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矢野あいみ 最新 音語りCD「雫もしくは魚になる夕暮れ」

矢野あいみさんの音語りライブを観ると、観終えたそばから「また観たい!」と思う。

彼女自身が創ったオリジナルの物語を、アイリッシュハープの演奏を交えて語る独特のスタイル。開催場所によりそれは、魅惑的なお酒、舌鼓を打つようなお料理、淹れたてのコーヒーの味と香りを伴う。演奏には村木充氏のベース、山口亮志氏のギターが参加することも。
今回のCDには3つの物語が収録されている。
長いものは24分にも及ぶ。そんなに長い時間集中できるだろうか?
とライブを観る前にも思うのだが、最初の10秒でその世界に引き込まれ、あとは時間の流れに吸い込まれてしまう。
それは映画を楽しむような、あるいは眠るまえにゆっくりと絵本を繰るようなひとときだ。
聴く者の頭の中では、ひとりひとり異なる映像が広がっているはず。
いわゆる歌詞つき楽曲だと、何度も聞かないと歌詞が頭に入ってこない、という人も沢山いるときくが、音語りは朗読に近い形態で、言葉がストレートに入ってくるので、物語がすぐさま立体的に拡がって感じられるのだ。

今回、クラウドファウンディングの支援を受け、その世界がCDになった。
一発録りを基本とした録音だそうで、息遣いまで聴こえてくる。
無垢な声、アイリッシュハープの繊細な響き、閉塞感無縁のストーリー。
レコーディングには、村木氏、山口氏が物語を咀嚼してセンスのいい音を加えている。

上質の映画がそうであるように、このCDを手にした人は、
その時その時の人生のシーンに寄り添ったメッセージを
きっとこのCDから何度も何度も受け取るはずだ。

http://www.yanoaimi.com/



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