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現代社会の火の用心

マッチ一本、火事の元。
今日も寒空の下、自治体の男の人たちの声があがる。

初めて聞こえた時は、ビビっていたけれど、今はその声に安心する自分がいる。

風が強い日。隣の家の洗濯物は無事だろうか。

あまり、やる気の出ない日に頑張っても仕方ないな、と冷めたコーヒーを飲みながら、ぼおっと過ごす私。

それにしても、マッチは最近では使う頻度も減ったし、オール電化も進んでいく。火を使う環境がなくなれば、彼らの夜の行脚の意義は、どこに旅立ってしまうのだろう。

コーヒーを、もう一口。

あぁ、うまい。
冷めてもコーヒーはコーヒーで。

彼らは彼らの存在価値はきっと、炎が珍しいものになったとしても、残り続けるんだろうなと、ふと気づいた。午後3時のことだった。

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