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ただのわたしに戻る場所

初めてカラオケに行ったのは高校生の頃

仲の良い友人たちと
はしゃぎながら歌を歌った

大音量の音楽の中で
思い切り声を出す気持ちよさと楽しさに
目の前がチカチカするくらいの衝撃を受けた

それからカラオケにハマりにハマって

歌うことが好きなら…
そうだ、バンド組もう!

そんなノリでライブをしたこともあるけれど
なんかねぇ…
なんか違ったの

カラオケみたいな気持ちよさはなかったの

思えば小さな頃から
隠れて歌うのが好きだった

合唱団にも入っていたのだけど
たくさんの人の声に紛れて
大きな声を出せるのが好きだったのだと思う

トイレやお風呂の中
一人で歩く学校からの帰り道
ドライヤーで髪を乾かす時

誰にも聞かれないように歌ってた
(今思えば絶対聞こえてると思うけど)

父や母は子どもが騒ぐのを
あまり良しとしなかったので
その反動もあったのかもしれないし

単にわたしが
恥ずかしがり屋だっただけかもしれない

原因なんてのは今考えたって分からないけど
前に出て堂々と歌うことより
こっそり歌うのが好きだった


この間久しぶりにカラオケに行った

旦那さんと長女と3人
気を使う人も
お世話しないといけない人も
いない空間

何にも気にせずに
音の海にのまれていく気持ちよさに
喉が枯れてもマイクを離せなかった(笑)

あの時のわたしは限りなく
お母ちゃんでもなんでもない
ただのわたしに近かったと思う


歌うことが好きだ
だけど
たくさんの人の前で歌いたいわけじゃない

わたしはひっそりと音に潜って
音と自分だけの世界に酔っていたいのだ


子どもがいるからと
なかなか行く選択ができなかった
カラオケやライブ
音に浸れるところへ
また行ってみよう

他にも
こっそり歌うことを楽しめるものがないか
探してみようと思う

きっとそれらは
わたしがわたしに戻るための
ひとつのツールとなってくれるはずだから

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