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助産師経験談シリーズ vol.1

24週6日の赤ちゃんは
だいたい450-600gくらいかな...

今日もHeavyな経験談スタートです。
お寄りくださりありがとうございます。

母体保護法で24週未満は
中絶が可能だったのが
22週未満になったのが平成3年
わたしが助産師になった時からすると
まだ10年たってません。

一応年をごまかそうとしてみている
悪あがきを許して(笑笑)

で、新人で24週のお産...
もう24週それだけで頭パニックなのに
慢性腎不全でシャントしてて透析中...
透析されているので
水分を外に出せません、
なので、羊水が溜まる一方の方で
時々羊水を抜く処置をしていたほど。
23週で臨月以上の腹囲でした。
腎不全なので血圧も高いどころの話じゃない。

病棟ではやっと23週になったね〜
なんてお話ししてました。

陣痛が始まっていて
先輩にわたしの考察の程度の低さを
呆れられ鼻で笑われ怒られ
脅されながらも、
まとまらないまま
進むお産に
さっさとケアしなさいと言われて
もう体当たりでしかなかったけど
ぜっっっっったい離れないと決めてた。

そして先輩方はお産の進行の速さは
多分甘くみていたので
わたしをお母さん(Aさん)に付き添わせて
まだどうこうならないと
思ってたんでしょうね
わたしを一人にしました。
分娩室に。密閉空間に。

外でどうわたしをサポートするかを
話し合って下さっていたと
信じました、多分違うけど。

わたしの馬鹿さ加減を
どうしたもんかと呆れ笑いながら
話していたのは
気のせいにしよう(苦笑)

Aさんと話をしながら
陣痛のたびに痛いところをさすって
でも5分おきでした。
わたしは何気なく羊水多いから気になって
わたしが付き添って2回目の陣痛で
お尻を抑えてました。
Aさんも「あんしーん」って笑ってくれて。

3回目の陣痛で
手に圧を感じました、そこから
5分おきだったのに
4回目すぐ陣痛きて
(破水する...と思ったのもつかの間)
わたし叫びました

「破水しましたああああ!!!!!」
「N(NICU)呼んでください!!!」
「手の空いてる人みんなきてーーーーー!!!」

分娩台の周りには
多量の羊水。
赤ちゃんはわたしの手のひらで
受け止めていました。
わたしは赤ちゃんを落とさないように
冷やさないようにナプキンごと支えて
あとはたーーーくさんの人の手が
ぶわーーーーっと手際よく
済ませて赤ちゃんは産声を
うにゃっとだけ出し
NICUへ行きました。

わたしはその多分3分もない怒涛の時間が
過ぎたあとへなへなと腰を抜かしましたが
Aさんには関係ないので
スクッと立ち
彼女の身の回りをきれいに整えました。

その後反省会です。
なんで人を呼ばなかったかとか
もっと早くお産の準備に
取り掛かってなかったのかとか
Nには状況は伝えられなかったのか
とか
散々責められました。
もう言葉が出ませんでした。
日勤で出勤してAさんのそばについて
10分の出来事です。
報告云々で離れていたら...
と思うとそっちの方が嫌だった、
嫌だった、だけ。

すみません
しか出ませんでした。
なんでそんなことを聞くんだ?
あなたならAさんより報告を
大事にしたの??
という悔しさもあり
悔し泣きの感情がごっちゃごちゃでした。

泣き止んで片付け済ませて
帰る頃にはもう深夜勤に入っていました。

その時他のチームだったけど
大好きで憧れていた先輩が呼び止めてくれて
先輩はAさんのプライマリーだったような...

プライマリーというのは入院中から退院後まで
継続で関わってケアする専属みたいな
と思ってください

「あなたは新人なのにあのケースで
逃げなかったし離れなかったし
叫んで人を呼んだ、
これができたあなたを
わたしは誇りに思う。
ベテランでもあの対応は
できなかったと思う。
赤ちゃんとお母さんを
あなたはちゃんと守ったんだよ」
と言ってもらえて
また泣きました。

彼女はみーーーんなが
憧れる素晴らしく素晴らしい先輩でした。

なのでその先輩から個人的に
褒めてもらえて擁護してもらえたことは
嬉しかったけれど
これがまたやっかみを生み
パワハラが増しました。

女って怖いよねー...ってのを
まだみないといけないという意味で
なかなかの経験よねぇ...


そう、そう、
生まれた赤ちゃんは
714gでした。
そして、のちに元気に退院しました。
Aさんは大学病院は退院し
通いやすい透析専門のクリニックに
転院していました。

だいたい在胎週数(お腹にいる週数)
37週をめどに、NICUから退院になります。
生まれた赤ちゃんはその通り
37週目処で退院できました。

半年後くらいだったかな
ばっったりAさんと街中で会いました。
透析帰りだったようでした。

彼女に呼び止められて
どーーしたのぉ
なんか痩せちゃった〜??って。
そして
すごくすごく嬉しいことをいっぱい
言ってもらいました。
忘れません。

「わたしね、入院中からね、
お産はあなたが良いって思ってたの。
なんでだかはわかんないんだけどね。
病室にあなたが入ってくると
あの子が喜んでるのよね。
まだ23週とかなのにね。
もう体調的にはあの子を諦めないと
いけないのかという選択もあったんです、
わたしの命を守るために...。
でも、本当に願いが叶った。
びっくりさせただろうし
困らせただろうけど
分娩室に行くことになったあの時
あなただけなの、ずっっっと
そばにいてくれたのよね、
本当に安心だった。
子どももなんの問題もなく
退院して元気だから安心して下さいね。
あなたに取り上げてもらったんだから
あの子はきっと大丈夫。
あなたに取り上げてもらったから
わたしも大丈夫。
ありがとうございました。」

って。嬉し泣きと
あの時の心労が報われた瞬間で
大都会の街中で大泣きしました。


まだまだあるよ〜なので
続きまーす(笑)


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