乳頭混乱と助産院通い。

乳頭混乱があると、本当にメンタルが辛くなる。
たぶん私だけじゃないはず。
そもそも、赤ちゃんっておっぱい大好きなんじゃなかったっけ?
おっぱいを見ればとりあえず吸ってみようとする生き物じゃなかったっけ?

乳頭混乱について知識がある私でさえ、ギャン泣きでおっぱいを拒否されるのには深く深く傷ついた。
息子の機嫌の良いときを見計らって授乳の姿勢をとる。けれどおっぱいに近づけただけで息子は首を強く横にふって泣きわめき、まったくくわえてくれなくなった。

我が家は夫婦で育休をとっていたため、ずっと夫と二人三脚で子育てをしてきた。夫は私が退院してきて2日で授乳以外の全てをマスターし、息子のお世話はなんでもできた。
なんなら私よりあやすのは上手だったし、持ち前の寛容さと優しさで息子に接する姿は、本当に良い父親だった。
だからこそだったのかもしれない。おっぱいを拒否されていると、息子に自分は嫌われているんじゃないかとか、私より夫の方が好きなのではとか、生後たかだか2週間の息子に対して本気でそう思った。
そして母乳もでない、飲ませられない自分には母親としての価値がないと感じてしまう日々だった。

もう一人で頑張るのは無理だ。
そう悟った私は、メンタルを維持するためにも早々に助産院に行くことにした。
その後3箇所の助産院に行ったのたが、それについても書いてみたいと思う。
1つ目は家の近所にある桶谷式の助産院。
そこで出会ったのは、かなりベテラン感のある助産師さんだった。
母乳がでないことや、乳頭混乱があることを相談するとうんうんと話を聞いてくれて、マッサージをしてくれた。
すごく明るくてさばさばしていて、とっても励まされた。乳頭混乱になってから行った時は、克服するために一緒にスプーンで授乳する方法などをやってくれて、きっと大丈夫と行ってくれた。(ただ、実際にはうちの息子はスプーンも拒否してしまい、できなかったのだが)
定期的に通おうかすごく迷ったが、どうしても桶谷式の方針に納得できない部分もあって結局その2回で行くのをやめてしまった。
ただあのときあの先生に出会っていなかったら、もっと大変な鬱になっていたと思うので精神面をサポートしてくれたという意味ですごく感謝している。

2箇所目は年末で地元に帰っていたときに、また別の桶谷式の助産院へ。
帰省途中の飛行機で乳腺炎になってしまったので、なんとかみてくれるところを探してそこに行った。
行く前から嫌な予感はしていて(対応のメールのかんじとか)ちょっと迷うレベルだったが、その前に別のところは断られていたのもあり、とにかくみてもらわないと辛すぎて。
実際に行ってみて、私はものすごく後悔した。
まず、助産院にはいってすぐの壁には反ワクチンの張り紙が大量に貼ってある。私の考えとはちがう人なんだなということは悟った。
そして、施術。桶谷式の施術自体に関して上手い下手はよくわからないが、まぁ普通だったかなと思う。
しかし、施術中にぽろっと今も乳頭混乱で大変だという話をしたら「まだ乳頭混乱あるの?2ヶ月なのに?あなたのおっぱいは美味しくない、まずいおっぱいだからこの子は吸いたくないのよ」と言われた。
元々乳頭混乱に落ち込みながらぎりぎりの精神状態で、それでも頑張って授乳を続けていた。そこに追い打ちをかけるように乳腺炎・・・母乳はたいしたでてないのになんでこんなことにと思って辛かった私は、この一言でメンタルが一旦崩壊した。
その後も、母乳の質についてしつこく言われ(本来、母乳の質はマッサージや食事の内容で大きな変化はありません)、母乳の質が悪いことで子どもの腸内環境が整わず、発達障害などにもつながるということも言われた。
しつこく通うように言われたが、断って逃げるように帰宅。
実家に帰ってわんわん泣いた。
知識として、その助産師が言っていることは間違っているとわかっていたけれど、それでも母親失格といわれたような悲しい気持ちになって、すごく落ち込んでしまった。

3カ所目はオンラインだったが、IBCLCの方が開いている助産院で相談した。IBCLCとは母乳の専門資格をもった人で科学的根拠に基づいた母乳指導をしてくれる。
結果的にここが一番良かった。
とにかくここまで頑張ってきたことを肯定してくれて、ねぎらってくれた。
そして私の希望や思いを丁寧に聞いて、解決策についていろいろと提案してくれた。
この方の素晴らしいところは、決してこうしなさいと押しつけないところ。もっている情報や根拠を性格に伝えながら、私が選択できるようにしてくれていた。哺乳瓶を変えることに関しても、この方が選択肢として教えてくれた。
精神的にもかなり励まされて今に至る。このオンライン相談がなかったら、私はきっとくじけていたと思う。

ある程度知識がある私でも、母乳育児が難しいときに一人で頑張るのは絶対に無理だと感じた。専門家のサポートがないと、メンタル面でもかなり辛い。この頑張り方で合っているのか、体重は増えているのか・・・母乳育児をしていると意外と心配事ってつきない。
そしてなぜか日本の母乳育児にはさまざまな流派がある。桶谷式が有名だが、ラクテーション、堤式、BSケアなど・・・困っている人たちが自分に合った流派や先生と出会えると出会えるといいなと切に願う。
ただ、現状はあたりはずれが激しいし、自分に合った母乳育児支援をしている人に出会うのは本当に難しい。このシステムなんとかならないかなぁ。助産師とのマッチングサイトとかもあるけど、いまいちどんな人なのかわからないことも多いし・・・みんなが考えとかを発信していてくれたらいいんだけどな。
その現状を踏まえても、それでも母乳育児に困難を感じている人は専門家である助産師のサポートを受けることをお勧めする。
病院の母乳外来でも、地域の助産院でも何でも良い。どうかしんどい人が良い専門家に出会えますように。



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