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数々の大手証券会社で働き続けた私が伝えたい #5証券営業員の時間のつくり方①

こんにちは土井真典です。

山一證券株式会社、株式会社住友銀行、メリルリンチ日本証券、三菱UFJメリルリンチPB証券の投資助言業務専門部署を経て、今はaccord and go株式会社を設立し、投資助言業を行っています。

今回は、証券営業員の時間のつくり方です。効率的な時間を作る方法を考えるためには、証券営業員の仕事が何かを考えたいと思います。

私の現役時代経験では、現在の証券営業員の一日もこんな感じでしょうか。

AM05:30 起床 テレビ東京「モーニングサテライト」を見て昨日の海
       外市場や最新のニュースを確認。
AM06:30 身支度と通勤(現在は在宅も多いと思います。)
AM07:30 日経新聞、QUICK社、Bloomberg社などの専門情報の確認。
AM08:00 社内ミーティング
AM08:30 お客さまの運用状況の確認と運用提案内容を検討。随時お客さ
     まへの連絡や面談のご相談。
AM11:30 昼食
PM12:30 お客さまへの面談、WEB会議等による運用提案。
PM17:00 お客さまとの折衝記録作成、社内報告書作成等々事務的作業。
PM18:00 退社
PM19:00 必要に応じて、お客さまや社内メンバーとの会食。
PM23:00 就寝

月間では、様々な商品やコンプライアンスの勉強会、お客さまへの遠隔地への出張、業務交通費や各種申請書の提出等々の予定が入ります。

一見しますと、一般企業の会社員も同じ程度の多忙さであり、珍しい日常生活の内容ではないかも知れませんが、少しスタイルに違いを感じます。
それは、営業員1個人が商品選択・お客さまへの商品提案・取引の実行・必要書類の徴求・自己の労務及び経費管理等々の全てを行う点かも知れません。要するに、業務の分担化が進んでおらず1個人の負担が多い様に感じます。

では、どの業務が最も難しく時間がかかるかと言いますと、色々な市場の見通しを営業員が考え、それぞれのお客さまに最適な金融商品や株式個別銘柄を選択して推奨する事です。

昔の悪しき慣習のノルマ制度では、毎日、会社や個々の支店が決めた株式個別銘柄や投資信託銘柄を営業員の役席に応じて販売額が決められていて、それを熟すことでしたので、営業員があまり何かを考える余地もありませんでした。
*「大量推奨販売」に該当する場合は金融商品取引法上禁止行為です。

しかし、現在の営業員がそれぞれの能力だけで、お客さまへの市場見通しや商品選択をすることが最適な状況であるかは疑問もあります。

お客さまのご期待は、○○証券の営業員□□さんとお取引をしていて、□□さんの市場見通しは○○証券の市場見通しであると思います。これは商品でも同じだと思います。しかしながら、□□さんと同じ証券会社の△△さんは違う市場見通しを言いますし、同じ商品や個別株式銘柄でも□□さんは売却を推奨して、△△さんは買付を推奨すると言ったことはよくある事です。

証券会社の営業員報酬制度は実績報酬を採用している会社が多く、手数料実績の高い営業員=優秀な営業員として、優良なお客さまを担当させて運用アドバイスの内容はその営業員に託すケースが多いと思いますが、一定の経験や投資研究を重ねている営業員はまだしも、営業員によってお客さまへのサービスが異なる事は証券会社にとってもリスクが大きく、看過できることではないと思います。

現行のルールでは「適合性原則」としてお客さまの属性に応じたアドバイスを行うという、一定の下限ルールがありますが、営業員のアドバイスの付加価値は可視化されておらず、営業員の業務範囲が資産承継や相続アドバイザー、ファイナンシャルプランニング等、様々な方向に向いて来ており、業務範囲が確立されない状況が続いています。

①のまとめとして、証券営業員の仕事は、それぞれのお客さまに適した金融商品等を推奨・勧誘することと、付随業務として「無償」の助言を行う仕事とされています。

つまり、付随業務として「無償」の助言を行う仕事として、早朝から個人的な市場見通しを検討したり、膨大な金融商品や個別株式銘柄の選択を行う時間が高度にシステム化されたツールを活用して「効率的な時間の創出」ができるのではないかと思います。

次回②では、さらに詳しい記事を掲載します。


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