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8月6日(火)日記 澤部渡(スカート)×街裏ぴんく『VALETUDO QUATRO 2024』

月曜日、渋谷のCLUB QUATROで澤部渡(スカート)×街裏ぴんく『VALETUDO QUATRO 2024』を観た。"VALETUDO"とはポルトガル語で「なんでもあり」を意味するそうで、このツーマンライブは言葉どおり「なんでもあり」のライブである。

とはいえ、ツーマンライブ。澤部さんはミュージシャンで、ぴんくさんは漫談家。ふたりの力でどんな「なんでもあり」が繰り広げられるかというと、まずステージの中央には、喫茶店のふたり掛けの席を模したものが用意されている。

ふたりはこのライブのために、喫茶店で打ち合わせをする。というていで「こんなことできたら盛り上がるだろうな」と話した直後に、実際にそれを演る、という基本構成になっている。これは前回(去年)も同じだった。

このライブの恐ろしいところはまず、公演時間が3時間もあるところ。休憩はない。私は開演時間の直前にもたもたと行ったので、うっかり全編立ち見になってしまい、終わるころには足腰が爆発しそうになり、酸欠になりかけてクラクラした。

とはいえ、足腰が爆発しそうなことにも、酸欠になりかけていることにも、すべてが終わるまで気づかなかった。それほどまでに集中して、釘付けになってしまう、一瞬たりとも目が離せないほど絶え間なく魅力的なパフォーマンスが繰り出される、飽きることが一切ないライブなのだ。絶対に長丁場になるとわかっていても、配信ではなく、できれば現地で観たい。

コアなお笑い好きでぴんくさんのこともずいぶん昔から応援してきた澤部さんと、音楽好きで澤部さんのファンでもあるぴんくさんは、お互いに強くリスペクトしていて、お互いの作品と芸風をよく知っている。

そのためライブのコンテンツは、お互いの最近のトピックに紐づいていたり、お互いへのリクエストタイムがあったり、短い作品を乱れ打ちし合うような時間があったり(漫談と弾き語りが短く交互に繰り出される様は本当にカオスかつ爽快)、まさかのコラボがあったりと、要はリスペクトし合うふたりだからこそ作り上げることができる、ふたりの究極のベストアルバム、ベストライブのような内容となっている。

それは、それぞれの単独ライブや独演会のために、本人が作り上げたものとはまた違う。好きな人が、好きな人の、好きなものを選び抜いた、いわば究極のファン視点に立って作られたライブとも言える。

漫談や弾き語りだけでなく、打ち合わせを模したふたりのトークもずっと愉快だ。ぴんくさんも「なんでこの人は芸人じゃないんだ(というか本当に芸人じゃないのか?)」といったことをいうほど、澤部さんの言葉は鋭くてポップ。さながら漫才のようなやり取りになることが多く、それもまたこのライブの魅力である。

ずいぶん後ろから撮ったのでぼけた写真になってしまった

セットリストの詳細は、ぜひアーカイブ配信で観てもらいたいから書かない。ふたりのことをよく知っている人も、あまり知らない人も、観て損はないライブだと思う。3時間あるけれど、自宅でのんびり楽な体勢で観られるなら、ハードルは下がるんじゃなかろうか。

アーカイブ配信はここから8/11(日)21:00まで買えて、同日23:59まで視聴できるようなので、ぜひ観てもらいたい。観たらきっと、次回は現地で目撃しなくてはという気持ちになるはず。

この日は友達とふたりで観に行ったので、帰りに何か食べようかと、渋谷の街を彷徨った。しかし時間は22時。そんな時間から入れる渋谷の飲食店は、変な飲み屋か、ぼったくり居酒屋か、ファストフードくらいしかない。

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