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7月16日(火)日記 濱田祐太郎のブラリモウドク/寄生番組パラサイト

さっき『海のはじまり』3話を観た。いつも「夏くんさあ……」と怒りながら観始めて、終わるころには「夏くんさあ……」と泣いてしまう。

自分の気持ちと向き合うのに時間がかかり、言葉や態度として表に出すにも時間がかかるけど、そのぶん夏くんなりの考えが表に出たときの素直さがあまりにも眩しい。

最近『濱田祐太郎のブラリモウドク』(ABCテレビ)を観た。めちゃくちゃ面白い。ずっと観ていたいくらい面白い。ちなみに15分番組×3がすべてTVerで配信されているのでサクッと観られる。全4回放送されるらしい。

私はかつて、濱田さんのネタを初めて観たときに本当に衝撃を受けた。同時に自分が「盲目“なのに”面白い」と少しでも思ったことに気づいて恥じた。

彼は「見えている」「見えていない」ということをネタにするし、それが面白いし、周りもその点をイジる。変な遠慮はなく、そこには優しさと楽しさと圧倒的な面白さがある。

たとえばこの番組では(以下ネタバレ)、濱田さんがハンバーガーを食べたり、居酒屋へ行ったり、射的をしたり、ボルダリングをしたりする。街ブラ番組なので文字通り街をブラブラもする。

濱田さんと藤崎マーケットのトキさん、そして回ごとのゲスト芸人が一緒に街ブラをする。すると「新世界には点字ブロックが全然ない」とか、濱田さんが「見えない」どころか、我々に「見えない」ものがあると気づかされる。

特に第1回、トキさんが濱田さんにハンバーガーの具材を当てさせようと、マンゴーを近づける場面が印象的だった。

差し出されたマンゴーを嗅いだ濱田さんが「スイカ?」と言った。そのとき私は正直「目が見えないぶん鼻がきくとかないんか」と思ってしまったのだけど、直後、濱田さんが「慢性鼻炎なんですよ」と言った。衝撃だった。

濱田さんを見ていると自分の偏見に気づかされるけど、それで反省するというよりは(反省もするのだけど)、ただ「そうなんだ」とフラットに受け止めている自分に気づく。そんな濱田さんのお笑いが大好き。そりゃ誰だって慢性鼻炎になることはある。

とにかくこの番組は全体を通して、濱田さんの魅力を存分に堪能できる。彼と接することで「見えてくる」世界、彼だからこそ「見えている」世界がわかる。そして「濱田祐太郎」という芸人がすさまじく面白いということが改めてわかる。

「目が見えない人ってこうなんだな」とかじゃなく「濱田祐太郎ってマジで面白いな」にしか、どうしたって着地しない。あまりに面白すぎるから。ぜひいろんな人に観てほしい番組。

昨夜は『寄生番組パラサイト』(テレビ東京)第一夜を観た。『勇者ああああ』や『マヂカルクリエイターズ』、『アルコ&ピースのメガホン二郎』などを手がけた板川侑右さんによる番組。その時点で「めちゃくちゃ面白い」ことはほぼ確定している。板川さんは天才なので……

この番組は「寄生番組」とあるように、他の番組に「寄生」するかたちで成立している。テレビ東京で放送予定の番組の、使われなかった素材からクイズを出題し、それにアルコ&ピースとマヂカルラブリーが答えるという番組。

出題されるクイズが、あまりにもくだらなすぎる。くだらなさを極めすぎている。それが板川さんの作る番組の魅力。ここまでくだらなさを突き詰めすぎたものを見ていると、ドーパミンが出てくるような気すらしてくる。ドーパミンで合っているのかはわからない。

今回の素材は、7月10日に放送された水バラ『バスvs鉄道乗り継ぎ対決旅⑳ 愛知・知多~三重・志摩』から。すでに放送された番組だけど、『寄生番組パラサイト』を観たあとは「TVerで絶対に見逃し配信を見なければならない」という強い気持ちにさせられる。早く太川さんの一挙手一投足を目撃したい。

というのも、クイズはどれも『乗り継ぎ対決旅』出演者の太川陽介さんに関するもの。「太川陽介に注目する」という時点で面白いことは確定している。肝心な問題は「太川陽介がタコを何回噛むか」とか「船を降りたときの太川陽介の分け目はどちらになっているか」といった、心底どうでもいい内容。

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