ざくざく詩作工房 #2

こんにちは、ざくざく詩作工房第2回です。
今回は、宮永 蕗さんの「中庭」をみていきます。ありがとうございます!

淡々と続く描写がまるで写真のようにイメージされていきます。
語り口調も最後まで緊張感を保っていて、書き慣れているというか、ご自身の中で書くメソッドが出来上がっている方なのではないかと思いました。
特筆すべきひっかかり、流れを止めるものもありません。

あえて、あえて申し上げるなら、一定の流れができすぎていて、読んだ後に残るものの印象が薄くなっているかなと思います。強弱記号のない演奏のような。

第2連の雨の描写も「染み」の言葉の重さも効いていると感じます。
最終連、

繰る日常に
溜め息はつかない
かわいた音で掃ききよめる
この胸に
オリーブのある空間を
容れている
いつしか壁崩れるとき
還るかしらぬ
中の庭

一番重要な、伝えたいことを意識している部分と感じます。ところが、ここまで微細に描写されていたイメージが、ここでは淡白になるので、イメージがぼやける印象があります。口調も一定なので、するっと読み流してしまうというか、目が止まらないのですね。強い単語がないのでなおさら印象が薄くなりがちです。
「いつしか壁崩れるとき」は、はっとさせられる描写で、とてもいいと思います。それだけに、向かっていく手前の書き足りなさというか、物足りなさのようなものも感じました。

以上です。

読ませていただきながら、自分の違和感や流れをよーくよーく見つめていく作業なんだな、とひしひしと実感しています。読み手が抱くたくさんの感想や印象の、あくまで一意見としてお読みいただければ幸いです。

それでは、#2 はこの辺で。
いかがだったでしょうか、ご自分の作品に、書き方に、活かせそうなものがあったならうれしいです。
作品もまだまだ募集していますので、どうぞお気軽に書き込んでくださいね。

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