【SS】木の実このまま税理士

この国の税制はどうなっているのさ。
山の中で木の実の採取で生活している俺にまで追徴課税とは。

これまでだってちゃんと納税してきたじゃないか。
それなのに、どんぶり勘定だから税理士をつけろだなんて。
どんぶり勘定じゃなくて、こちとらどんぐり勘定だっての。

仕方ないから税理士の先生を呼んで税の計算してもらうことになったのさ。
いったいどうやって見積もるんだろうと思って見ていると、税理士の先生は小屋の中の物を片っ端から並べていくわけよ。
コップの数で従業員の数を見積もった話、あれはマルサの女だったっけ?

でもさ、小屋の中には危ないものもたくさんあるわけよ。
「木の実このまま税理士!」
と叫んだけど後の祭り。
税理士の先生が毒のある木の実を触っちゃってさ。
結局、計算できないまま帰っちゃったのよ。

もう、しょうがないから税務署に行って直談判さ。
どうぞ小屋まで来て税を計算してくださいって。

きっとお役人さん達も毒の木の実触って諦めるでしょうって。

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