意外と身近な割には知らない癌のこと、入院のこと

まぁ、かからないとわからないよね。
ただ、かかりたくはないよね!

でも、かかったときに備えるのは大切だと思う。
と思って書いていたら普段の3倍位の文字数になった。
コンパクトにまとめる努力をしていないから仕方ない。
あとそれだけイライラしているということだろう。

僕の場合は食道胃接合部癌といわれていたし、実際に食道の腫瘍が原発らしいけど、治療の指針としては胃癌に沿って行われている。
だから、胃がんに偏った内容にはなる。

癌については大きく検査と、ステージ、抗がん剤について述べる。

まず、どんな癌なのかは、生検と呼ばれる、胃カメラで直接がん細胞を取って(ぱっくんちょする機械みたいなの)はじめてわかるみたいだ。
計画的にやれれば鎮静剤ありで眠った状態で行われることもある。
飛び込みだと鎮静剤なしだから、その間耐える必要がある。
大変だけど30分くらいだ!!心を無にして挑もう!!
終わったあとは絶飲食だ!!2時間!!

その他にも、全身の検査としては、造影剤を使ったCTや、PET−CTと呼ばれる検査が行われる。
ただ、このCTなんやらでは、抗がん剤をどんなものを使うかなんていうことはわからない。
あれらはDNAに作用するので、生検をとって1週間ほどかかった後に決定される。
あと、CTは直ぐに終わるけれど、PETが入ると2時間近くかかる。
PETは特殊なお薬を点滴して、シンチレータとか使って癌から出るガンマ線を測定して位置を特定する。30分くらい動かないままの計測。
時間がかかるのは原理上仕方ない。
どちらも多少は放射線を浴びるけれど、まぁ人間が地球にいるだけでも放射線は浴びているので、そこまで神経質にはならなくても良い。
そこまでの健康被害があるなら、医療行為として成り立たない。
こういった検査で、どこにあるのか?という場所だけわかる。

ただこれらは、やはり内視鏡には劣るらしい。
直接見ることに勝る検査はまだないということだろう。
だから胃カメラや大腸カメラなんかの検査は結構大事だと思う。

次にステージだが、これは進行度合いを示すとともに、どのような治療をするのかの指針になる。
ステージⅡなので、手術して切除になります、とかそういう感じ。
この辺は、ガイドラインを調べるとより詳しい。
僕のいるステージⅣが最後。

最後に抗がん剤。
僕の場合は、点滴を3週間に一回、飲み薬を2週間、なので3週間1サイクルで、抗がん剤が何もないお休みが1週間ある。
3週類の抗がん剤を組み合わせている。
これはステージとかによって変わるし、薬の組合せも癌の遺伝子で変わるそうだ。

あと、癌に限らず、お薬の成分は肝臓を経由する。
なので肝臓に異常がある場合には、抗がん剤は開始できないそうだ。
僕がステントの処置を受けたのもそういう影響。

抗がん剤の効果って凄いね。
癌のDNA合成を阻害していくらしい。そんなものが身体に入ればそりゃあ副作用もあるよなぁ、と思う。
あとは、癌の免疫細胞から逃れる力をなくす効果のあるものとか。
基本的には癌細胞の方にデバフをかけて戦うスタイルらしい。
自分にかけるバフは自分自身で。

まとめると、今のところは初日に点滴、夜から飲み薬、その後15日目の朝までずっと飲む。

副作用は、調べると本当にたくさん出てくる。
なので、この辺りだけは薬剤師の方の説明を聞いて、気になったら調べる程度にしておいたほうが心には良いと思う。

大きくは「よく出るもの」「出たら注意が必要なもの」の説明がある。
有名なのは吐き気(悪心)。
おしんと読むらしい。
ほぼ絶対吐き気止めが貰えるので、そちらを頼ろう。

体調として、癌そのもので悪化しているものや、薬の副作用によるものなんかがあるので、細かいところは数日おきの血液検査の経過を見て詳しく調べることになる。
だから、抗がん剤の1コース目(あるいは1クール目)は入院して、経過を詳しく観察されることが多いようだ。
アニメみたいな呼び方。
僕の場合は、何回か重ねたあとにお薬が変わったりするらしい。
これはシーズンとか呼ばれていた。
ますますアニメみたいだ。

ここからは入院全般の話。

気になる入院の負担だが、本当にこればっかりはどうしょうもない。
正直に言えば、ストレスはめっちゃある。
病院はマイナスをゼロに戻す場所だとわかっていても苦しい。
自分の生活空間ではないし、そもそもの症状で苦しかったり、副作用が出るかもしれないという不安、見ず知らない他人の生活音、挙げ出したらきりが無い。
いびきをかく同室の方がいたら、眠るのが本当に、もうアレ(語彙力の消失)
自分がどれだけ善い行いをしていてもこればっかりは運だ。

ルールを守らない忖度なしのクズもいる。
夜中までテレビ見てる人、パソコン開いている人(今の隣のベッドの人です、夜中にくそ眩しいんだよな…)、独り言のうるさい人。
こういう人ほど、自分はできるやつだと思っており、馴れ馴れしい口をきく傾向にある(凄まじい人格批判)。当たり前だよな、だって自分勝手なんだから。
これをバカの山と呼ぶ。
本当にできる人は謙虚で、自然と誰とでも、素朴に交流できる人だ。

そういう人に出くわしたら、その人にヘイトを向けて自分の世界に閉じこもるのが無難かもしれない。
少なくとも、自分の身体や癌のことを考えるよりは気が楽だろう。
これがどんどん辛くなって他人に当たる前に、友達に愚痴ったっていい。
体調が大変なときくらいは、聖人君子であらなくても良いと思う。
病状が良くなったら、その友達にはたっぷりお礼をしてあげよう。
自分の手の届く人を幸せにできれば、それだけで元が取れる。

なのでまとめて対策を書くと、耳栓やアイマスクを使って眠れるようにしておくと、どんなときでも睡眠のレベルは確保できるかもしれない。
アイマスクは柔らかくて、ゴムではなくマジックテープで固定できるものを使うことにした。

入院には現金と下着さえあればなんとかなったりするけれど、アルコールのないウェットティッシュとティッシュくらいはあったほうがいいかなと思う。
毎日シャワーを浴びれるわけではないから。

あとこれは自分ではわからなかった個人的な反省だが、周りの人は積極的に連絡を入れたほうがいい。
それが入院中の本人を助けることにつながる。

そんな、苦しい中でも看護師さんはいつも優しい。
本当に下げた頭が上げられない。
たくさん頼るべきだと思う。
もちろん、医師の方も。
ナースコールは躊躇しなくて良い。

あと病院食だが、これは好みによる。
完全にローファットなご飯だ。
だから、結構量が多い。
少食な人には多すぎるくらいだと思う。
クオリティは高くもないが、低すぎることはない。
イメージとしては、学校の給食。
高血圧なんかで減塩食の人は、結構厳しい味付けかもしれない。

脂質を減らすためだと思うが、おかずは焼いたものや、炊いたものが多い。
多分だけど、合成調味料もほとんど使ってない気がする。

主食は、その人の状態によってはお粥だったりもする。
朝だとパンも選べたりする。
全粥や五分粥だとおかずは固形だけど、三分粥だと何もかもドロドロ。
ミキサーされたお野菜は流石に食べられなかった。
素材そのものの苦味とかがもう副作用と相まって無理。
お粥の付け合わせのおかずも消化に良いものばかりで、後半は食べるのがどんどん辛くなっていった。
全部似たような味付けなんだよね。

この辺は、抗がん剤の副作用や気持ちの影響もかなり大きい。
まぁ、僕の場合は食事制限されるものがなかった(食道の通過障害は多少あるけど)ので、合間にチョコレートを食べて過ごしていた。

あと、入院中はそもそもストレスが多いのだから、なるべくそれ以外のストレスから遠ざかるべき。
SNSなんかは、情報発信するストレス解消よりもも遥かにノイズのほうが多いから絶対やらない方がいい。
好きなアーティストとかの公式HPを見ていたほうが健康敵だと思う。
ただ間違っても、You Tubeのコメント欄とかは漁ってはいけない。
9割はゴミ。
嫌いなものは、見なくていい。

あと、食事に関して、抗がん剤患者に関しては、栄養士による栄養指導が入る。
総括すると

  • 食べられるものを見つけてできるだけ食べること

  • これにどんな食事かどうかはあまり問わない

  • さっぱりしたものが好きならそういったものを、味のはっきりしたものが食べられそうならそういうものを

  • 取れるなら飲み物でとってもいい

つまり、プロテインなんかは飲めるなら飲んだっていい。
僕は栄養剤が支給されていて。これだけで1,000kcalを稼いでいる。
食べれないより文字通り数千倍マシだ。
幸い、甘いものは食べられたりする。
最近のプロテインは甘く飲みやすいものも多いので、好きな味を選んでみるのもいいだろう。
EAAはジュースみたいな味付けのものも多いから、薬っぽさが無いやつを選ぶと良いかもしれない。
固形物だと、どうしても噛むのが辛かったりするから、こういうときには補助食品は非常に優秀。

取りすぎてお腹を壊したら元も子もないから、その点は注意が必要だと思う。
一緒に炭水化物の多い食べやすいものをとったほうが良いだろう。
和菓子あたりかな?

あとはお金くらいかな。
1週間の入院で9万円とかだった。
ただまぁ、保険に入っていれば入院1日いくらというお金はもらえるし、最近なら限度額適用認定証というものがマイナンバーカードの保険証機能で代用できるから便利だと思う。
月々の支払いに上限があるからそこまで一気にお金が持っていかれることはない。
会社勤めなら、病欠も半年くらいは有給で行けるだろう。

副作用は、気持ち悪くなること以外にはほとんどなくなった。
食欲は7%くらいまで戻ってきた。
看護師さんも
「元気出てきましたね〜」
と言っていた。

今日は血液検査とレントゲン。

血液検査では副作用らしい副作用は出ていないらしい。
良くなってきているものもあれば、ちょっと悪いものもあるみたいだ。
ただ、炎症の数値は正常まで戻ったらしい。
まだまだ始まったばかりだなぁと思う。

Keep on keeping on.

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