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ときめきメモリアル Girl's Side 4th Heart 感想 柊夜ノ介くん(真告白&通常告白)
ときメモGS4、 柊夜ノ介くん真告白&通常告白の感想です!
※告白の返事は全パターン選択済
※ときメモシリーズはGS4が初めてです
「柊夜ノ介」を知らない、「普通の市民」としてのマリィ
これ序盤で一番驚いたんだけど、マリィって劇団はばたきの舞台を見たことがないし夜ノ介くんの名前も知らなかったのね!???
まあそれはそうだよね……特に舞台に興味のある子でなければ、校外学習とかでもない限り市民劇団の舞台を見に行ったりしないよね。
Nanaを知ってるのに柊夜ノ介は知らない女子高生。
マリィがそんな「一般市民」の象徴のような存在だったから、二人の仲が深まることが「市民劇団」がはばたき市に受けいれられる過程と重なっていくんだよね。
マリィは夜ノ介くんと仲良くなってから「座長も生徒会も頑張っててすごいなあ」と思いはするけれども、彼の「芸術」部分、演技の力や「怖い」ほどの美しさは最後まで理解できない。同じ舞台に立って相手役として演技をしても、それを感じ取れるほどの感受性はない。
だけど、生徒会で一緒に仕事をし、一緒に舞台を作る仲間である夜ノ介くんのことは誰よりも近くで一番応援している。そんな風に普通の高校生として頑張る経験が夜ノ介くんにとってどれほどかけがえのないものであったかも、よくわかる。
座長ではなく一人の演者としての夜ノ介くんの魅力を味わえないのはもったいない気がしてしまうけれども、それを一度意識してしまったら同級生として軽口を叩くことなんてできなくなって、離れてしまった同級生と同じになっちゃうんだよね。うーん、もどかしいけどきっとこれが正解なんだなー!
「笑いましたね?」の変化
軽口といえば、「笑いましたね?」のニュアンスが関係とともに変わっていくのがすごく良かったなあ。
今まで笑わせる役をやったことはあっても素の自分をからかって笑うような人はいなかった環境で、親しみを込めてのからかいの笑いの受け止め方に最初は戸惑ってた感じがして。
(といっても、戸惑ってるってきっと周りはわからないんだろうなと思う。動揺した時の立ち直りがめちゃくちゃ早くてスムーズで、その「見られる自分」をすぐセットできる舞台度胸みたいなものが個人的に一番役者らしさを感じたポイントだった)
そんな夜ノ介くんが、マリィとの関係が深まると積極的に自虐ネタ(成績のこととか)を入れて笑わせるのがさー!
これ、信頼関係がちゃんとできている相手なら「笑わせる」じゃなくて「笑われる」でも尊厳は失われないって納得したってことなんだろうね。
その温かい笑顔の積み重ねがあるからこそ、告白お断りの時にその自虐ネタで少しでも笑わせようとしてくれたのがもう切なすぎて号泣。
あとは「構いませんよ。どうかした?」みたいな、敬語のありなしを混ぜる話し方がすごく良かったなー。一言話すだけで(こちらが気が付かないほどスムーズに)間合いをコントロールされてしまう、圧倒的な場の支配者!
自分の与える印象をよくわかっている、これもすごく役者らしさを感じたなあ。
「子猫ちゃん」と距離感、スキンシップの話
スキンシップを「猫」に対する扱いみたいだっていうの可愛いな~!触られているのは夜ノ介くんだけど、「気持ちよさそうに喉を鳴らしたり迷惑そうにしたり」という気まぐれだけど憎めない感じはまさにマリィだと思うし、恋と猫のイメージいいね~!と思っていたところに、冷や水を浴びせかけられるような一言。
「劇団にいた猫はね、僕がかまい過ぎて、家出したんだよ」
「僕もそうしたいくらいです」
ぎゃーーーー!!!!!
愛情表現は適度にしないと逃げたくなる・逃げられちゃうって釘刺されたー!!!
これで全然引かないマリィ、どういう心臓してるんだ……
しかもこのスキンシップ、かなり容赦ない。
「あなたは暗くなると、豹変する」
「あなたは、我を忘れて何をしてるんです」
「その割には執拗だ…………」
うひゃー! ご、ごめんなさい!!!!!!!(土下座)
夜ノ介くん、歓声浴び慣れてるし大接近の第一段階もスンッとしてるから「役で演じることもあるし慣れてるのかな…」と思いきやめっちゃ動揺してるし嫌がってすらいるじゃん!
毎回スキンシップも選択肢も○にしてるのに大接近発生率も他√よりうんと低くて、進んでいいのかハラハラした…!
ただ、ここまでしないとやっぱり周りにいる分別のある大人や自分への好感度がもともと高いファンとの差が出てこない。それだと恋愛対象として意識してもらえなかったという面もあるなと思うんだよね。
そこで考えたのが、「魅力」パラメーターのこと。
ぶっちゃけ、この√のマリィって一般的に言う「魅力的な女性」ではないと思うんだよ。ファッション誌を読もうが化粧をしようが、劇団の女性やモデルのみちひかのように見た目でお金をもらえる人と並んで勝てるほど美しくなれるわけはない。
「女性として見られる自分」を意識できていないから色気を使いこなすこともできないし、かといって美しい愛の言葉に機転の利いた答えを返せる大人の知性もない。
そんなマリィよりうんと魅力的な大人が夜ノ介くんをかっこいい、美しいと褒め、女としてアピールしてくる環境で。
じゃあマリィの「魅力」って何なんだ?
これをずっとずっと考えていて、今でもあんまりぴったりくる言葉が浮かばないんだけど、おそらく「一緒にいると心が浮き立つ」+「あなたのことをもっと知りたい」が近いんじゃないかなという気がした。
例えば静かな料亭で味わう上質な出汁の風味ではなく、祭りのざわめきの中で頬張る焼きそばのソースの味。
観覧車でのロマンティックな二人の時間ではなく、なぜか全力で回してくるコーヒーカップで髪を振り乱して笑いながら叫ぶ瞬間。
ずっと「芸術」の側の人間であった夜ノ介くんが、「ギャップ」要素としてしか見てもらえなかった普通の男の子としての楽しいことをたくさん知って、楽しいなあと思う自分をずっとそばで肯定してくれる「普通の女の子」マリィへの気持ち、それが彼にとっての「魅力」パラの意味だったのかな。
そしてもう一つ、マリィが素直に見えて一歩踏み込むと「わからない」ことだらけの存在であること。自分の「この先」は「お見せしたくない」気持ちと、マリィの「この先」が知りたいと思う気持ちは同じ「恋」の裏表だもんね。
美しさと怖さが近いところにあるように、知りたいと思うことと心惹かれることはうんと近いんだね。(古語の「ゆかし」だ!)
たくさんの恋を演じてきた役者「だからこそ」の不安と、本当の気持ちの話
恋愛についての浜辺会話で、夜ノ介くんが今まで演じてきた恋や愛は「どれも僕の気持ちとは関係ないし、僕の言葉でもない」と言い切ったのがすごく衝撃的で。
舞台で演じる気持ちって自分のもともと持っている気持ちを役に合わせて表現していくものだと思っていたし、お父さんが「芸に深みが出た」と言っているということは、きっと傍から見てもそうなんだろうから。
もちろん恋愛の演技だからって恋愛だけが素材となるわけではなくて、今まで経験した友情とか嫉妬とか喪失の悲しみとかそういういろんな感情を「僕の言葉」ではない台詞に結びつけて表現するわけだけど、「僕の気持ち」と「関係ない」とは言えないんじゃないかなあと。
この言葉によって「演技であっても他の女性に恋をする姿は見たくない」という不安は払拭できるんだけど、そんな姿勢で人の心を動かす芝居ができるんだろうか…という疑問もあって。
その続きがこれ。
「でも、そのセリフやストーリーはしっかり頭にしみ込んでいて邪魔します。
いざ、あなたに向けて語ろうとすると、どこかで聞いた言葉のように思えてくる。
それでは、嫌なんです……」
ああ、そういうことか……!!!!!
この表現が、もうめちゃくちゃ胸に刺さって。
愛している、好きだ、可愛い。
いざ自分がそれに近い気持ちを持った時、今まで口にしてきた言葉がぴったりのもののように出てくるのに、それを口にするのは自分じゃない○○(役名)であって。
「本来の」「僕の言葉」「僕の気持ち」じゃない!って気付いたってことか…!!!
夜ノ介くんの愛の言葉って(マリィには伝わっていないけど)すごく美しくて上品で、今まで自分が浴びてきた言葉で思考が構成されているんだなあってうっとりしていたけれども、いざ恋をするとその取り入れてきた美しい言葉が「邪魔」になるって……こんな純度の高い感情の芽生えの瞬間……泣くわ………
マリィには全然伝わってないどころかその情緒をぶった切るようなあの返答だったわけだけれども、私にとってはすごく印象に残った大好きなシーン。
一番好きなシーンの話
一つは上で書いた浜辺会話。
もう一つは、中庭でマリィが描いていた絵の話。
「芸術」コマンドの象徴がこの猫の絵なんだけど、夜ノ介くんが生徒会室の窓から中庭で絵を描くマリィを見ているっていう距離感がすごく良くて。
生徒会室の日当たりの良い席で自分の仕事をしながら、中庭にマリィを見つける。絵自体は見えないけれど、楽しそうに描いている姿を見て温かい気持ちになって、何をどんなふうに表現しようとしているのかなあと想いを馳せる。
もっとわかりやすく甘い言葉を交わしているシーンもたくさんあったのに、触れあってすらいないこの時間がすごく温かくて幸せで、なんだか泣けてきてしまった。
逆に夜ノ介くんのサッカーのシュートの瞬間をマリィが見ていたこともあったよね。
お互い違うことをしながらも少し離れたところで相手が頑張っていることを知って応援している、そういう愛の形がすごく良いなあ。
この絵の話は日常の一コマでスチルすらないのに、すごく印象に残ってる。
余談だけど、マリィは猫を可愛いと思っても触って構い倒したりはしないし、夜ノ介くんの絵を描いたりもしないんだね。やっぱり夜ノ介くんのことは猫なんて思ってない、触れたくて我慢できないっていうリアルな欲望の対象として見てるんだなー!
演劇を芸術家から市民のものに、恋愛を物語からリアルに
これは私のパラ上げの問題(学力を芸術コマンドでしか上げてない)かもしれないんだけど、夜ノ介くんの言葉が本当に美しくて率直なのに対して、マリィの理解力がなさすぎるのに正直ちょっと苛立っていて。
自分に向けられる恋愛感情に鈍いとかそういう次元じゃないのよ!
例えばこの会話。
「学園演劇で共演した二人が、ここで再会しました」
「ここは、はばたき城じゃなくて生徒会室だよ?」
「ここで再会」の「ここ」は「生徒会室」だよ!小学生でもわかる指示語だよ!
こういうのがたくさんあるんだけど、わかっていて冗談で返してるわけじゃなくて、マジでわかってない。
伝わってないのを察して何度も何度も同じことを分かりやすく言い換えてるのに全く理解できてない(特に比喩表現はほぼ100%間違えて解釈してる)のとか、真顔で「大丈夫…?」ってなるくらい。
それでも、夜ノ介くんは自分の感性や言語が通じて気の利いた会話を楽しめる大人の女性ではなくマリィを選んだ。
マリィに伝わる言葉をいつも必死で探して、最大限にわかりやすい言葉となじみやすい態度で告白をした。(演劇が好きではなかったという彼が、培ってきた表現力を一番発揮したのがあの告白シーンなんだよなあ……)
あなたの笑顔が指針だという言葉はそのままの意味であると同時に、彼が「市民劇団の座長」であるという確たる信念を感じられて、やっと彼のことを理解できたような気がしたんだよね。
「市民」は、研ぎ澄まされた美しさに感じる畏怖の念よりも、どぎつい造形や音のわかりやすいお化け屋敷を「怖かったけど楽しかったね!」という。繊細で丁寧な心理描写のある地味な演目よりも、なじみのあるはばたき城が派手に燃え上がる演目の方が多くの人を笑顔にする。
「芸術」を選ばれた人だけのものから、市民の手へ。
それが「市民劇団」の役割で、思えば夜ノ介くんはずっとそこを目指してたんだよね。
もちろん、だからと言って見下しているわけではないのがすごい。
マリィや学校の友達を含め、街の人たちすべてが同じ一人ひとりの市民としていいところや果たすべき役割があるって認めた上で「自分のできることをする」って態度が、市民劇団を率いる座長の器だよなあと思う。
寄り添いながらも独自の感性を持って自分の道を進むことができるマリィがそんな夜ノ介くんのパートナーになるって、市民に愛される劇団の未来と重なって素敵だなあ…!
なんで告白に「ごめんなさい」の選択肢があるの!?→もし断る理由を考えるとしたら、という話
水族館でファンの子に「あの女の子、夜ノ介さまのカノジョかな?」「えー、やだ。そんなのダメだよ」って言われてたよね。(感情の「やだ」+倫理の「ダメ」が両方あるの、強くて辛い)
「この人は、僕の大切な人です」って言われて、彼女たちはすごく悲しかっただろうし、劇も今までみたいに楽しめなくなったんじゃないかな。
夜ノ介くんがお客さんを笑顔にさせればさせるほどこういうファンも増えると思うんだけど、どうするつもりだろう。
ガチ恋を作らないようなキャラにする(手遅れ)、一番大切な人のためにファンには理解してもらうまで誠実に説明し続ける(多くの市民を傷つける。アンチになる人もいそう)、彼女の存在を隠し通す(マリィが悲しい)、どんな対策を考えてもきついと思うんだよね……。
もちろん元座長である夜ノ介くんのお父さんが結婚して子どもがいるくらいだから完全に恋愛禁止ってことはないだろうし、団員が市民と結婚することでますます市民に受け入れられるようになっていくってことはあると思うんだけど、なかなか大変じゃないかなー。
しかもこの√のマリィだと、嫌味が通じないし処世術も使えなくてとんでもないこと言いそうなのがまた怖い……
上手くいかなくなる可能性があるとしたらそれくらいかな。
まあでもそうなったらお父さんや団員とかもいろいろ手助けしてくれるんじゃないかなと思うので!ハッピーエンドで!!
おまけ:感想記事まとめ後のツイート
夜ノ介くん攻略中「学校は何をしてるんだ!」って思いが比較的薄かったの(いや、劇団でも学校でも大人がもっとサポートしてくれよとは思うけど…)、彼にとっては高校ではなく劇団が主軸だってことが揺らがないからかも
午前4:34 · 2022年4月3日
反発する団員も「子どものくせに」とか「学校の片手間で役者ができるか」みたいなことは一切言わないで一人の人間として扱ってるもんね。そう言わせるだけの実力はもちろん、そういう関係を築いてきたんだと思う
午前4:37 · 2022年4月3日
夜ノ介くん攻略中に少し調べてたんだけど、市民劇団とか市民楽団って「文化芸術の力で心豊かな生活とまちづくり」みたいな役割のものなんだね。例として「好きなゲーム音楽をやるというポスターを見てコンサートに行ってみた→初オーケストラ楽しかった!僕も楽器をやってみたい!」とあって、
午前0:51 · 2022年4月7日
市民劇団にとって劇のクオリティを上げるのは目的ではなく手段だし、夜ノ介くんも一貫してそういう態度だったじゃないか!と気付いて。私も児童劇団経験者なんだけど、だからこそ思い込みフィルターがかかっちゃってたのかと目から鱗だった
午前0:51 · 2022年4月7日
学園演劇で「劇団はばたきの座長の演技が見たい」って持ち上げられながら作る舞台って一高校生として学園祭に参加したい夜ノ介くん的にはどうなんだろう…ってずっと引っかかってたんだけど、そうやってプロと市民が一緒に舞台を作る経験こそが目指すところのものだったんだね!
午前0:51 · 2022年4月7日
そんな真面目な話の後に言うのもアレなんだけど、感想で夜ノ介くんだけR18妄想を入れられなかったのは、彼の色気の出し方・隠し方やベッドでの振る舞いは目に浮かぶのにマリィの考えとか反応が全く想像つかなかったからです…気まぐれ子猫ちゃんの思考回路は難しい!
午前0:54 · 2022年4月7日
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