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B.LEAGUEアリーナ探訪: さいたまブロンコス編

B.LEAGUEもB2はレギュラーシーズンが終了。
我らがアルティーリ千葉は見事に東地区優勝を決め、B2全体でも1位の成績を収めてプレーオフの全ての試合をホームアリーナで行う権利を得た。

ホームゲームだけではなくアウェーまで観戦に行く様になると、B.LEAGUEのシーズン中の土日は殆ど観戦と移動で潰れてしまう。
そんな中、5月6日から始まるB2のプレーオフまでは猶予が与えられた。
時はゴールデンウィークということもあり、家庭のやらなければならない用事やらなにやらやればいいものの、身体がバスケットボール観戦を求めてしまう中毒状態。

ではというわけでは無いが既に開幕しているB.LEAGUE B3のプレーオフを観に行くことに。
B3では東京ユナイテッドバスケットボールクラブ(以降TUBC)を応援しているが、プレーオフでは惜しくもアウェーでのベルテックス静岡との準々決勝で敗れてしまった。
実は『観に行くことに』などと書いたが、本当はTUBCが準決勝に進んだ場合に応援に行こうと考えてチケットをとってあった。
金曜日のゲーム1のチケットも抽選に申し込んで確保してあったのだが急な出張のせいで断念した。

準決勝に進んだのはTUBCを破ったベルテックス静岡。
昨シーズン、千葉県は館山市で行われた試合でアルティーリ千葉をとことん苦しめたチーム。
千葉市民からしても遠い館山まで泊まりがけで観戦に行って、ゲーム1は敗戦、ゲーム2は延長という厳しい戦いを強いられた。
かたや、さいたまブロンコスにはアルティーリ千葉の"卒業生"である秋山熙、野口龍太郎、そして今シーズン終盤にアルティーリ千葉の練習生待遇を解除して加入した山崎玲緒の三人が在籍している。

金曜日のゲーム1はレギュラーシーズン上位のさいたまブロンコスが不覚をとり、迎えたゲーム2。
千葉県と埼玉県は互いに自分らが上だと主張する間柄のお隣の県ながら、浦和というと中々の距離。
ゴールデンウィークの初日に電車に揺られて浦和へと向かう。
一緒に行く予定のこれまたアルティーリ千葉ブースターの友人はマンションの理事会が押してしまい遅れるとのことで一人で向かう。
Googlemaps曰く北浦和駅の方が近いらしいが、スターバックスがあるという理由で浦和駅を選択。

スターバックスのマイスタンプを集めるために立ち寄り、浦和駒場体育館へと向かう。
千葉県の殆どの駅の負けを認めざる得ない小洒落た浦和駅を抜けて昭和の香りを残した商店街を行く。
赤い人が多いので、"流石は浦和レッズの街。今日はレッズの試合があるんだな"と思いきや、商店街に掲げられたバナーフラッグによれば浦和レッズ・レディースのホームタウンらしい。
浦和レッズのホームスタジアムがある駅は浦和駅ではないらしい...知らんけど。
女子のチームを街をあげて応援しているのは流石というか。

浦和といえばかつての浦和市で当時の埼玉県の県庁所在地。(今でもそうだけど)
駅からの徒歩圏の住宅は財布からお金がこぼれ落ちそうな人が住んでいそうな立派な家に贅沢な車が停めてあり、涎を垂らしながらアリーナもとい体育館へ向かう。

ジオン公国の公国府の様な形のオブジェが入り口にある浦和駒場体育館は中々の歴史を感じさせる建築物。
入り口で「チケットを...」というアナウンスを聴いてチケットを持ってきていないことを思い出す始末。
さいたまブロンコスのチケットは基本的にファミリーマートで発券するシステム。
藁にもすがるつもりですぐ近くのファミマにて再発行を試みるが、想像通りに無理だった。

入場口にいたスタッフの男性に事情を説明すると「大丈夫ですよ。そういう方も時々いらっしゃるので」と。
受付でスマートフォンの発券完了のeメール画面を見せて代替チケットを受け取り無事入館。
そこで待っていたのは土足禁止!
犬嫌いにとっての生類憐みの令にも等しい、バスケットボールファンにとっての厳しいお達し。
しかし、そこはさいたまブロンコスはBjリーグのオリジナル6でもある老舗クラブだけあってちゃんとスリッパを200円で売っているので救われた。

会場はほぼ満席。
2階からの入場なので上から見下ろすことになるが、真っ赤っかかと思いきや、アウェー側の広い範囲がが紅葉が遅い...もとい橙色。
ベルテックス静岡のブースターが1/3を占めるのではないかという目測で陣取っている。

ウォーミングアップでは秋山熙が足の怪我をおしてボール出しに尽力しているのが印象的。
アルティーリ千葉の頃からベンチを温めようが、何しようが率先してチームの盛り上げ役を買って出ていた明るい選手。
早く怪我を治して復帰してほしい。


"ティップオフ"
さいたまブロンコスのことは元アルティーリの三人の他はサクシーズから特徴ある髪型のおかげで覚えていたライアン・ワトキンスぐらいしか知らないぐらいに前情報が薄い。
ベルテックス静岡の方は昨シーズンにアルティーリ千葉を苦しめたやり手証券マンの様な風貌のアレクシス・エーセネルは忘れもしない選手。

とにかく静岡ブースターの応援がもの凄い。
ティップオフ直後からアクセル全開なのでこちらがガス欠を心配するほどだったがそのままのテンションで走り切った。

金曜日のゲーム1の敗戦をものともせずにさいたまブロンコスが得点を重ねて1Qから23-13と突き放す。
途中、リングに嫌われてお互いに得点が進まないこともあったが、緊張感を保ったまま82-70で勝利を収めた。

我らが山崎玲緒は要所でスリーを3本沈めて17PTSの活躍。
数字以上に試合を盛り上げた。
良いディフェンスからのアウト・オブ・バウンズの場面では、スローインの前に観客席を向いて仁王立ちして両手を何度も下から上に振り上げてさいたまブースターを煽る様に鼓舞する。
山崎玲緒のそんな姿に先導される様に負けていたイメージの声援もいつしか静岡ブースターのそれを呑み込む様になっていった。

昨シーズンは新型コロナウイルス禍が原因でB3のプレーオフが行われず、イレギュラーな形で2位抜けしたアルティーリ千葉と一昨シーズン前の2位だったトライフープ岡山とのワンマッチでの昇格戦となったため、B3のプレーオフを観戦するのは初めてだった。
アルティーリ千葉が出場するB2プレーオフの前にこの試合を観れたのは良かった。
ましてやこの試合は負ければ昇格の権利を失い、勝てば望みを繋ぐという大事な一戦。

この試合を観戦して見えてきたのがBjリーグの創設メンバーにしてその設立に尽力した長い歴史をもつクラブだけに名物ブースターがいること。(これはさいたまブロンコスに限らず、他のクラブにも見受けられる)
また、遠いアウェーの地にやってくる相手ブースターは応援が組織立っていて少数精鋭ということ。
ましてやプレーオフとなるとやってくる人数も倍増するはずでホームのブースターがその名の通りにブーストしないと負けてしまうこと。

今回の観戦は元々はTUBCのプレーオフ線が観たかったことに始まり、方向転換してアルティーリ千葉の卒業生を応援することになったが、彼らの勇姿が観れて本当に有意義だった。
早い時間に行けば売店に秋山熙がいたというのを知らないでギリギリの時間に行ったのは大失敗だった。

これを書いている4月30日時点で岩手ビッグブルズが横浜エクセレンスに連勝してB3プレーオフ決勝進出とB2昇格を決めた。
月曜日のゲーム3は予定があって観に行くことが出来ないが心の底からさいたまブロンコスの健闘を祈る!

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