管理会計総論
会計情報システムの提供する情報のタイプは、実績記録情報、注意喚起情報、問題解決情報に分類される。実績記録情報と注意喚起情報は、財務会計目的にも管理会計目的にも利用される共通の情報であるが、注意喚起情報と問題解決情報は、管理会計目的固有の情報である。なお、注意喚起情報とは、計画と実績とを比較し、差異を明らかにすることによって、経営者の注意を喚起する例外管理のための情報である。注意喚起情報は、予算管理や標準原価管理で必要となる。また、問題解決情報とは、将来取りうる代替的コースの選択において、どの案が最善かを決める上で役に立つ意思決定用の管理会計情報である。問題解決情報は、業務的意思決定や設備投資意思決定で必要となる。
管理会計は未来情報を重視するものであるが、過去情報を収集・提供することもある。
財務会計情報には客観性や検証可能性など、具備しないければならないとされる複数の要件があるが、管理会計情報には、有用性を除けばそのような要件は存在しない。
財務会計システムのアウトプットは財務情報のみであるのに対し、管理会計システムはこれに特有のアウトプットである非財務情報が加わる。
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