ざくざく詩作工房 #4

こんにちは!
今回は、六名 温さんの「ミミクリー」を取り上げます。ご投稿ありがとうございます!

「ミミクリー」というタイトルがいいですね。「擬態」のこと。
ざくざくとした質感、目の前に尖った刃物を置かれているような緊張感と無機質さがイメージされる作品だと思いました。緊張感も最初から最後まで保たれていて、特に言うべきこともないのでは…と思うくらい完成度の高い作品です。
それでは、みていきたいと思います。

ピクリとも動かないロボット掃除機が落ちてもいない塵埃を感知しては床を這い拾い集める

「ピクリとも動かない」のですが「感知しては床を這」っているので、イメージのぶれを感じます。動いていなかったものが動き始めた、という時間の流れが感じられれば違和感は少ないのですが。

男よりも一つ多い穴は形状こそあるものの塞がれているのでピアス穴と密接した四指の真中に開く穴に飾りを戯れに捩じ込んだりしてやり過ごし、退屈な色をした唇は誰かとお話をする

ここまで濃密だった描写が、特に「、」以降のの部分で急に少なくなっていて、少し拍子抜けする感覚があります。特に強調したい部分ともとれるので、強調する言葉や単語での印象付けがないので、前半の描写に負けているというか、惰性で流れていくイメージになってしまっています。

「はじめまして」
「ごきげんいかが」
「なかよくしてね」
「さようなら」
初めましてからさようならまでのワンセットを巧みに用いてはまるで通過儀礼のような残酷さで

これは表現の好みとも言えるのですが、「はじめまして」と「初めまして」。
ご自身で考えた上での表記揺れならいいのですが、統一するのか、変えるのか、変えるならどちらをどうしたいか。考えたいところです。

すごく細かい指摘になってしまい、申し訳ないくらいの文章になってしまいました。
ざくざく詩作工房すべてに言えることですが、そういう見方もある、そういうこともあるかもしれない、くらいの捉え方で読んでいただけるとありがたく思います。

以上です。

それでは、#4はこの辺で。
いかがだったでしょうか、ご自分の作品に、書き方に、活かせそうなものがあったなら、とてもうれしいです。
引き続き作品も募集していますので、どうぞお気軽に書き込んでくださいね。

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