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つれづれ弓道:歩き方、座り方そして立ち方

弓を引くだけではないということ


弓の引き方が決まっているのと同じようにそれ以外の動作も決まっていたりする。道場内への入り方、歩き方、座り方。入って出てくるまでの所作が全て決まっている。
道場に入る時は上座から遠い左足から、出るときは同じく上座から遠い右足から出るのだ。それによって上座におしりを向けない。
座るときは右足を半歩引いてから座る。これも半歩引くことによって上座をおしりを向けない形になる。
的の前だと的から3歩程度は的が上座で、少し離れると射場が上座。ややこしい。

弓を引く技術を射技という。そして決まった動作のことを体配という。

この体配というのがなかなか大変だ。自分だけでなく、周囲の人と合わせて動かなければいけない。次、なんだっけ?とか迷っている暇はない。

ただ、これも自然に動くようになる。自然すぎて、他の人からこの後の動作は・・・と改めて聞かれると実際に体を動かさないと思い出せなかったりしてちょっと恥ずかしい。
個人的にはあるあるだと思っている。

この体配というのは何年たってもちゃんとできない。体は勝手に動くが、やはり要所要所で気を付けないといけないことがある。気を付けていてもいくつか忘れて未だに注意されたりするもんだ。
しかも時々決まりが変わっていたりする。高校の時と違うじゃんって呆然とすることも。なんて言っても仕方がないけど。

射技も体配も全部決められてて、何かに縛り付けられているような感じだけど実はそのルールの中では自由であるとも言える。
何かの本で弓を引くことは自分を表現すること、と書かれているのを見た記憶がある。確かにみんな同じ動作なのに見惚れるような動作をしている人がいたりする。
決められているルールの中にいるからこそ個がはっきりと出てくるのかもしれない。

お、何かすごい良いこと言った気がする。

おわり

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