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オーガンジー刺繍作家が増えてきたことについての考察

私がオーガンジーに刺繍をし始めて、オーガンジー刺繍と称して作家活動を始めてから5年ぐらい経って、今ハンドメイド販売サイトで「オーガンジー刺繍」と検索すると以前よりもずっと、ずずずっとオーガンジー刺繍の作品が増えている。

これは私が「こうなったらいいな」と思っていたことが知らない間に実現してきているのかもしれないと思った。

オーガンジー刺繍を始めたころ〜少しすすんで

私が刺繍をはじめた頃、刺繍といえばコットンやリネンに刺すものが主流だった。
第二子を生み落として1年経ったことだった。
これまではずっと洋服を習い、作っていた人生だったが、布管理や制作時間に頭を抱えていた時期に
オートクチュール刺繍に憧れを持っていた私は、お教室に習いにいくこともままならないので、自己流でオーガンジーに刺繍をし始めた。

縫うことが何より大好きだったので、巻きかがり縫いというただただ同じ作業の繰り返しに夢中になった。
子育ての疲れも忘れるぐらい楽しい作業だった。

オーガンジー刺繍の作品を販売し始めて、コンセプトやこれからの自分がどうなっていきたいのかということを
何度も何度も繰り返し真剣に考える中で、
「このオーガンジー刺繍をする人が増えて、刺繍する人の心が豊かになればいいな」と思うようになっていた。
オーガンジー刺繍という認知がかなり低いので、やる人が増えたら認知度も上がって
素敵な作品を作る人がたくさん増えていったら、私もその方たちと切磋琢磨していい作品をたくさん作っていけるのではないかと思ったからだ。
そして私のように、縫うことが楽しくで、作ったものに対してリアクションをもらえたら、心が豊かになるはずと。

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そしてご縁があり著者本を出版させていただいた。
これをきっかけに、SNSのDMなどで「書籍買ってオーガンジー刺繍始めました」といったいただくことが多くなった。
実際に書籍をきっかけにオーガンジー刺繍作家になった方も存じ上げている。
おうち時間を楽しむ文化が主流になってきているのも影響しているのかもしれない。
実際、以前から作っていたオーガンジー刺繍キットもたくさんの方の元へお届けできた。

これはほんとに嬉しいことで、今までやっていた意味があったのかなと思う。

書籍きっかけでなくてもSNSや販売サイトでは本当にものすごくオーガンジー刺繍のアクセサリーが増えた。
あれ、このデザイン・・・似てるなぁ なんて思うのもたくさんあるけど、そこは問題ではない。
オーガンジー刺繍は縫うのが少し難しいため、真似しても全く同じようにはならない。
模範品への考え方はまた別の機会に書くとして。

これから私がやっていかなきゃいけないこと

この競争相手が増えてきたことに対して、私はもっと危機感を感じなければいけない。
しかもその競争相手は販売価格2000円でオーガンジー刺繍のアクセサリーを販売しているのだから
びっくりしてしまう。
縫う方法はそれぞれあれど、1モチーフ縫ううのに1時間以上、大きいものなら3時間はかかることもある。
相手の制作時間だって容易に想像はつく。
私が平均5000円前後で売っているオーガンジー刺繍アクセサリー。
これはブランド力をもっともっと上げていかないといけない。

私自身が作り出す作品に対しては
アクセサリーだけでなく、大きい作品を作る必要があると考えた。
技術やデザイン、オリジナリティーで群を抜く必要がある。

だが一方で、売るための作品を作る時間がなくなる。そうなると収入もなくなっていく。
その時刺繍の制作時間に悔やむ。1作品を作るのに本当に時間がかかる。

1つ抜きに出る作品と売るための作品作り。どちらを優先するか。
私はもっとこの自分が今までやってきたことを大きくしたいと前者を選び、今年は大きな作品ばかり作っている。

オーガンジー刺繍をもっと多くの方に知って、出会ってもらえるように
模索しながら作品作りを続けていきたい。


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