チラシ制作裏話 その1
こんにちは。Seoです。
11月4日、私が2か月間かけて作ってきた、オリジナルのヘルプマーク啓発チラシの配布許可が下りました!
一刻も早く配布をしたいところですが、何しろチラシの作成も配布も初めてのため、配布サイトを作るのも容易ではありません。
その点、ご了承願います。
今回と次回、「チラシ制作裏話」シリーズでは、オリジナルのチラシを作ろうと思った理由や、制作にあたって工夫したこと、作成の裏話などをお話ししようと思います。
今までの取り組みへの疑問
去年末から今年の正月にかけて、私は母方の祖父母の家を訪れました。
その帰り際、祖父母の家から駅まで送ってもらうときに、私はヘルプマークをつけました。
祖父母に啓発したいというのと、久しぶりの長旅をしたため疲れているかもしれないので、帰りの電車では座っていたいと思ったからです。
祖父母と話しながら、私はヘルプマークについて話をしました。
祖父母は私が発達障害を持っていることを知っているからか、ヘルプマークを着けていることそのもので目立った反応をすることはありませんでした。
私も、祖父母がヘルプマークを知らないのは、想定内でした。
しかし、家に帰ったのち、重大な事実が明らかとなりました。
「ヘルプマークを知らなかった。赤十字マークだと思っていた」
と、父が言い出したのです。
私は衝撃を受けました。
今まで私がやってきた啓発には意味があったのだろうか、と考えました。
ショックのあまり、しばらく啓発から距離を置いたこともありました。
チラシ制作を始めたきっかけ
その後、私はある一人の啓発家の方に意見を乞いました。
「ごちゃまぜカフェメム」のオーナーとして日ごろからお世話になっており、依存症啓発にも取り組んでらっしゃるkarmaさん(@k6rm6)です。
karmaさんは、私にこうアドバイスをくださいました。
「チラシでも作ってみたら? SNSの外にいる層にアプローチしないと広まっていかないよ」
私は、父がヘルプマークを知らなかった理由に、初めて合点がいきました。
父は、SNSをやりません。
今年8月に祖父が亡くなったとき、祖母の身に何かあったときのためにLINEを始めることにさえ抵抗していました。
障がい者総合研究所のアンケートによると、ヘルプマークを知った経緯として最も多かったのが、「SNSなどインターネットを通じて知った」です。
大学入学時にスマホを買い与えられて以来、Twitterと無縁の生活を送ったことのない私には信じがたいことですが、SNSをやってない人は、一定数存在します。
そして体験談を集めていくうちに、ヘルプマークを着けている方に対して乱暴な言動をする方は、中高年、SNSをやっていない人の多い年代層に多いことも分かりました。
このとき、私は今までやっていたTwitter上でのみの啓発だけではなく、オフラインでの啓発をやる必要性を強く感じました。
そのため私は、チラシを作ることを決意しました。
チラシ制作を支えたアイテム
チラシの制作といっても、私はデザインに関しては全くの初心者です。
そこで、初心者向けのデザインの本を探しました。
すると、このような本が検索に引っ掛かりました。
試し読みで期待した通り、デザインの基礎がとても分かりやすく掲載されていました。
全体像のイメージが苦手な私はさらに、この本で「おすすめの参考書」として紹介されていた『レイアウト・デザインのアイデア1000』も購入しました。
『やってはいけないデザイン』はkindleで買うことができましたが、この本はkindleでは買えませんでした。
しかしそのことが、後に大きな転機を生みます。
チラシ作成には、画像編集ソフトも必須です。
しかし私に、PhotoshopやIllustratorを買うお金はありませんでした。
そこで無料の画像編集ソフトを探し求めたところ、『GIMP』というツールを見つけました。
PC上で画像編集ソフトを初めて使う私には戸惑うことも多かったですが、チラシ作成にあたってのマストアイテムともいえるでしょう。
最大のアドバイザー
こうして私は、『レイアウト・デザインのアイデア1000』を傍らにチラシ制作を開始しました。
私は普段、2階で過ごすことが多いのですが、この時はリフォームで2階の部屋のエアコンの室外機が取り外されていたため、1階のリビングで作業していました。
私が作業をやっていると、母が仕事から帰ってきました。
帰ってくるなり、母は傍らの『レイアウト・デザインのアイデア1000』を見て語りだしました。
「この本いいね! 他の似たようなデザイン本って写真がペタペタ貼ってある感じだけど、正直ピンと来ないのよね。でもこの本はそういうのがなくて、『この本、何の本だろう?』と思わず見入っちゃった! 中の絵もいいね! デザインアイデアの中の写真、顔が書いてあると、イメージが固定されてしまうけれど、顔がないからインスピレーションが湧いてくるし…」
語るついでに、私がその時制作中だったチラシについても語りだしました。
「このチラシ、いまいちピンと来ないし、フリー素材の写真を入れているのも犯罪者の検挙ポスターっぽくて感じ悪いよね。この写真、なくていい」
最初、私は一人でチラシを作るつもりでした。
分からないことは、自分で調べればすぐに分かります。
そもそも当時、作ったところで東京都の許可を得られるかどうか自信がなかったので、巻き込んだところで迷惑かけるだけだと思っていました。
しかし、母が自ら話に入ってきたので、どうせ何か言われるのなら最後まで便乗しようと思い、そこからは母と二人三脚で制作を進めました。
一筋縄ではいかなかった制作
こうして私のチラシ作りは進んでいったのですが、当然、すぐにうまくいくことばかりではありませんでした。
チラシの完成までには、いくつかの難所がありました…
「その2」に続きます。