12/27 有馬記念


お疲れ様です。
いよいよ一年の集大成となる有馬記念を迎えますね😊
競馬ファンならこの週を楽しみにしている方も多いはずです。僕自身もその一人ですし、気合を入れて各馬の考察を記事にしました😎

たくさんの方と競馬を楽しみたいので、参考になりましたらリツイート等宜しくお願いします🙇‍♂️
10,000字以上の記事になりますので、まずは気になる馬から見てみてください😌
それではどうぞ。

中山11R 有馬記念 芝2500m


有馬記念近10年の平均ラップ。
6.9-11.5-12.0-12.1
-12.4-13.1-13.0-12.5
-11.9-12.1-12.0-11.6-12.1

中山2500mは5ハロン戦になる可能性が高いコース。

というのは、ラスト4.3ハロン目は下り坂だがコーナーがきつくスピード出ない為、ここで最速を迎えないからだ。
最速を迎えるのはラスト2ハロン目が多く、京都のような二段階加速が必要とされるコースだ。
しかし、今の馬場はかなりタフで時計も掛かってきている。この二段階目の鋭さや加速性能はあまり問われない可能性が高い。

コーナーがきつく直線でのトップスピードで勝負する馬は器用さが無いと減速を強いられ難しくなる。器用にギアを入れていける馬を評価していきたい。

前走の浜中騎手のコメント「もう1秒ぐらいペースを緩めたかった」ということで、
キセキが逃げるとして制御が効けば、前半1000m59-60秒ぐらいを想定。
キセキが行く場合は番手、出遅れれば逃げるであろうバビット。逃げるのであれば溜めたいと思うし、番手としてもキセキを行かせて脚を溜めるだろう。ここは61-62秒を想定する。

今の馬場であれば前半1000m60秒でも消耗するレベルだと思うので、必要とされるのはタフな持続力と見て予想に取り組みたい。

隊列としてはバビットを先頭に馬群を構成すると思うが、人気馬各馬は溜めて乗りたいフィエールマン、ラッキーライラックがいてスローではあるがそこまで凝縮した並びにはならない可能性もある。
バビット基準で考えるならやはり機動力で上手くコーナーを回れる馬は上位への可能性が高いとは思っている。
詳しくは枠順後に考察を加えたい。

展開

内からバビットの主張。バビット自体はやはり溜めて乗りたいと思うが懸念されるのがキセキの存在。キセキはゲート出れば逃げるだろうが、スタンド前を通過するレースで掛かる傾向があるので暴走する可能性もあるし、そうなると縦長の隊列になると思う。
そこにバビットが付いていく可能性は低いと見て、こちらを展開の軸に考えた時に問われるのは5F戦でやはりタフな持続力と器用さ。


◎クロノジェネシス
○カレンブーケドール
▲ブラストワンピース
△サラキア
(3連系抑えるなら)
*フィエールマン
*ラヴズオンリーユー
*ペルシアンナイト

やはり上位二頭は揺るがない。タフな馬場で有酸素運動が求められる展開でクロノジェネシスは逆らう余地が無い。カレンブーケドールは次点という感じだが、このレベルでもかなり抜けている可能性がある。枠的にどこまで池添騎手がクロノより前にポジション取れるか。

そういった馬場であればブラストワンピースはベストの可能性あり。馬体絞って欲しかったのは確かだが内枠確保で縦長隊列をロスなく伸び伸び走れれば。

サラキアは本命まで迷ったがやはり揉まれ弱さから外を回すのがベストで機動力あるとはいえ、その点で逆転までは考えづらいか。しかし、二段階加速使えるのは本来であればこの舞台合ってもおかしくないし、フィエールマンより器用な点を評価。

3歳馬2頭も気にはなったが手前交換が下手でその点中山の器用さが問われた際には能力出せるかは疑問。ましてや能力比較でも3歳世代のレベル考えれば安易に高評価するのも。


とにかく2020年最後のG1です!
好きな馬を買って応援するのも良し、本気で妙味を狙いに行くのも良し。
とにかく楽しみましょう!!!









クロノジェネシス

超ピッチ走法で小回り的なギアの入れ方については抜群で舞台適性は高い。
まずは近走を振り返る。
3走前の大阪杯。
レースラップは、
12.9-11.7-12.3-11.9-11.6
-12.1-11.7-11.3-11.2-11.7
高速馬場の阪神内回りで外枠でコーナー加速の不利を受けているし、勝ったラッキーライラックは内枠と得意のスローペースが噛み合ってのもので、強い競馬をしたのはクロノジェネシスだったと思う。

ベストパフォーマンスは2走前の宝塚記念。
12.3-10.9-11.4-12.7-12.7
-12.4-12.4-12.4-11.9-12.1-12.3
かなりハイペースの前傾ラップによって消耗戦となった一戦で圧巻の走り。
2着キセキに1秒、3着モズベッロに1.8秒の大差を付けての快走。
前後傾3Fで見てみると、この馬の強さが改めて感じられる。
クロノジェネシス 35.5-36.3
キセキ      36.8-37.2
モズベッロ    36.3-37.6
キセキやモズベッロよりも重い馬場で先行して動いていった中で後半も1秒近く離している。
これが意味するのは他の馬が消耗した前半の速い時計でも、この馬には消耗度合いが少なかったということだ。有酸素運動的な能力、つまりタフな持続力は少なくとも宝塚記念のメンバーでは抜けていたということになる。

前走の天皇賞春。稍高速の馬場で後ろから早めの仕掛けでアーモンドアイに迫る勢いで差してくるもギリギリ交わせず、フィエールマンには差されての3着。
ただ、ダノンプレミアムの直線に入ってからの加速でトップスピードの質が問われたレースで、この無酸素運動の質の高さはこの馬の得意な能力の方向ではないはずでそう考えると展開不利の中のハイパフォーマンスということになる。
むしろ、ここまで追い込んできたのは、オークスやエリザベス女王杯の時に敗れた時から成長をしていることに他ならない。

充実期にある今、初の中山といえど凡走を考えるのは難しい。圧倒的な力で2020年最後のG1の舞台を飾って欲しいところだ。





フィエールマン

ストライド広く、そもそも小回りの脚の使い方は上手くはない。
スローペースで脚を溜めることで抜群の瞬発力で高いトップスピードの質を引き出す。更に手前を変えることで二段階加速が出来るのが武器。二段目の加速は1ハロン続くわけではないが、それが鋭さを引き出している。

その走りが顕著にいい方に出ているのは前走の天皇賞秋や昨年の天皇賞春になる。ここでは割愛するが、2年前の菊花賞もこの部類に入っている。
逆にこの馬が高いレベルで詰めきれなかったのは今年の天皇賞春や昨年の有馬記念になる。

ここでは比較のために天皇賞春のラップを比較する。
天皇賞春(昨年)
12.9-11.5-11.6-11.6-12.2
-12.2-12.5-13.8-13.3-12.4
-12.5-12.3-11.7-11.6-11.0-11.9

今年の天皇賞春
13.2-12.4-12.4-12.5-13.5-
12.0-11.6-12.5-12.1-12.2
-12.7-12.5-11.9-11.9-11.9-12.2

今年の天皇賞春では2週目から暴走したキセキが引っ張る速い流れによって脚が溜まらない展開になってしまった。その影響でトップスピードは問われず、この馬の得意パターンに持ち込めない展開不利の中での勝利は純粋な能力の高さだろう。

有馬記念の4着はアーモンドアイを終始マークするような形で速いペースを更に早仕掛けしたアーモンドアイを追うような形になってサートゥルナーリア、ワールドプレミアには差された。しかし、これは展開によるものと見ていいだろう。
アエロリットの単騎で速いペースであったが、番手勢も速いペースであったし、早仕掛けになってしまい脚が溜まらなかった中での4着は素直に総合力の高さに繋がる。

あとは間隔を空けてローテーションを組んできているので不安説が取り巻く。
昨年秋は札幌記念→凱旋門→有馬記念で最も間隔詰めた凱旋門は大敗。(中8週)
今年は使うはずだった宝塚記念を疲れが取れないと使わずに、秋初戦を予定したオールカマーを熱発で回避。叩けずに天皇賞秋に使われたことで酷使を避けた形にはなるが、そこから(中7週)のローテになる。
やはり今までは間隔を空けて万全で挑んできただけに調整過程は難しいはずだ。

やはり手前を何度も変えて直線で強さを発揮してきただけに直線の短い中山になるのはプラスではないはず。そして今の馬場であれば60-61秒ぐらいのペースでも消耗して脚が溜まらない可能性もある。不安材料が多く総合力でどこまで。







ラッキーライラック

走法はストライド走法で、阪神の内回りのコーナー角は比較的緩いために対応出来たが、中山のキツいコーナーで器用さを問われながらスピードに入れれるかと言われるとどうか、というのがまず第1の懸念。
しかし、中山記念の3.4角で鈍ったのは休み明けの分と見ていて字面以上に機動力が無いと決めつける必要は無さそう。

やはりこの馬のベストパフォーマンスは初の戴冠となった昨年のエリザベス女王杯だろう。
スローペースからラスト4Fからトップスピードが問われたレース。
京都外回りはスピードが下り坂で分散することから、ラップを見るとトップスピードの持続力と捉えがちだが、ここはトップスピードが求められているので修正したい。

ラスト4Fの転移が11.6-11.5-11.4-11.7で、この馬自身の上がり3Fは32.8。
32秒台を使えたのはこの馬のみで、正確な値は出せてはいないが、この馬が末脚を引き出したのはラスト3Fで10秒台にトップスピードは入っている。京都外回りで分散したなかでの鋭さを引き出して強さを見せた通り、この馬の武器は先行力とトップスピードの質を引き出す瞬発力と言えるだろう。

その後の大阪杯、今年のエリザベス女王杯と勝ったレースは、そのどれもがスローペースからのバランスで脚を溜めてトップスピードを問われる展開。いわば、この馬の武器を存分に生かせたレース。

叩きではあったが脚を溜めることのできなかった札幌記念や宝塚記念では敗れている通り。ギアを要所で入れてからトップスピードに一気に引き上げてこその能力で脚を使う長さが長ければ長いほど、その良さは失われてしまう。
そう考えると、フィエールマンと同じく今の馬場での61-62秒程度のペースでも負荷は大きく、コーナーでギアを要所で入れていく中山2500mへの適性は高いとは言えない。




カレンブーケドール

脚元の不安が絶えず、ウッドではなく坂路でしか追えていない為、当週の追い切りは重要視するべきではあるが、前走もそこを不安視しながら4着と力を見せたのは事実。まずは馬自身を評価した上で追い切りの評価を上乗せしたい。

ベストパフォーマンスはオークスだと思っている。高速馬場の東京2400mでスピードが分散される形のレース。
3着のクロノジェネシスに追随を許さなかったこの走りは強かったし、少なくともこの地点では高速馬場の分散される形でもラヴズオンリーユーと同格であり、クロノジェネシスとは明確な差を作れていた。

ただ、稍ピッチ走法でタフな馬場でも他馬比較ではそう劣ることがないのもこの馬の特性の一つだろう。タフな持続力があることで、シルバーコレクターではあるが様々な馬場や展開に高いレベルで対応してきた。

そのうえで近走の走りを振り返る。
3走前の京都記念ではクロノジェネシスに完敗している。
このレースでは雨でタフな重い馬場での一戦をアメリカズカップが引っ張ってレースラップ自体はハイペース。しかし、後続は離れて馬群自体はそこまでパワー質の基礎スピードはそこまで求められていない。
残り4Fぐらいからスパートが掛かってのタフな持続力が問われたレースで、クロノジェネシスには0.4差をつけられたが、これはクロノが先行出来た分と考えている。

また、クロノは前半にパワー質の基礎スピードを問われた際に更にパフォーマンスを上げる(クロノ記事にて記載)ので、そことの明確な差を埋めるためには、
①前半にそこまでパワー質の基礎スピードが問われない。
②クロノよりも先行していく。
③馬場が高速馬場
が逆転の要素。③が消えてしまうし、コース形態上①は問われやすい。鍵になるのは②だろうか。秋華賞でも機動力があるクロノにコーナーリングで位置を前目にシフトされているし、逆転を考えるなら②で明確に差をつけれた際になるだろう。
そう考えるとタフな持続力という観点では評価は出来るものの、クロノを逆転するのは容易ではない。

2走前のオールカマーはやや時計の掛かる馬場で、馬場的な部分は今と重なるものがある。まくろうとしたミッキースワローに反応して早めの動き出しからタフな持続力を見せたし、叩きとしては充分だろう。

前走のJCでは三冠馬三頭には敗れたものの、高速馬場でのロングスプリント性質を問われた際にはアーモンドアイ、コントレイルはかなり強いし、進路取りが悪かった中でこの相手にこれだけまとめられれば能力的には高く評価するべきだろう。これもこの馬自身のパフォーマンスの中ではかなり高いレベルの走りだった。

今回は馬場的にタフな持続力を生かせる馬場にはなるものの、ベストパフォーマンスは高速馬場にあるので、その時点でクロノとの明確な逆転の要素を作れないか。
その差を埋める先行を池添ジョッキーには要求したいところだ。






ブラストワンピース

ストライド走法で雨で馬場が泥濘みすぎるとノメって走れず、スピードが無いのでパンパンの高速馬場でも厳しい。ましてやトップスピードが問われてしまえばかなり脆さがある馬で好走パターンはかなり狭い。

そう考えると、近走の負けは全て敗因を述べることが出来る。

3走前の大阪杯は時計的に速く適性外。
展開としても3コーナーから動いていくも、この地点のラップは11.3程度。これを外をまくるように動いていったこの馬は許容範囲を超えるスピードになってしまい直線では垂れてしまったのも理解できる。

2走前の宝塚記念は前述の馬場にノメったと川田騎手のコメント。さらに前半3F35.2はこの馬にとってかなり速いなかで消耗しての敗戦。

前走、天皇賞秋は稍高速の馬場でダノンプレミアムの直前まで引きつけた逃げでトップスピードが問われる展開。ラップが10秒台に入る展開では用無しになるのも仕方ない。

というように近走は全て敗因に馬場不利や展開不利がある。
少なくとも今年のAJCCは川田騎手の抜群の騎乗と後ろの馬たちは不利を受けたのもあるがミッキースワローやステイフーリッシュを圧倒したレースで強さを感じる内容であった。
つまり、この馬の好走条件は『馬場がノメるほどではないものの時計の掛かる馬場』であり、今回は雨で悪くなりすぎなければ条件は叶う。
ストライド広く、ゲートはそこまで速くないので中〜外枠で縦長の展開の外を追走したいところだ。




サラキア

小倉日経OPから後方からの競馬を選択してきた中で末脚の質を高めてきたし、この三戦はかなりハイパフォーマンスだと思っている。
この馬のパフォーマンスを向上させたのは超ピッチ走法から繰り出す二段階加速を使いこなせるようになったからだろう。器用にギアの上げ下げを出来る馬だと思っている。

個人的に考える二段階加速だが、まず前半はゆったり入って脚を温存する。ペースが上がるタイミングで一段目のギアを入れて位置取りを上げていき、直線で更に二段階目のギアを入れると他馬のトップスピードを上回る走りになる。
これが発生するのはロングスプリントの競馬だと思う。長く脚を使ってトップスピードの瞬発力が問われづらいような展開でこの能力は生きる。
つまり、他馬が12.0-11.5-11.0-11.5で走るところをこの馬は11.5-11.0-10.5-11.0で走れる。ロングスプリントの中で瞬発力を見せることが出来ると思っている。

以前までは前目の位置を取りに行き、超ピッチ走法からギアチェンジ面での性能の良さで転がり込んでくるような走りだったが、近三走を振り返ってみると、その走りが全くの別物になっているのが分かる。

まずは、3走前の小倉日経OPだが、
高速馬場でラップが、
12.5-11.3-12.0-11.8-11.7
-11.8-11.7-11.8-11.5
コーナーでの速いラップを連続し、後方外を回し続けたこの馬は数字以上に速いラップを刻んでいるし、ラストは流してるのでそれ以上に余裕があったとみている。
2着は中日新聞杯を取ったボッケリーニで不足はないはずだったし、コーナー区間でギアを器用に入れて突き抜けたこの走りをまずは評価したい。

2走前の府中牝馬Sは元々雨で重くなった馬場は得意では無い実績を跳ね除ける走り。
スタートは悪くなかったがゆったりと入ると、4コーナーではスッと位置取りを上げていく。これが一段目のギアで、直線でもうひと伸び。これが二段目の加速で後続を突き離す内容は強かった。

前走のエリザベス女王杯ではラッキーライラックを追い詰める走りを見せた。
このレースは直線に入ってからの加速レースで高速馬場と外回しての加速がイーブンになったレース。他の内前有利バイアスに反して外を回した3頭が上位独占したのはその結果である。

鞍上の北村友騎手のコメントでは「ラッキーライラックが動いたタイミングではこの馬にとっては早いと我慢しました」ということで一見、仕掛けが遅くて捉えられなかったように思うが、二段階目の加速は長くは続かないのでこれはベストの騎乗だった。

この3走を振り返って分かるのは、
①末脚の質を落とさない為にゆったりとした入り。
②揉まれ弱いために外を追走する形の方がいい。
③使える脚は短いがギアを器用に入れることが出来る。
つまり、この中山のコーナーでも器用にギアを入れて加速することは可能だと思っている。
あとは前半のペースで消耗しないか、だが、他馬がスピードを上げていけないコーナーでの追い上げが出来る分、前半は最後方でもゆったり入ることが出来ればカバー出来るかと。前走がフロックではないことを証明したい。


ワールドプレミア

昨年の菊花賞馬で有馬記念3着で最先着馬になる。
菊花賞を振り返るとラップが
12.9-12.4-12.3-12.6-12.2
-12.2-12.7-12.7-12.5-12.8
-12.5-12.0-12.0-11.8-12.4

ペースはスローペースながら13秒台まではラップが緩まず最速値は11.8とスタミナとタフな持続力を問われたレース。

その中でワールドプレミアは内内を回ってくることが出来て、ロスは最小限の立ち回り。
また、テンの速さはなかったが位置取りをスローバランスの中でしっかり取れたことで勝ちに繋がったし、ここで先行からの立ち回り方を見ても武豊騎手の騎乗も名手と呼ぶのに相応しかったと思う。
ただ、その後の上位馬の実績を見てもハイレベルレースとは言えないのは確かで、実績を残したのはワールドプレミアの有馬記念3着のみである。

その有馬記念3着はフィエールマンに先着したものの、これは展開利を受けたものだ。
アエロリットの超ハイペースを受けて馬群もハイペースだった中でのアーモンドアイの3コーナーでの仕掛け。そこをマークしていたフィエールマンは早めに動く形になって展開は更に後ろにいたこの馬に向いた。
ラスト1Fでバテ差しの形。
フィエールマンを交わしサートゥルナーリアを追い詰めたものの、これをそのまま評価してはいけない。

前走のJCは完全に叩いてここを目標に仕上げてくるだろうが、ストライド広く、とにかくズブさがある馬で瞬発力を問われてしまうのは厳しい。下り坂が手伝って加速を速めてくれる京都外回りがベストかと。
中山2500mであれば機動力がない分、展開に左右されるのは確かで昨年のように前が垂れてくれなければ厳しい。



ラヴズオンリーユー

間違いなくベストパフォーマンスはオークスだろう。
高速馬場でスピードが分散する形でトップスピードは求められていない。速いラップを連続させるロングスプリントの能力が問われていて、ややズブさのあるこの馬がベストの能力を出せたレースだったし、ここがベストバウトで間違いない。

その後は、昨年のエリザベス女王杯はトップスピードの質が問われるレースになり敗戦。
この馬はトップスピード勝負では分が悪いし、距離が短いマイルではそれが如実に出てしまう。それがVMの敗戦だろう。
それに加えて今年に入ってからはドバイでレースが出来ず立て直しに苦労。今年に入ってからの臨戦過程はかなり悪く、前走のエリザベス女王杯時ですら『9割程度の出来』正直まだ全開のこの馬を見れていないのは明らかである。

その中で好走できたレースの共通点としては高速馬場であることだろう。
また、走法的にはストライドがやや広めではあるもののトップスピードが問われにくい内回りコースの方が展開利はあるタイプと見ている。ベストは高速馬場の東京で分散する形の2500m目黒記念ではないだろうか。



キセキ

今年初戦の阪神大賞典で見せた大出遅れ、そして天皇賞春で見せた折り合いを欠いた暴走と気性面が目立ってきたキセキだが、秋競馬は比較的にまともに走れているかと。

3走前京都大賞典では出遅れて最後方から。まくりの手を打つものの脚を溜めたグローリーヴェイズはかなり強く、敗れてしまったのは致し方ないところであるし、
2走前の天皇賞秋は距離不足でトップスピード求められるようなレースでキレ負け。ここでは用無しになっても仕方ない。

展望部分でも書いたが、前走JCは前半1000m57.9秒という大逃げ。あのペースでここに出てくる最上位カレンブーケドールとは0.9差、ワールドプレミアには0.3秒差はやれている方ではないだろうか。
やはり前走の走りはこの馬の前半のパワー質の基礎スピードの高さと有酸素的な強さを象徴しているだろう。

その能力が生きたのが今年唯一の好走となった宝塚記念にはなるし、その能力が生かせそうな前半からペースが流れやすく消耗する今の馬場状態はこの馬にとってはプラスではある。 
実績に宝塚記念はクロノジェネシスが圧倒した分、目立ってはいないがこの馬自身も3着以下を千切っているし、これはこの馬の有酸素的要素の証明だろう。

しかし、浜中騎手が乗りこなせていない感が強く、キセキを軸にペースを読むのは難しい。
好走があるとすれば前半の消耗で他馬が鋭さを失ってのレースだが、飛ばしすぎてしまえば前走のようにバテるはずでその場になってみないと分からないのは確か。


オーソリティ

機動力と先行力があり操縦性も高いため総合力で勝負するタイプ。中山コース替わりは悪くない条件替わりだ。

この馬はトップスピードの持続力はそこまで高くないが、そこを機動力や操縦性でカバーしているように見える。
ただ、やや速い速度を維持する持続力は持っていて段階的にギアに入れることも出来ているので要所要所での器用さが武器だと思う。

2走前青葉賞は超高速馬場でのロングスプリント戦。コーナーを内で立ち回ったことでコーナー加速の消耗を避けることができたのがラストまで脚を使えた要因と見ていて、ここでも馬群を上手に捌く器用さが見られた。
ただ、レースレベル的には高くないのがまた微妙ではあるのは確かだが。

前走アルゼンチン共和国杯はテンから3ハロンはかなり速く、中間が大きく緩んで瞬発力戦のような形になった。
この息を入れる展開を先行したことによってトップスピードの持続力が問われる区間を短くできたのが勝因だろう。
先行勢が脚を使ったのはラスト3F程度だが、後続の馬たちは4.5Fはロングスプリントしてきているので、先行有利の流れではあった。

ラスト3F 11.3-11.2-12.4のラップを見る通り、オーソリティはラスト1Fを残して先頭に立った時点でかなり垂れているのが分かる。
しかし、後続勢は長く脚を使わされている中で11.3-11.2という速いラップを刻まされ消耗。オーソリティに迫ることは出来なかった。ただ、手前を替えるのに手間取っていたように思うし、その点は不安点になるだろうか。

ホープフルSは外から切り込まれ先行出来ず4コーナーでのロスに直線での逆手前と敗因は求められるが、弥生賞はタフな持続力勝負で完敗している点は言い訳出来ない。
今回も前半1000m61-62秒のペースでタフな馬場で負荷が掛かった際には未知数であることは度外視出来ないはずだ。

そこから成長はしているとは思うが強くは推せないのが3歳勢として古馬一戦級との比較でどうかという点だろう。
斤量の恩恵を受けられるのは追い風だが。


バビット

おそらくキセキが行くにしろ行かないにしろ内田騎手は溜めて乗ると思うし、ペースとしては61-62秒程度のややスローペースを刻むと思っている。この馬をハナとするのか、番手とするのかは読めないので度外視してこの馬のペースを想定した方が良さそうだ。

菊花賞では内を空けての番手で実際の距離より外外を回してスタミナが問われたように思うし、今回は500mの短縮にはなるものの飛ばして飛ばして、という競馬は想像しづらい。

というのもこの馬のベストバウトはセントライト記念だと思う。
ラップ
12.2-12.2-12.8-12.9-12.5-12.0
-11.8-11.6-11.9-12.4-12.7
楽に先手を取り切るとスローペースを刻んでいき、高い機動力とタフな持続力を生かしながら中山外回りの下り坂を使って加速しながら消耗戦に持ち込んだレース。

内回りと外回りの違いはあるものの、下り坂を使ったこの加速の仕方をイメージした方が良さそうだ。
そうなると想定されるペースは61-62秒程度のスローペースからの5F戦。
今の馬場であれば後続の馬は外を回して行く際にコーナーで速いラップを刻むことで脚を削られるだろうし、そこが上手くいけば斤量の恩恵もあり、前残りの可能性も出てくるだろうか。

ただ、セントライト記念でもラストはこの馬自身もかなり脚を削られているので2500mという距離でそもそも距離への不安もあるし、気性的に前向きな点にも疑問があるのは確か。
手前をなかなか変えられないこの馬にとっては中山でも外回りの方がベターか。




ペルシアンナイト

溜めてキレるタイプではあるもの、キレ方がスパッとというよりドロっとキレるタイプに変わってきている。抽象的な物言いになってしまったがこの馬のイメージはそうで、ややズブさが出てきている。

この馬がマイルCSで昨年まで3年間馬券内にいたのは中間が溜まりやすい京都での開催であったことだろう。脚を溜めることが好走パターンで、年齢とともに基礎スピード能力が若干落ちてきてマイルだと追走が厳しくなっている。そのことから中距離的な適性が強くなってきているように思うが、直線での末脚の質がそこまで低下しているわけではないので札幌記念の2着は評価するべきだろう。

馬場的に言えば高速馬場や道悪すぎると走れないが、時計の掛かる馬場へは適性があるので今の馬場に対してはフィットしそうだし、追走負荷も距離延長で軽くなる分、宝塚記念でも先行出来ていて不気味さが増す。

ややストライドに寄った走り方だが、機動力部分は中山記念を見る限りそこまで低くはないと思う。
ただ、今回はキレ味というよりもタフな持続力や器用さが必要になってくるはずで、その点の適性は高くない。
おそらく大野騎手であれば我慢して我慢しての仕掛けになるだろうし、速めの流れに各馬が釣られて昨年のワールドプレミア的な差しなら台頭もあるかと。


ユーキャンスマイル

右回りだとモタれるくせがあり典型的なサウスポー。左回りの大箱かつ基礎スピードが問われないコースがベストだろう。

3走前の天皇賞春はまさしくそれで、傷んだ内を空けて伸びてきた各馬に対して内にもたれていって伸びてはきているものの4着に沈む内容。

2走前から秋は始動したが叩きとはいえアルゼンチン共和国杯は微妙な結果に。
ただ、内容としては度重なる不利がありノーカウントでもいいかと。
ラップは前が離して逃げたので参考外ではあるが馬群はスローペースでテン自体は速いが道中かなり緩む先行馬有利の展開。
トップハンデに道中早めからのロングスプリントで直線迎えるも、外から被されて馬場の悪い内に進路を取らざるを得なかった馬場不利があった。

また、前走JCはこの馬の狙えるタイトルの一つだと思っている。しかし、基礎スピード面での差が如実に出ていて、前半で離される分早めの仕掛けになるためラストのガス欠は早かった。やはり基礎スピード+ロングスプリント競馬での一線級とは差がある。

まず中山の2500mの適性とはかなり離れてしまっているため軽視で間違いないだろう。


ミッキースワロー   ※回避

テンの速さが無いため先行することが出来ないのでスローペースからの瞬発力が問われてしまうと脆い。輸送NGで機動力がある為、中山でスローペースからの持続力戦が最も適性に合うし、タフな馬場でも問題ないタイプだ。

2走前オールカマーもラップを見るとその適性に合うレースなのだが、この馬がまくろうとした際にカレンブーケドールが反応しペースが引き上がっている。
この地点で外を回してスピードを上げてしまったミッキースワローは相当な労力を消費したし、それでいて位置取りを下げてしまい、直線では踏ん張ったものの5着と敗れた内容。

前走JCは7着と敗れているが、キセキが離して逃げた為、後続勢はロングスプリントの形になった。これはこの馬にとって適性的には合致する形だが、敗れたのは基礎スピードの薄さで位置取りのせいだろう。

今回はタフな持続力と機動力を持つこの馬にとっては適性的には合う舞台ではある。
ただ、揉まれ弱い面があるので外枠で縦長の展開になれば機動力を生かせるも、馬群が凝縮するようなら外を回すのは不利になる。
枠の並びを見て評価をしたい一頭。




モズベッロ

宝塚記念からの休み明けでの臨戦。骨にまで達する裂傷で秋競馬を白紙に戻してギリギリ戻ってきたという形で、そもそも以前のクオリティまで走りを戻せるかどうかは疑問。

また、宝塚記念3着も前半のパワー質の基礎スピード面で温存できたのが大きい。前に行った馬は軒並み苦しんで相対的に展開利がこの馬にあっただけで字面以上の評価は無用。

ただ天皇賞春は掛かり通し、日経賞でミッキースワローに敗れているが、このレースでは内にモタれてしまい不利を受けての2着と敗因ははっきり。
ラスト進路を修正するのが優先され追えてないだけに力関係は逆転の余地はあるが、上位と比べては難しい。
時計の掛かる馬場と距離へは適性十分なだけにG1で走るならこの辺りの修正が出来ているかも重要なポイントになるだろう。


以下省略。





予想の参考になり、馬券が的中された方はサポートしていただけると励みになります。