揃えなくても、良い意味で妥協して料理できるようになります。

 Imaiさんはこの議論ののち、ご自身のnoteでも記事を書いてくださったのでご紹介しますね。

ルーチン料理で暮らす私の場合

 さすが家事についてふだんから意識的に考えているメンバーの皆さんの話は的確です。五十嵐さんもとてもいい議題を投げてくださって、回答者自身にも刺激を与えてくださいました。

 さて、私はというと、なんとなくルーチンの野菜が決まっていて、肉や魚は可能な限り毎日買いものすることで、捨てる食材はほとんどない状態です。ただこの季節は、つくった料理が傷む、ということはときどきあり、先日も、せっかくつくった市販のルウなしの賽の目カレーがやばくなり、冷凍保存してゴミ捨ての日を待っています。

 私の場合、味噌汁で昇華することが多いです。あとは、具材多めの炒め物。ミネストローネもどきのスープになることも。賞味期限が短い葉物の葉っぱが黄色くなって一部捨てることはありますね。あと、賞味期限が長いキャベツが、油断しているうちに2週間も冷蔵庫に眠っていると、味が抜けたりします。でももったいないから食べちゃいますが。

 真田さんや有賀さんがおっしゃるように、「気にしない」ことは大切です。無駄にしようと思って買いものする人はいません。体調を崩す、急に食べられない人が出る、など不測の事態はいつでもだれにでも起こりますし、失敗を重ねる経験が、将来の無駄を防ぐことにもつながると思います。

 むしろ、捨てることを恐れて、使う食材のバラエティが少なくなりすぎることがよくないと思います。できる範囲でいろいろなものを食べる。そうして健康を保つほうが、家庭においてはロスを減らすよりたぶん大事です。もちろん極端に無駄が多すぎる場合は、従来のやり方を見直す必要があるとは思いますが……。

 もう一つ。冷蔵庫を適性サイズにすることも、中身を把握し使い切るうえで重要かと思います。お子さんが出ていくなどして、家族が減ったときなどは、小さめサイズに切り替えることをおすすめします。買い物が多いのに冷蔵庫が小さすぎても、詰め込んだ中身が把握できなくなるので、大きめに買い替える方がいいと思います。

 


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