優しい世界の住人

「おカネの切れ目が恋のはじまり」を全話観た。最終回が、忘れられない。

三浦春馬はそこまでファンという訳ではなかったけれど、たまに何となくつけていた、彼がMCのNHKの「せかほし」は、結構好きだった。

JUJUとの掛け合いはもちろん、一つ一つのリアクションやコメントがとても丁寧で、知らない間にふわっとした優しい時間をもらっていた。

そうやって、決まった日に決まった時間の画面で見かけていた人が居なくなったことは、やっぱり悲しかった。

居なくなって、初めて彼という人間が気になって、「カネ恋」を観た。最初から最後まで優しい時間が流れている物語だった。

落ち着いた声で話すけれど、時々腹から野太い声が出る九鬼玲子さんを一気に好きになり、そして、人を振り回すけれど、いつも他人のために動き回っている、くしゃくしゃな笑顔の猿くんがやっぱり最高に素敵だった。

最後は、猿くんはきっと玲子さんのもとに帰ってきてくれたと信じよう。

最後の玲子さんのはにかんだ笑顔に救われて、その笑顔を思い出して、ここ数日は、生きられている。あのシーンは、まさに皆の願いの体現。

優しい時間をたくさんもらった俳優さんだった。

厳しい言葉を使わず、ただその人に「優しく」だけして、その人のためにならない「優しさ」は本当の優しさではない、という人もいるけれど、それはいつでも、本当にそうかしら。

少なくとも、私は彼の誰も傷つけない柔らかさと優しさに救われていた。

少なからず何かをもらっていたことに、今さらだけれど感謝をする。

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