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「ショーシャンクの空に」はパラレル・ワールド。ポジ面の成功パターンを検証

1994年米国。歴史に残る名作。本編はあらすじを伝えるものではなく、ストーリーは既にご存じという方に向けて書いています。特に、現状を不本意に感じておられる方、人生を諦めかけている方へ。また、ストーリーは知っているけど何がそんなにスゴイの?と思われている方にも、こんな見方の面白さを提案したいと思い、筆を執っています。

映画「ショーシャンクの空に」は、ある日突然、過酷な現実に陥った人が、次の2つの世界の選択肢に直面し、その一方の世界(ポジティブ面)を映し出したものです。

■ポジティブ世界
暴力や懲罰も恐れず、自分らしく生きようと希望を持ち続ける世界    ■ネガティブ世界
不運な人生だと諦め、これ以上傷つくことを恐れながら一生を終える世界

大部分の人は、ネガティブ世界を選択するでしょう。だって、そちらの方がラクですし・・。でも、そうでないヒトが稀にいるのです。必ず。

映画の中で「希望は危険だ」という言葉がありました。私も経験上、それは否定はしません。ですが本編では、どちらが良い悪いの問題ではなく、ポジティブ世界では、何がどのように成功に導いたかを検証するものです。

1.奈落の底でも追いつめられる。
妻と愛人を殺した容疑で捕らわれたある銀行の副頭取だったアンディ(ティム・ロビンス)は無実を訴えるが聞き入れられず、ショーシャンク刑務所に終身刑で投獄される。しかし彼はあきらめなかった。自分の無実を訴え続けるが、そのことがかえって彼を孤立させ、苦しい状況をつくっていく。

どん底で孤立


2.どん底で運命の人と出会い、流れが変わる。
ある日、刑務所生活が長く、自称“調達係”の囚人レッド(モーガン・フリーマン)に出会い、親しくなる。彼との出会いから、アンディは少しずつ刑務所での暮らしに慣れていき、冷静さを取り戻す。

レッド2


3.ネガティブ世界の行き着く先を見る。
50年間も服役している高齢の囚人ブルックスが、ある日仮釈放となる。しかし、刑務所生活が全てだった彼にとり、外の世界はあまりにも変わってしまった過酷なもので、彼はついに、自ら死を選んでしまう。       「希望は捨てた」というネガティブ世界で生きた果てに待っていたのは、更に深い絶望だった。

ブルックスの生活


4.自分らしく生きようともがく。
刑務所に送られてきた荷物の中に『フィガロの結婚』のレコードがあった。アンディは刑務所内の放送室を占拠し、所内放送で流す。案の定、懲罰房送りとなるが、アンディは「音楽と希望は誰にも奪えないものだ」と言う。
そんなアンディにレッドは、「塀の中じゃ希望は危険だ」と言って抑えようとする。しかし、アンディの抵抗はその後も続く。

レコード

5.絶望しながら希望する。                      銀行家だった腕が買われ、アンディは刑務所長の脱税や汚職の手伝いをさせられる。刑務所の中でも悪人の片棒を担がされ、絶望がアンディを支配しようとする。しかし、ある行動が彼を正気に保った。             ある行動とは、毎晩少しずつ壁に穴を掘り続けるというもので、穴はポスターで隠していたので誰も気づかない。                              「いつか刑務所から脱獄する・・」その希望だけが彼を支えていた。

受刑生活


6.運命の女神は最後の最後で現れる。
月日は流れ、ショーシャンク刑務所に、強盗犯で捕まった青年トミーが入所した。明るく人なつこいトミーは、すぐに仲間と打ち解け、アンディも彼を気に入る。更生を望むトミーに、アンディは文字の読み書きから勉強を教え始め、やがてトミーは高校卒業資格を申請するまでなった。

トミーに教える

ある日、トミーはアンディが入所した理由を知ると、あの殺人事件の真犯人に心当たりがあることを話す。                     アンディは所長に再審請求を頼み込むが、所長は自分の汚職が明るみになることを恐れ、隠滅しようと妨害する。何と、トミーが脱獄すると見せかけて警備員に射殺させ、アンディを再び懲罰房送りとする。

全てが失敗に終わったかに見えたが、諦めなかったアンディに、ようやく、その瞬間がやってくる。外に通じる穴が開通したのだ。                 ここから一気にクライマックスへ展開する。歯車が動き出した後は早い。

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7.選んだ道をあきらめない。
結局のところ、そういうことなんですね。刑務所での受刑生活でポジティブ世界を選択することは、いばらの道を選んだように見えます。       ですが、この道を選んだ時点で、運命は決まっていたようにも見えます。  ただ、そのプロセスにいる間は、厳しいことは確かですが。

かくいう私も、大昔に思い描いた夢を、紆余曲折のあまり忘れかけていたことがあります。ですが、何年も経って、今自分がやっていることは、かつて私が夢見ていたことだったことに気づきました。
これからの夢も、簡単ではないかもしれませんが、「いつか必ず」という気持ちがあれば、本当にいつか実現するかもしれないと今は考えています。

「ショーシャンクの空に」は希望を持つことの大切さを教えてくれる、本当に良い映画だと思います。読んで頂きまして、有難うございました。

ショーシャンクの木

約束の木(おわり)


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