老後2000万円時代に身に付けたい習慣 ~一流企業とお金持ちに共通するたった一つのこと~
老後に2000万円必要だという話がありますが、僕らは資産形成を強く求められています。将来のお金がたくさん必要であることはなんとなくわかってはいますが、この手のニュースを見るたびに、何とも言えない不安な気持ちになるとともに、お金持ちになりたいと心から願うのは私だけでしょうか。
自分の老後の心配もありますが、親の介護も控えている、子供にはしっかりと教育を受けさせてやりたい、妻におしゃれなアクセサリーを買ってあげたい、家族と海外旅行にも行きたいし、自分の趣味のためにも使いたい、でも将来のために今年は我慢しよう、などと考える人も多いのではないでしょうか。
こんな時代だからこそ、お金がほしいと願うわけですが、そんなお金持ち達が実はケチであるという話もあります。皆さんは聞いたことありませんか。
私の勝手なイメージですが、お金を持っている人は無駄遣いをしません。また、使うときは使っているようですが、その使い方が上手です。
逆に、年収が高いのに貯金がほとんどないような人もいます。たくさんもらっているはずのお金がどこかへ消えてしまって、金がないといつもぼやいています。
実は、それは会社でも同じです。決して売上がたくさんある会社が、安定して業績がいいわけではありません。売上があっても安全性や成長性の観点から不安を抱える会社は案外とあるものなのです。
実はお金持ちと業績の安定した会社には共通した、たった一つの法則があります。この法則は決して難しいことではありません。その気になれば誰だってできます。逆に言えば誰でもできることだからこそ、その重要性が見落とされているとも言えるかもしれません。どんな一流企業にもこの習慣は企業文化として根付いています。また、お金持ちには当たり前の習慣として身についています。そして、このたった一つの法則を守ることで、お金持ちはますますリッチに、業績のよい会社はますます成長していけるのです。
1. お金の神様は細部に宿る
あなたは10日前のランチにいくら使ったか覚えていますか。別に1円単位まで正確でなくとも構いません。どれくらい細かく把握してみるのかを思い出してください。お小遣い帳をつけていれば、それを見てもいいです。
私は浪費家タイプなので10日前のランチにいくら使ったかと聞かれても答えられません。かろうじて思い出せても、せいぜい500円くらいとか900円くらいといった100円単位くらいまでを答えるのがやっとです。
しかし、お小遣い帳をしっかりつけているような人であれば1円単位まできっちりと答えられるでしょう。あるいは普段からお金に意識を向けている人であればきっちりと記憶している人もいるかもしれません。
そして不思議なことに、私の周りではこのような人たちは大体貯金も得意な人が多いのです。
実は同じことが会社にも言えます。
仕事上、会社の帳簿を見ながら、「これは何のお金ですか?」 「何に支払ったのですか?」 とよく質問をさせていただくのですが、業績の良い会社ほどすらすらと答えることが出来ます。
個人でも会社でも、結局これらの違いはお金への気の配り方の違いだとわかります。
お金への気の配り方の違いとは、例えば普段の生活で1000円単位にまで気を付けているのか、100円単位にまで気を付けているのかという違いです。
例えば130円の自動販売機のドリンクを、あまり気にせずに購入する人とそうでない人とでは1月、3か月、1年と集計していくと大きな差となって現れるのと同じことです。
たとえ130円であっても、私のように大して気にもせずに缶コーヒーを毎日のように買ってしまうと、全然お金が貯まらなくなってしまいます。
神は細部に宿ると言いますが、それはお金でも同じこと。
お金の神様は1円玉に宿っているのです。
2. お金の神様と向き合っていますか
突然ですが、あなたが売上10億円のベンチャー企業の社長で、純利益も5千万円ほど出ているとしましょう。
このような損益状況の中で、新たに年間100万円の経費が必要になった場合、あなたは安いと思うでしょうか、高いと思うでしょうか。
これはあなたの金銭感覚を聞いているのではありません。お金の使い方についての質問です。
5千万円も利益が出ているなら100万円くらい大したことないでしょうか? それとも5千万円しか利益が出ていないから100万円は高いでしょうか?
実は、お金を使うときにもう一つ気にしてほしいことがあります。
それは、支払うお金が将来の売上につながるものなのかどうか、ということです。
お金は増やすために使うべきであって、将来手許に何も残らないような使い方は避けた方がよいです。なぜなら、欲しいものをあれこれ買っていたら、いくらお金があっても足りないからです。
お金を増やすために使うという考え方ですが、あなたがサラリーマンの経験があれば簡単に理解できると思います。
例えば、あなたが営業のために地方出張に出かけたとしましょう。あなたは出張先で支払ったホテル代を経費で申請すると思いますが、家族へのお土産代は申請しないでしょう。
ホテル代は業務に必要ですが、家族へのお土産は業務に必要ないからです。家族へのお土産が会社の将来の売上につながるはずがないから、申請しない。サラリーマンの常識です。
会社の売上や経費は全て損益計算書に集計されるますが、ここで計上される費用は全て売上と関係のあるもので構成される必要があります。つまり、業務に必要かそうでないかとは、つまり、将来の売上につながるかどうかということにつながるのです。スーツだって仕事で使うかもしれませんが会社の売上に貢献するわけではありません。だから会社は経費として認めないし、申請する人もいないのです。
だから、先ほどの例の場合、あなたは100万円の経費が将来の売上につながるのかを意識する必要があります。
100万円が安いのか高いのかは、その支払いによってどれくらい売上につながるのかによって異なります。
個人でも同じことが言えます。
130円の缶コーヒーを買おうとするとき、本当にその130円は自分にとって必要なのでしょうか。その130円を我慢することで、他の買い物ができるのではないか。あるいはあと20円多く出せば、ペットボトル飲料が買えるがそれでも缶コーヒーがいいのか。など、一度立ち止まって考えるべきことがあるはずです。缶コーヒーが将来どれくらいリターンが見込まれるかまで考える必要はありませんが、130円の価値については考えてもいいでしょう。
一度立ち止まって、それでも缶コーヒーが飲みたければ飲めばよいのです。大事なことは、いったん立ち止まって、きちんとお金と向き合って、その使い方について考えることなのです。
この時間があるのかないのかによって、会社でも個人でも大きな差が生まれます。
3. 帳簿の魔力
ここまで読んで、皆さんこう思った人はいないでしょうか。
「そんなことは分かってるけど、それでも面倒くさいんだ!」
白状しましょう。私もそう思います(笑)。細かい単位までお金のことを気にして、買いたいときに買えないなんて窮屈だし、毎日汗水たらして働いて稼いだお金なのだから、好きなことに好きなだけ使いたい。仕事で窮屈な思いをして、プライベートでも窮屈な思いをしなければいけないなんて息苦しすぎる。窮屈な思いをするために今まで頑張ってきたんじゃない!俺はそんな人生嫌だ!と。
そこで、ここでは、この窮屈さを極力減らしながらお金と向き合える方法を提案しようと思います。
私もいつもではありませんが、給料日前でお小遣いがカツカツなときにしています。効果は確実にあるので、是非やってみてほしいのですが、これは出来る範囲で継続することがポイントです。
まずはその効果を実感してみてください。
それは、使ったお金を帳簿に記録することです。帳簿とは個人であればお小遣い帳、家庭であれば家計簿のことです。つけたことない人がいれば是非つけてみてください。きっとその効果の大きさに驚くと思います。
毎日自分が使ったお金をアプリでも、手帳でもいいので記録してみると、自分の行動を手に取るように思い出せるようになると思います。
「あの時は何を食べた」、「この時はこれが必要だったので買い物をした」、「これは・・・いらなかったかもな」といった感じです。
繰り返しますが、別に毎日続ける必要はありません。それぞれの目的に合わせて、できる範囲で構わないです。大事なことは、記録することで、自分の意識をお金に向き合わせる時間を作ることなのです。
先月はたくさん残業して給料がたくさん入ってきたので、今まで我慢した分自分にご褒美をあげよう!いつもより残業代が10万円多かったから、今日はお寿司で明日は高級フレンチで、あとは前から欲しかったアクセサリーを買って、それからそれから!となる気持ちはよくわかりますが、その前に残業代10万円ときちんと向き合う時間を作りましょう。
今までの支出額を冷静に眺めてみてください。そのうえで、これから使うお金のことを考えてください。ご褒美の中身が少し変わるかもしれないが、それでもあなたはきっと満足できるはずと思います。
ただし、個人でできることには限界があります。仕事が忙しくてそれどころではない人もいるだろう。もし、どうしてもできなければ家族に協力してもらえばいいと思います。
いろいろ試してきましたが、私はどうしてもお金を持ったら持った分だけ使ってしまう浪費家でした。毎月お小遣いの数万円をやりとりするくらいがちょうどいいです。だから家計は全て妻に任せてしまっています。妻は出来る範囲で家計簿をつけてくれていますし、おかげで一定額の貯金もできています。もちろん自分たちへのご褒美も忘れてはいません。贅沢はできませんが満足はしています。
お金と向き合うことは我慢をすることとは違います。
身の丈を知り、夫婦でお金に向き合う時間を作ることで、安心して将来へと進んでいけるのです。
会社でも同じことです。
もし、あなたが経営者ならば、会社の管理体制の構築にはしっかりシステムや人材にお金をかけてほしいと思います。決して経理経験者を雇って、丸投げしてはいけません。
その担当者が辞めた時、あなたの会社は大きな打撃を受けるでしょう。経理職は流動性がとても高いので、ある日突然経理担当者がいなくなることは十分起こり得ます。また、経理職は属人性が強いので、人が抜けるとノウハウがなくなるリスクが高いのですが、本来会社とは誰が担当者になっても事業を継続できる仕組みが必要なのです。そのためにもしっかりと管理できる体制を構築してください。
経理は、決して売上を生み出さないコストセンターではありません。売上を生み出すために、経営者に考えるきっかけを与えてくれる大事な部署です。
中世のヨーロッパではキリスト教の教えにより、利益を稼ぐことはあまり善いことと考えられていませんでした。それでも当時の商人たちは帳簿をつけることを止めませんでした。帳簿をつけることで富を築けることを知ってしまった商人たちは、神の教えに背いてでも帳簿を付けたそうです。
帳簿にはそれだけの力があるということです。
お金持ちや業績の良い会社の共通するたった一つの法則とは、お金にきちんと向き合う時間を作るということなのです。
そのためには帳簿をつけるのが一番いいのです。皆さんもぜひ帳簿の魔力を実感してみてください。
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