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掌編小説 我らチョコミン党

「詩織ちゃん学校帰りにアイスたべてこう?」
「いいねぇ今日あっついもんね」
同じクラスの美樹ちゃんに声をかけられた私は一も二もなくその提案に賛同する。

 やって来たはサーティーワンアイスクリーム。どれにしよう。色とりどりのアイスの中から私は迷わずチョコミントを選ぶ。昔から私はチョコミントが大好き。近年はチョコミントがやたらもてはやされ市民権を確実に勝ち取っている。その様子をスーパーなりコンビニで目にするとどうにも頬が緩んでしまう私であった。

「チョコミント!チョコミントって美味しいの?」
とは美樹ちゃん。
「食べたことないの?」
「うん。どーにも食指が動かなくてね」
「1度くらい食べてみたら?」
そんな押し問答をしていると店員のお姉さんがスプーンにひとすくいテイスティングさせてくれる。

「ありがとう」
美樹はどもどもと受け取ると恐る恐る口に運んでみている。舌の上に乗せると
「うーん」
と一言
「やっぱ苦手だった」
と私が一言聞くと
「いや、これ完全な食わず嫌いだったわ。こんなに何か奥が深いというか何かハマってしまうというか。何か気に入ったわ、これまじで」
「何かが多いって」

私は笑いながらも美樹がチョコミントを気に入ってくれてそっと胸を撫で下ろしたのだった。

私はチョコミントとナッツトゥーユーをダブルのカップで、美樹はチョコミントとロッキーロードをコーンで頼むとそれぞれ美味しく頂いたのだった。

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