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『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』傷を曝け出し合った先の真の友情

 マット・デイモンとベン・アフレックの共同脚本、親友役での共演というそれだけでmoveしてしまう事件。今や伝説?デイモンもアフレック兄弟も若過ぎて、タイムスリップしたみたい。
 ボストンに住む青年ウィルは、幼い頃から天才ゆえに周囲から孤立していた。だが、彼の才能に気付いた数学教授のランボーは、ウィルに精神分析医のショーンを紹介する。ウィルはショーンにしだいに心を開いてゆくが。
 ウィルは過去の生い立ちからのトラウマを、ショーンは妻の死の傷を、曝け出し合う。その先にあった、真の友情。よく泣いたが、クライマックスはあり得ないほど涙がこぼれた。そう、俺にもいる。こうやって曝け出せる人が。だから自分を他者に投げ出さなきゃ。その誓いの涙だったよな、のっぽのおっさん。もう決めたから、やるだけやるって。もしくじけそうになったら、大事な映画や音楽を見聞きしよう。あいつに電話しよう。当たり前だろ?自分の人生だ。そのためのアートだから、アートが大好きなんやん!ふざけんな。
 マット・デイモンは複雑な役だったが、若くして見事に演じ切ってる。今でもスターなん、すげえわ。俺この人大好き。ロビン・ウィリアムズは深い表現。ウィルの心の再生を実現する過程を味わい深く演じている。素敵な人だ。もっと生きてほしかった。鬱病。救われてほしかった。こんな感動を与えて下さったのに。あなたは今でもヒーローです。still.
 ガス・ヴァン・サントはそんな登場人物たちを魅力的に撮るだけでなく、彼らの住むボストンの街に命を吹き込む。エリオット・スミスの音楽もこの映画を繊細な情緒で彩っていた。 
 また、ミニー・ドライヴァーが不細工で嫌だったっていう意見。ひどいこと言うなよ。めっちゃチャーミングな演技。彼女とウィルの恋愛の強さと儚さがこの作品の核だ。オスカーノミネートも納得。
 窓の外から春風が吹き荒れ、雨が強く降り出し、植物の匂いが鼻につく、素晴らしい環境でのベッドルーム・iPhone鑑賞。映画館に負けない環境がここにあった。おんぼろ車であの街へ私とウィルは消えて行った。I love cinema.

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