【SS】残り物には懺悔がある

今日はクリスマス会だ。
パーティー料理も楽しみだけど、一番の楽しみはプレゼント交換会だ。
意中の委員長のプレゼントをゲットしたい。

クリスマス会は順調に進んだ。
そして最後のメインイベント、プレゼント交換が始まった。

ひとりひとりプレゼントを台の上に置いていく。
そして委員の人が位置を入れ替える。
最後に、順番にくじを引いて、出た数字のプレゼントをもらうのだ。

「ちょっと君、こっち手伝って」
委員長に呼ばれて僕は列に並び損ねた。
しかも、大した用ではなかった。

列の最後に並んだ僕がくじを引こうとすると、そこにはもうくじがなかった。
残り物には福があるというがそれは嘘だ。
残り物はなかった。

委員の計らいでプレゼントは別途用意してもらえることになり、クリスマス会は解散した。
帰ろうとした僕に委員長が声をかけてきた。

「私、プレゼント忘れちゃって」
残り物には懺悔があった。
「もしよかったら二次会行かない?二人で」
懺悔の後には特大の福が待っていた。


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