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ヴィンクロ・ジ・ラチーノ第1回シンポジウム「在日外国人と日本社会を結ぶ架け橋-大学の果たす役割-」

本文内容は会報『京都らてんアメリカ』vol. 3 (2014年3月発行)より抜粋しております。

2013年10月18日、京都外国語大学にて、本協会学生会員有志の団体「ヴィンクロ・デ・ラチーノ」が「在日外国人と日本社会の架け橋 ー大学の果たす役割ー」と題するシンポジウムを開催した。

最初に日本ラチーノ学院の卒業生で京都外国語短期大学1年次生の橋元ヴァネッサ 愛美さんがショートスピーチを行い、自身の体験を交えて民族学校の意義や学ぶ喜びについて語った。続く基調講演では、はじめに三重県立飯野高校の宮路正弘校長先生が外国人生徒の受け入れの現状や課題など について語られた。次に三重県のNPO法人「愛伝舎」理事長の坂本久海子氏が「外 国人の子どものキャリアと日本社会」とい うタイトルで外国人の子どもを日本社会の中で活かすべく行っている活動の紹介や、問題点の指摘や解決策についての提言をなされた。

第2部では「在日外国人と日本社会の架け橋として大学ができること」というタイトルでパネルディスカッションを行われた。本協会学生会員の小西航矢さんが司会を務め、基調講演の講演者の二人に、本協会会員で学移連OB会西日本支部支部長・ 京都外国語大学校友会常任理事の引地正之氏、本協会専務理事の伊藤秋仁を加え、外国人の子どもたちをめぐる状況や大学進学、大学の受け入れ態勢について語り合った。(伊藤秋仁)

学生会員による活動

京都ラテンアメリカ文化協会の学生会員5名が中心になって京都外国語大学の学生プロジェクト「ヴィンクロ・デ・ラチーノ(ラチーノとの絆)」というグループを結成し、京都ラテンアメリカ文化協会の一般会員の皆さん、大学生、社会人の皆様と一緒になって、滋賀県近江八幡にあるブラジル人学校「日本ラチーノ学院」の学生の皆さんと交流したり、進学のサポートをしたりする活動をしています。

活動を始めるきっかけは、日本ラチーノ学校に足を運んだ時、日本社会の中に「ブラジル」があるという驚きです。日常会話から教科書までポルトガル語を使用し、帰宅 後や休日は、家で過ごすかラチーノ学院の友達と遊ぶことが多いため、日本社会に触れることが少ないということです。そして日本語が話せない生徒達の卒業後の進路は、ブラジルに帰る人も中にはいますが、日本で工場で働く人が多いということでした。

まず私たちはラチーノ学院の学生たちと親しくなれるよう、定期的に訪問して交流を深めています。1月末には「ラチーノツアー」を企画し、学生15名、文化協会の一般会員の5名がラチーノ学院を訪問し、交流会を開催し、一緒にブラジル料理の給食を食べました。

それ以外にも、日本の進学制度をポルトガル語で説明する会を開催したり、大学や専門学校のオープンキャンパスに同行し、手伝いをする活動をしています。昨年度は同校から初めて日本の大学(京都外国語短期大学)に進学する人が出ました。本年度も専門学校進学希望者が数名います。私たちはこのことにとても喜んでいます。来年以後も日本社会と在日外国人の架け橋にな ることのできる活動を続けて行きたいと思います。 西谷将志(学生会員)