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『タクシードライバー』名優ロバート・デ・ニーロ、キャリア最高の怪演

 デ・ニーロ出演作品で最も好きなのは『ディア・ハンター』なのだが、この映画のデ・ニーロは凄すぎる、どうしたらいいの?ってくらいすごい。銃撃シーンの動きは脱帽するほどリアルでイマジネイティブ。デ・ニーロに釘付けになる。狂気と哀愁の演じ分けも巧みで、表情で繊細に表現されている。
 また、デ・ニーロ演じるトラビスのベッツィーに対しての言動が、今じゃストーカーで、自分と照らし合わせて、めっちゃ応援してしまう。(筆者最低じゃねぇか!)デートでポルノ映画に連れて行ったときは、手に汗ですよ。親心?(苦笑)
  そして、この映画はスコセッシの最高傑作でもある。本作は1970年代半ばのニューヨークを切り取ることに成功している。カットの切り換えやズームインもとても効果的に使われている。また、夜のネオンは光のファンタジアだ。そこにバーナード・ハーマンのジャジーな劇伴が乗ると、魔法がかかっていた。
 さらに、ジョディ・フォスターが13歳で12歳の少女娼婦を演じており、既に才気を発揮している。シェパードとフォスターが本作の対照的な花となっている。 
 もはや伝説となった今作だが、この当時アメリカで観た観客に対する反響は凄かったであろう。何度見ても味わい尽くせない永遠の輝きがある。アメリカの宝となった。

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