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ときめきメモリアル Girl's Side 4th Heart 感想 大成功先生(全ED)

ときメモGS4、大成功先生 告白ED(2種)の感想です!
※告白の返事は全パターン選択済、フラグ折れ選択肢とコマンド不足BADも見ています
※ときメモシリーズはGS4が初めてです


言葉でつながる、二人だけの世界

文系学力特化型カップルの「閉じた世界に二人きり」感、たのしーーーーーい!!!!!

これはDLCでイベントが起こる順番と時期がきっちり決まっているからこそなんだろうけど、大成先生は時期によって話し方が全然違うんだよね。
声のトーンは変えずに言葉の使い方や文の組み立て方のレベルをその時点でのマリィに合わせてどんどん上げていくんだけど、後半はお互いに省略やロングパスが多すぎて「私だけがあなたをわかる」をバシバシ出した会話になっていて、達人同士の試合を見ているみたいな気持ちよさがあった。

その変化に最初に気付いたのが、採用試験失敗についての会話。

「オレもう、先生じゃないよ」
「あ、ごめんなさい……」
「あれ、知ってたんだ? 採用試験落ちたの」

「ごめんなさい」の反応で「あー落ちたの知ってたんだな」って気付いたとしても、そこはコミュニケーションとして「実は、採用試験落ちちゃったんだ」って説明するところじゃない? この時から一気に話し方が変わるというか、話すトーンは同じだけど省略が増えるんだよね。

質問の答えが返ってこなかったり、うんと後の「今!?」みたいなタイミングで返ってきたり、うんと遠回しなヒントだけ置いていかれたりしても、マリィはちゃんと受け止めて同じトーンで返してきた。それはまさに読解力だし、国語を学ぶことで育まれる力だと思うんだ。
コンビニ塾で何を伝えてきたのか、それを受け止めてマリィがどう育ったのかがバシバシ伝わってくる、すごく痺れるストーリーだったなあ。

恋愛面でもそれがすごく生きていて、序盤の言葉を丁寧に汲んだEDへの流れは間違いなく「書いてあることから丁寧に読む」学びの集大成だったよね。

おそらく、大成先生は周りの人と言語や論理の体系がちょっと違うという自覚があったから、「ここまでは言うけど、ここから先はわかってくれないだろうから説明しない」ラインがすごくくっきりあった(この境界線が感覚の鈍さに繋がってるのもめちゃくちゃクる)。そこにわかろうとして食らいついてくるマリィがいるってことが、もう人格まるごと肯定レベルの衝撃だったんじゃないかなと思う。

あと、これは自覚があったかどうか微妙なところだけど、理解できるすれすれのところを攻める挑戦的とすら言える問いが、他の誰にも見せない心の内側をさらして甘えているように見えてドキドキした!

この√のマリィは他の生徒とほぼ関わらない上に課外授業すら参加しなかったんだけど、なんというか独特のすごみが出ていて、同世代はもちろん大成先生以外の大人と会話しても物足りない感じだったんだろうなー。コンビニ塾で勉強していると魅力パラがどんどん下がっていくのも、年相応の可愛らしさとか抜け感が無くなっていくってことなんじゃないかなという気がした。

そして、そんな風にお互いにだけ通じる言葉を重ねる中で、大迫先生に「似ている」者同士と言われる理由の一つであった、頑固で甘え下手なところを溶かしていくのがすごく気持ちよかったなあ。

あまりにもハイコンテクストすぎてわたしも正直理解しきれていないと思うんだけど、感情をしっかり動かして楽しみながらも言葉の一つ一つや論理の流れに神経研ぎ澄ませていく感じがすごく楽しかった!

大成先生もマリィも、これだけ国語の力がずば抜けている割に「本(物語)が好き」というわけではないのがまたすごくリアリティがある知の形だよね。あくまで受験勉強(の背景にある学問=体系化された知識)がベースで、その中で言語・論理分野が得意だから、結果的に古今東西の物語を精緻に読み解くこともできるという感じ。

このマリィはテストの点数的には本多くんと並んでいたけれども、本多くんのように探求心と広く深い知識があって結果としてテストの点数も取れるというタイプとは対照的だから、きっと自分にはないものを持っている人としてお互いほんのり意識していたんじゃないかなあ。(クイズ王で名前呼ばれそうになってびっくりした!)

「学校とか勉強が好きになれた」とは

「学校」を「好きになれた」という大成先生が勉強オンリーのマリィの虚無高校生活をどう思ってるのかというのは、ずっと疑問に思っていて。
だって、「勉強」だけならそれこそ「塾」でできる。行事や部活、友達との関係を通して多彩な経験をすることは「学校」の重要な部分じゃないのだろうか。

荒れていた自分が勉強の楽しさを知ることで人生変わったというのはわかるんだけど、それって進学校を出て一流大学に通う子たちの「大成功」パターンじゃない?
マリィはたまたまその形にうまくはまったけれども、余多高の子たちや荒れていた時代につるんでいた友達はきっと「学校は勉強より部活や行事、友達のために行くところ」とか「学歴より実社会に使えるスキルを身につけた方がいい」とかいう考え方の人が多いと思うんだよね。

それでも大成先生はマリィにも余多高の子にも、「勉強で運命変えるんだよ」って言うんだよ!まるで信仰のように、勉強の力を信じている。

もしかしたら大迫先生の教えと関係あるのかなと思って調べてみたんだけど、驚いたのが学園演劇での「やっぱりクラス全員が舞台に出られたほうが良かったんじゃないかって思えてきてな」というセリフ。大迫先生は「思い出」として成果が残る、わかりやすい「青春」がいいという考え方なんだよー!

学校行事を重視しない大成先生の考え方は一見これに反するようだけれど、実は一流大学合格は彼にとって「舞台に出る」の一つなんじゃないかと気付いて。
教職課程を履修して教師になるなら、二流大学でも三流大学でもいい。
だけど、自分は一流大学に進学してその成果を大迫先生にちゃんと示せてよかったと思っていて、その揺るぎない「大成功」体験が「もっと上に行けよ」につながっている。

この「自分は勉強での成功しか描けない、導けない」って思っちゃう視野の狭さと、それでも難関大学への受験指導に特化した「塾」や荒れてる子のための学びの場の創出ではなくて「学校の先生」にこだわる理想の持ち方がさー!
子どものことは信じるのに自分のことは疑い続けてしまう、すごく頑張り屋なのになかなかそう見えない、甘え下手の真面目な人じゃないかーー!!!!!

やっと、大迫先生が「大成先生とマリィは似ている」と評した意味がわかってきたような気がする。

ちなみに「もっと上に行」った結果が海外飛び級の御影先生なんだけど、それはそれで年相応の高校生活に未練を残しているからなあ……

そして「もっと上」の可能性を知らない本多くんは、自分にできるだけのことをやった結果「教える側」に回ろうとしている。

勉強で運命変えるの、並大抵のことじゃないよね。教育者ってすごいなー!!

問一 花火大会における「今の気持ちがそう感じさせてる」とはどういうことか説明せよ。

「オレ、辛いのも冷たいのも平気。だからたぶん、今の気持ちがそう感じさせてる」
「今の、気持ち……?」
「ああ、今日でおしまいだ」

花火への「これでおしまい……」が「今日でおしまいだ」に繋がる、コンビニ塾での小説読解対策で出てきた文豪の作品を思わせるようなとても美しい流れ。

…だけど、「今の気持ち」の説明はしてくれない上に、「ああ」(=肯定の相槌)とすると繋がりがわからない。

この√のマリィは納得できたことは絶対聞き返さないから、この時点では本当にわからなかったんだと思うのね。だけど、EDでは「辛い食べ物が辛い」の意味を理解している。
ここにコンビニ塾での学びが生きてるのか!とはっとして。

例えば『走れメロス』で、メロスの心情に伴って太陽や水の描き方がどう変わっているか。
同じ太陽が自分を苦しめる暴力的なものに見えたり温かな希望の光に見えたりするように、世界の見え方や感じ方は語る人の気持ちによって変わるということを、何度も何度も一緒に読み解いて言語化する練習をしてきたんだよね。

じゃあ、個人差の枠を越えて「辛いのや冷たいのが平気」とは、どういうことなのか。
その感覚を得た(取り戻した?)きっかけとなった「今の気持ち」とは何か。

今の君ならわかるよね、という確信を持ってマリィに委ねてるんだわ!
まったくとんでもないな国語教師!!!!!

難しい表現はないし、知識が披露されているわけでもないのに、二人のやり取りの中でコンビニ塾で重ねた学びと育まれた学力パラ540超がめちゃくちゃ見えるんだよ……すごい仕掛けだね、これ。

となると、「ああ」はただの相槌で、「今の気持ち」は説明するつもりはなかったし、わからなかったらそれでいいやって感じだったんだなー。

でも学力540ない私(プレイヤー)は全然わからんわ!何なの!!しかも花火大会会場にマリィを置いていきやがって何かあったらどうしてくれるんだ!!!とか、もう気持ちがぐっちゃぐちゃで。

「今の気持ち」って、なんだろう。

「辛いものを辛いと感じない」=麻痺している状態から、辛いと感じるようになった。
自分の感覚を押し殺さない、自分を生きる(大切にする)感覚をつかみかけている。
それは、これまでマリィと重ねてきた時間があったから。

でも、だとしたらシロップ全部がけのかき氷の時点でも違和感があったはずでは?
かき氷と焼きそばの、それぞれの時点での「気持ち」の違いは?

これ、コンビニ塾を「おしまい」にするって決めたのがどのタイミングなのかによって変わってくるよね。……とずっと考えてきたんだけど、花火大会のお誘いを断る選択肢で出てた!

「本当は花火大会で話すつもりだったんだ。
 ……コンビニ塾の役目はもう終わった。」

そうか。
最初から、花火大会で「おしまい」にしようと思っていたんだね。

だとしたら、辛い食べ物を辛いと思った理由となった「今の気持ち」は
1)マリィを愛しく思う気持ちとともに芽生えた「人間らしい感覚」
2)今から一方的にコンビニ塾を「おしまい」にすることを告げるという罪悪感

ということなのかな。

告白の中でも「最近、辛い食べ物が辛いんだ」と言っているんだけど、告白での「辛い食べ物が辛い」は1の意味に限定されていて、だから「最近」(花火大会の時とは違う)とわざわざ言っているのではないかなあ。
「最近」自覚しただけで花火の日からだっていう解釈もできるけど、夏以降は特に一つ一つの言葉がヒリヒリするほど意識的に使われているから。

「おしまい」を告げられたマリィと、それでも歩みを止めない力

コンビニ塾を終わりにする理由について、おおまかな説明は同じなんだけど、お断り選択肢の場合はマリィがもっと勉強したいと言って「納得できるまで、自分を追い込みたい気持ちわかるよ」からの「君は上に行けよ」だからまだわかる。

だけど、花火大会に行ったマリィはこのままコンビニ塾を続けて十分伸びると思っているから、突然のことに納得がいってないし、すごくショックだっただろうなと思う。

それでも「本当は迷惑に思っていたのかな」「嫌われちゃったのかな」というように考えたことは一度もなかったし、「大成先生のような教師になりたい」という夢を曲げることもなかった。一度も!!こんな納得できない別れ方されたのに、ひとかけらも被害意識を抱かないんだよ!???

それってまさしく、100回も1000回も繰り返し言われてきた「思い込みを入れないで、書かれていることを読む」読解の鉄則じゃないか!!

自分以外の誰かの気持ちや考えを読み取る時は、必ず書かれていることから辿ること。「Aだと思っているならきっとBだろう」という「わたし」の推測や考察は、筆者や登場人物の主張とはっきり分けること。
それが頭に染みついていたから、存在しなかった先生の悪意を捏造することはなかったし、「今の気持ち」についても、告白の答え合わせまでにしっかり理解できていた。

マリィはコンビニ塾がなくなった後、勉強面でもメンタル面でも誰のことも頼らずに一人でひたすら頑張っていて、それは高校生としては驚くべき強さに見える。
でもそれってきっと、勉強で育まれた力が認知を正常にしてくれて、必要以上に傷ついたり得たものを過小評価したりしないで済んだからなんだろうね。

かつて大成先生は大迫先生が自分を「まっすぐ立たせてくれた」と言っていたけれども、その「まっすぐ」と繋がっているような気がしたなあ。

問二 スカイラウンジにおける「デートって言ってたから……」というやり取りについて、省略された部分を補いながら説明せよ。

「デート、嫌か?」
「いえ。でも大成先生、花火大会の時もデートって言ってたから……」
「一方的に悪かったよな。でも、そこから君はひとりでやり切った。
 うちの生徒も、最近はやっとコンビニ塾に来てくれる」

スカイラウンジのこれも難度高いんだよーーー!!!
「デートって言ってたから」と「一方的に」の間が普通に考えると全然繋がらない。

1)「花火大会の時もデートって言ってたから」恋愛対象として見てもらえているのかもと意識してしまう。でも「花火大会デート」も恋愛的な意味ではなかったので、今回の「デート」にもどう反応していいかわからない。

「一方的に(デートなんて言って)悪かったよな」

ということかと思ったのね。だって恋愛ゲームで「デート」なんて言われたら意識しちゃうじゃん! でも、そうすると「ひとりでやり切った」に繋がらない。

2)「花火大会の時もデートって言ってたから」先生と生徒の関係から一歩進んでもいいと思って「デート」に行ったのに、恋人どころか生徒としての関係すら断ち切られた。先生にとって、「デート」って何なんですか?

(前回の『デート』で)一方的に(コンビニ塾をおしまいにしようなんて言って)悪かったよな。でも、そこから君はひとりで(受験勉強と将来の夢へのモチベーション維持を)やり切った」

こっちかー!!
「デート」の意味は元々答える気がないのね!??

野良くんたちについて「最初に言ったフレンドが本当になった」と言っていたけれども、そんなフレンドが最初に言った「カノジョ」が本当になって、そして「デート」まで本当になったって、本当に言葉が運命を手繰り寄せたみたいですごくいいね。

告白について

告白の言葉がまたさー!「怖い」「辛い」「寒い」っていうマイナスの意味の言葉なのに、「君を大切にしたい」「君を愛する自分のことも大切にしていきたい」っていう意味として読み取り、野暮な言いかえとか一切しないんだよー!

一緒に読解の練習をしてきた小説では「あなたといると世界が美しく輝く」というのが心象風景の定番だったわけで。それをさらに一段階進めて、「あなたといると怖いことや辛いことが増えていく」それが生きるということであり愛する生き方だ、って伝えるんだよ!

スカイラウンジでの会話とそのままつながっているのもまた痺れる。
まず、選択肢に「ごめんなさい」がないのも、スカイラウンジでマリィが「デート、嫌か?」「いえ。」ってきっぱり即答したからだよね。「デートは嫌ではない」がスタートだから、その先の話をした。

さらに、「君といると、怖いんだ」
マリィが「怖い」から連想するのは、スカイラウンジで落ちたら危ないからと周りの人の視線を恐れず傍に引き寄せてくれたこと。つまり、「怖い」は「手の届くところにいてほしい・すぐそばで君を守らせてほしい」のイメージを導くものなんだよ!うわああああ……!!

しかもこれ、余多高の門のところで「やっぱり、怖いかも……」の選択肢を退けてマリィの背中を押してくれた「逃げないで踏み込んで行けばいいんだ」という言葉が反転しているのがまたすごい。
「逃げないで踏み込んで行く」ことは、マリィの世界を広げるためにもすごく大切。だけど、帰り道にマリィを一人にしたくないと思うようになったのは、フレンドにはなり得ない桁違いの悪意を持った人や「危ないこと」がそこかしこにあると知っているから。
そのあたりは一度懐に入れた身内には甘いって感じかなあと思っていたんだけど、ふと気づいた。大迫先生の教えの根幹は「何事も恐れずに全力でぶつかってほしい」ということ。何かあったら自分が責任を取る、それが教師であり大人である自分の役割だと。ああ、こういう形で大迫先生の教えが生きてるのか…!

そして「君の注意なら聞く」
コンビニ塾って、気配りパラが全く上がらないんだよね。ということは、マリィは先生の体調を心配はしていても、例えば「今日はアイスだけじゃなくて●●しませんか?」みたいな「気配り」は一切しなかったし、自分はその立場にないと思っていた。

それが、落ちるわけがないスカイラウンジですら自分を心配してくれた先生の気持ちを受け止めて、私だって大好きで大切な人のことを心配していいんだって一歩踏み出すことができた。マリィの「もう、食べ過ぎないで下さいね?」「君といると、怖いんだ」のどストレートな言い換えなんだよ!うわーーー!!!!

告白されて相思相愛で嬉しいというのはもちろんあるのだけれども、それ以上に、こんな二人にしか通じない言葉で愛を語らっちゃうんだなあというハイコンテクストなやりとりにすごくテンションが上がった!

「その人らしさとか難しくて……」の話

告白の中で「え!?」と声に出してしまったのがここ。

「ガキの頃から、自分らしさとかわからなかったんだ」
「自分だけじゃなくて、他の人に対しても同じ。その人らしさとか難しくて……」

待って!!???「オレみたいな」ってめちゃくちゃ言ってたじゃん!
自分にも他人にも、「その人らしさ」はこういうものだっていうイメージがかなり強固にあるからこそ、「今のはば学にはオレみたいなのはいない」「ここにいるヤツらは、みんな似てる」って言ってたんじゃないの?まさか無意識!??

しかも大成先生の「その人らしさ」ってほぼ主観だけで、人間観察が得意ってわけでもないんだよね。はば学にだって大迫先生のやり方が合わない子も、やりたいことがなくて荒んでいる子もいる。荒れていた時期の友達や余多高の子の中には、はば学から一流大学に行って教師になった大成先生を「自分と似ている」と思わない人も多いはず。

じゃあなんてそんなことを言ったかって、これもまたずーーーっと考えてたんだけど、「人は変わるって知ってるよ」みたいなことを言いたかったのかなあ。
あるいは、「今から言うことは『オレらしくない』かもしれないけど、」みたいな意味??うーーん……考えが整理できたらまた追記します!

大成先生とマリィ、そして野良フレンズの「似ている」ところ

職員室のフラグ折れイベントでの、大迫先生のセリフ。

「無理かどうか決めるのは自分だぞぉ?
 大成もおまえも似ているからな。ゆっくり考えて納得して決めればいい」

大成先生とマリィが「似ている」というのはぼんやり思ってたんだけども、大迫先生から見てもそうなんだー!!!!!とめちゃくちゃ納得。と同時に、ハッピーエンドに行くと聞けない台詞だと気付いて崩れ落ちた。なんという……

二人が似ている点はたくさんあるんだけど、それが余多高の子たちの持っている部分と重なるのがすごいなー!

【1】野良くん要素


何でも一人で頑張らないといけないって思ってる甘え下手のところ

・女子会での(わたしひとりだけの力で進む道、か……うん、がんばってみよう!)
・コンビニ塾コマンドが足りない時の(これからはひとりで勉強しないと……)

大成先生と過ごしたマリィ、全っっっ然人に頼らないんだよ!
「納得」するまで自分一人で頑張りたいし、そうあるべきだと思っている。一人で解決できない問題は、すっぱりと諦める。
その潔癖さと視野の狭さ、そっくりじゃないか!!!

【2】扉くん要素


自分だけの「運命」を信じ、同じものを見てくれる仲間を欲しているところ

先生が野良くんを庇った時に「ここのチョコミントは正義だ」って言うんだけど、これあながち冗談ではないなと思っていて。
「学校」や「勉強」が人生を拓く希望になるということ、コンビニ限定のチョコミントアイスが一番美味しいということ。
大きなことも小さなことも、自分だけの確固たる信仰がたくさんあって、その偏った世界を共有できる人とだけできたらそれでいい。

大成先生√はいろいろな人と関わりがあるにもかかわらずすごく閉じた世界だなとずっと思っていたんだけど、そういう「自分たちにしか見えないもの」の共有で繋がっているからなのかなと思う。

【3】余多高Cくん(黄色の子)要素


決めつけるところ、諦めが早いところ

「えー勉強?」ってだだをこねるとか「カノジョ」について突っ込んだりとかせず、自分には関係ないやーって思うとすぐ話を切り上げちゃうところ、大成先生のフラグ折れ選択肢で突然ブツッと切れる感じを彷彿とさせるよね。もうちょっと粘ってくれたら開ける道もあるのに…!

そういえば本多くんのナンパ撃退イベントで扉くんが「どう見てもお前迷ってないだろ」って言うんだけど、その時本多くんはめちゃくちゃ迷ってるし結構メンタルがぐらついている蛹の時期だったんだよね。それ、「今のはば学にはオレみたいなのはいない」と同じ思考回路じゃん!って唸ってしまった。

そんな二人が、いつでも断ち切れる細い糸のような絆を繋ぎ続けていたのって、本当に奇跡のようなことだよね。出会えて良かった!

御影先生との対比と、成立しなかった先生VSの話

彩り豊かな季節と生命の輝きを浴びた御影先生√の直後、大成先生√でコンビニ塾のひんやりした明るいテーブルに座って閉じた世界で言葉や概念と遊ぶ3年間を過ごすの最高にエモい
午後8:02 · 2022年5月25日

https://twitter.com/aco_can_/status/1529417673171701760

プレイ前は先生VS見たーい!と思っていたし、対比が鮮やかすぎてめちゃくちゃ美味しいと思うんだけども、大成先生を好きになったマリィは御影先生を好きにはならないし、逆もまた然りという気がした。


大成先生より好感度の高い男の子を作らないためにコンビニ塾とはばチャくらいしかやらないでいると初詣や修学旅行は自動的に御影先生になってたんだけども、この√のマリィをよく表しているなあと思ったのが初詣での台詞。

2年目 「それおまえの悪いクセだぞ。先を急ぎすぎ。こらえ性がないと、つまんねぇぞ」
3年目 「ほんと、おまえはこらえ性が無いな。こればっかりは三年間治らなかったな?」

あーーー!!ってもう、頭抱えちゃったよね。

今すぐに可能な限り全てを知りたい、それでもまだまだわからないことや知りたいことが無限に湧いてくる。言葉も気持ちも保留にする方がもったいない、どんどん先に進みたい、時間がどれだけあっても足りない。

コンビニ塾で学力540をこえて、もう受験なんて全然余裕なのに思考力や表現力を養うためにはばチャバイトだけはしていた大成先生√のマリィって、そういう子だと思う。それはこらえ性のなさとも言えるけど、「納得できるまで、自分を追い込みたい」という情熱からしか生まれないものだってある。

そんなマリィにとって、じっくり楽しみながら成長してほしいと思う御影先生の考え方はもどかしいんだろうね。御影先生√では大人の掌の中で転がされる感じを嬉しく思っていたし、そんな先生に憧れていたけれども、大成先生√ではそれすら手加減されている感じがして嫌だったんだろうなー。

課外授業は一度も参加していないけれども、本多くんのように自分でどんどん課題を見つけることができないマリィにとって「楽しめるのが一番、一つでも二つでも学べることがあればもっと良い」みたいな課外授業のスタイルは物足りなかっただろうなあ…
逆に課外授業や園芸部を楽しんでいる御影先生√のマリィは、ひたすら机に向かって学びを深めるコンビニ塾のスタイルは退屈で合わないと感じてしまうと思う。

「教師を辞める/教師になるまでの3年間」という正反対な枠組みをはじめとして御影先生と大成先生の対比ポイントはたくさんあるんだけど、特にぐっときたのがこのあたり。

●畑の野菜(自然)←→コンビニのアイス(人工)
天候に左右され、嵐の日には無事を祈るしかない/四季折々に花が咲き、実を結ぶ/一つひとつ違う素材の味/頬に付いた泥
24時間365日空調がコントロールされていて明るく快適/清潔な品物が整然と並び、いつでも同じものが手に入る/均質な味/頬に付いたアイス

●ツナギで教壇に立つと叱られるはば学←→ジャージでパウチドリンク(?)を咥えて歩いても良い余多高

●「おまえの友だちには向かない」←→「野良フレンド」

●「気を付けて帰れよ」←→帰りに一度も送らない、花火大会で置き去り

●学年トップで「根詰めすぎんな」←→「もっと上に行けよ」

●卒業まで「課外授業」の名目は崩さない←→さらっと「デート」って言っちゃう

●「オレの中の真面目ちゃんはどこいったんだよ」←→「その人らしさとか難しくて」

●生徒と接するときは常に「見られる自分」として場をコントロールする「役者」的な振る舞いをする←→しない(急にトーンが変わる)

修学旅行で御影先生と回ると球根をくれるんだけど、大成先生と過ごすマリィはそれを植えないし(植えるシーン自体出てこない)、色を知ることもないんだよ…辛い……

それに対して大成先生は誕生日もクリスマスもない、形に残るものは何一つあげることももらうこともできなかった。
そんな二人が唯一渡したのが「言葉」で、こらえ性のない二人が唯一その「言葉」だけ大事に温めて育てて一緒に将来を咲かせたんだよね。
こんなに人と繋がる未来を得ているのに「二人きりの世界のハッピーエンド」という感じで、それがなんだかすごく良かった!

おまけ:感想記事まとめ後のツイートなど

※R18妄想→   3の続き
※全年齢↓

あーー大成先生に浜辺質問したい 「好きな人のタイプ」「恋愛について」でどこまでかわしてくれるか試したいし、いつものように理解力ぎりぎりの線を攻められつつ「どうしてそれが知りたいって思ったの?」「君は?」に「わからないです。でも…」と言語化から逃げないマリィでぶつかりたい
午後1:36 · 2022年5月19日

女関係の過去についての隠し方・生徒を対象から外すような話の逸らし方は御影先生みたいにはできなさそうな気がするけど(ヨタ高はそういうトラブル防ぐ必要なさそうだし…)どうだろう、殴ったりせずに~の話のように反応で軌道修正してくれるかな
午後1:43 · 2022年5月19日

大成先生とアイス(大食い大会&シロップ全部のかき氷)、七ツ森くんのかき氷チャレンジでの食レポとの描き方の差がえっっぐいよね……甘いの辛いの好きでたくさん食べる+ダウナーな態度+周囲に壁を作りがちってのは共通してるのに、欲しいものの種類が違うのがそこではっきり見えちゃう
午後9:31 · 2022年6月11日

と思っていたら…!!

青空で教えてもらったんだけど、ローズクイーン取りつつ大成先生攻略できるんだね!! 大成先生√は「みんなに愛される万能なわたし」ではなく「一人で頑張って凸凹をより先鋭化させるように成長したわたし」だからこそ結ばれたという話だと思ってたんだけど、可能性はそれだけじゃなかった!

「でも何をしたらいいんだろう……」で始まった高校生活から、大成先生と出会ってコンビニ塾で自信をつけて他の分野も頑張れるようになって学校の友達とも積極的に関われるようになったっていうストーリーになるのもすごく素敵だなあ
午後7:47 · 2024年2月14日

待って!!?大迫先生はローズクイーンにならないと攻略できないの!?ってことは、大成先生と過ごしたマリィがローズクイーンになったら「大迫先生みたいに(生徒が自分で頑張る力を育み、何事にも全力でぶつかって挑戦できる環境を整えて支えられる大人に)なりたい」っていう彼自身の夢まで叶ってるってことじゃん!!???

※3は未プレイなので間違っていたらごめんなさい…!
2024/2/14 20:07

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