居場所をつくる。

名前の数だけ、居場所を作る。

仮面の数だけ、居場所を作る。


本名で過ごすわたしには、ありがたいことに実家があって、地元がある。小学校の友人、中学の友人、高校、大学の友人、それぞれに居場所を見つけてある。社会人になってから作った居場所はひとつ、合わなくてなくなってしまったけれど。それもまぁ仕方がないかなと思う。

蔦縁ヨウという居場所がある。本名とは別の仮面。さらにもう一つ別の名前での居場所もあって、それらをフラフラと行き来しているからこそ、常にここにいるってわけではないけれど。

ふらっと立ち寄って、真っ白な画面に思いをぽろぽろ零して、また去って、戻ってきて、眺めて、力をもらって。

そういう距離感の居場所があってもいいんじゃないかって。


目の前の問題に向き合うのってとても大事なことではあるけれど、逃げ場がない中で向き合うのはすごくすごくパワーがいる。失ってもいいと思える居場所なら、いっそもう二度と振り返らないと決めて逃げてしまうのも一つの手なんじゃないかって、思ったりする。

失いたくないと思えるのなら、一度引いて体制を立て直し、もう一度ぶつかってみる、とか。深く息を吸える場所、欲しいじゃないですか。


ひとつの居場所にしがみついていると、その空間に不穏な空気が漂ったときにどうしようもなく苦しくなるから。みんなの輪に入れない、と感じてしまうだけで心がすくむから。そういう時は他の居場所に行ったりして、世界の広さを肌で感じるようにして、心を整える。

余裕がないだけで視界も世界もぎゅっと小さく暗くなってしまうので。

息を吸って、目を開いて、視界も世界も広げて、足元を見て。


そうやって生きてくってのもありですよね。




ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。何かあなた様の心に残せるものであったなら、わたしは幸せです。