人生迷子になったら黙ってアニメ「宇宙よりも遠い場所」を見てくれ

最近はちょっといろんなことに疲れてしまい、一日に何度も何度も更新をしていたツイッターを止め、仕事も最低限ギリギリまで減らしています。

何をしてるかというと、たくさん歩いてひとりで花見したり、ジムで体を鍛えたり、家でゆっくりしたりしています。ほとんど家にいます。これ以上書くと本当にどうしようもないので、もうアニメの話をしますね。

で、そんなメンタル底のいま出会ったのが、アニメ「宇宙よりも遠い場所」。あんまりにも評判がいいから半信半疑で見始めました。

一度きりの高校生活。入学前から漠然と「何かを始めたい」と思いながらも、失敗を恐れて結局なんにも始められない高校2年生の主人公・玉木マリが、同級生の小渕沢報瀬(しらせ)と出会い、仲間と共に南極を目指す物語。

あらすじの冒頭だけ聞くとピンとこないと思うし、私も「南極? 女子高生が? どうやって行くの? 目指して終わりの話なんじゃないの?」とか思ってたし、どんなアニメやねん…と思ってたんですけど、全13話、ただただ嗚咽し続けました。いやほんとに。

ってか「南極すごいね〜」ってアニメじゃない。いや南極すごいんだけど、生きるうえで大切なことは何かっていうのが全部詰まったアニメだから。そこだから。人生迷子の人間の頰を往復ビンタしてめちゃめちゃ愛を込めて抱きしめるくらいの力があるやばいアニメ。本当に、泣かせるとかいうレベルじゃなくて、完璧に嗚咽させにくるから。

報瀬は南極観測隊として派遣された母が行方不明となり、母が最期を迎えた南極を目指す。でも南極に行くっていう目標を家族にも先生にも「子供が行けると思っているのか、いくらかかると思ってるんだ」って言われる。同級生にも先輩にも、みんなみんなにバカにされたり無理だと笑われたりして、学校では「南極」とあだ名をつけられ陰でクスクス笑われる。

そんな人たちのこと、アニメ見てる側からしたら「やめろよ! 人の夢を笑うなよ!」って思うけど、たぶん私も同級生だったら「変な人〜」ってなっちゃう。結局そんなもんなんだよね外野って。

でも報瀬は、「絶対に(南極へ)行って、『無理だ』って言った全員にザマーミロって言ってやる」と固く誓っている。しかもずっとバイトして100万円も貯めてる。もうその時点でね、そんな強い意志最後にもったのいつだよってなっちゃう、私は。すげーよ報瀬。思わず口も悪くなるよ。報瀬の強い意志、そして不安や葛藤、成長のすべてが13話に詰まってるからぜひ嗚咽しながら見て。

で、キマリはそれに感動して便乗するんだけど、報瀬は当然本気だと思ってないから、しょっぱなから「(観測隊の船の見学会が広島の呉であるから)本気なら来い」って言うんだけど、ここでキマリはちゃんと呉に行く。

「高校入ったら一度は学校サボる!」とか決めておいて、いざサボって東京行こうとしたら結局おじけづいて理由つけて普通に学校行っちゃう程度の行動力のなさだったのに(学校はサボっちゃだめだけど)、本気で乗っかって呉行っちゃう。人は何がきっかけで大きな行動を起こすかマジでわからん。

で、キマリが南極行きのお金貯めるために始めたバイト先で知り合った三宅日向も南極行きに加わるわけなんだけど、まあ日向もわりと軽いノリで便乗する。最初は軽いノリに見えたけど、日向は日向で高校生活にトラウマがあって、高校辞めてて、そのトラウマと決別するためみたいなところがあって南極行きに便乗してる。

あともうひとりいて、タレントをしている白石結月って子。この子はもともと仕事で南極に行く予定があって(偶然すぎるけど)、でも全然行きたくなくて、なぜって芸能活動優先で学校生活なんてまともに送れてなくて、南極なんか行かないで学校行って友達つくって普通に暮らしたくて、でも芸能活動も嫌いじゃなくて…っていろいろモヤモヤしてる子。

でもキマリと報瀬と日向が南極目指してひとつになってるのを見て「私が探してた青春はこれだ!」って感じでもう超泣いちゃって、「この子たちと一緒なら南極行きます」って結局行くことになる。この子は「友達って何だ…」ってずっと悩み続けてるからそのへんもぜひ注目してほしい。

ちょっとこのアニメ「宇宙よりも遠い場所」、通称“よりもい”について、結局何が言いたいかっていうと、人が何かを始めたり目指したりするきっかけなんてほんと何でもいいんだってこと。

私は6年くらいライターとか編集者としてそこそこ順調に食ってきたわけだけど、最近は、「私ってこの仕事で結局何がしたいんだっけ…そもそも何になりたかったんだっけ…」とかしんどい原点回帰ばかりをくり返していて、でもそれって別に、自分で考え抜いて全部自分でなんとかしようとしなくてもいいんだって思って。

誰かの夢を一緒に目指したり、軽いノリで便乗したりでも、とにかく何でもいいから始めて、自分が選んだ道と仲間とそして自分を信じてやり抜くことが大事だ…というわけです。

人が何かをやろうとするとき、気軽に発した言葉や行動って、必ず誰かしらが「どうせやらない」とか「続かない」とか「やらない人ほどそういうこと言う」とか言うんだけど、別にそれでやめたっていいし、違うこと目指してもいいし、無視してやり抜いてもいいし、それは当然だけど自分の自由で、“誰か”なんて本当に関係ないんだってことです。自分の言うことやること信じることに何か言って来る外野は本当に本当にどうでもいい。ただ、覚悟決めて一点を目指すと人はぐっと強くなれるってことだけは言える。“よりもい”にはその全部が詰まってるんだよ…

ってか自分を信じられなくて人を信じられないというか、よりもいの中から見えて来るのは、誰かを信じることで自分を信じられるようになっていくというか。その姿が本当に本当に泣けます。

今すぐ見て。AmazonプライムとかHuluとかで見れるから。現実は厳しいなんて言葉クソ喰らえって思うから。自分と仲間を信じるために必要な名言と名シーンしかないから。じゃあね!

記事内画像引用元:アニメ「宇宙よりも遠い場所」公式サイト

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