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自己紹介
15年以上20年未満前、夜な夜な街をぷらぷらしていた頃、友人の付き添いでよく当たると評判の占い師のところへ行くことになった。
チョウ先生という人らしい。
うん、なんか、ぽい名前…
とか思いながらフラフラと友人の後に続いて、中途半端に古いビルの階段を上った。そこにはボロボロの段ボールやボロキレの山…
…ココデアッテマスカ?
しかし、そんな私の不安を他所に、片思いに悩んでいた友人は、躊躇うことなく恋のパワー全開で安物の事務所っぽい扉を全開した。
ハードロックがお出迎え。
…ココデアッテマスカ?
事務所風占い館の奥へ進むと、タンクトップ姿の尊師…いや、白髪まじりの長髪に髭の…グレート義太夫風(若者は無視)の老人。
…ココデアッテマスカ?
義太夫の背面の窓際にはバーボンの瓶が3本ほど並んでいた。どうせならワイルドにズラリと並べて欲しいところだったが、逆に妙なリアルさがあった。
そして、クリアファイルからおもむろにA4用紙が差し出された。そこには、
片思い2000円
相性3000円
その他2000円
張
張先生だ!
ココデアッテマシタ!
友人は、先生に手渡されたアンケートに記入し始めた。友よ…それ、占いの答えを自ら書き込んでいるんだぜ…。
もう知らん、と意外に控えめな音量のハードロック空間でバーボンの瓶をぼんやり見つめ占いが終わるのを待った。
鑑定結果は、料金の2000円がちょっぴり惜しくなる程度に物足りないものだった。見た目と違うやん、先生。意外とマイルド!
そして、私も。
そう、私も。
暇だった。とにかく、暇だったせいで魔がさした。
みてもらうつもりではなかったけど、暇って怖いよね。
アンケートには元優等生らしく親切丁寧に答え、風貌に似合わず当たり障りのないことを言う張先生に、当たり障りのないことを言われるつもりで席についた。
「年甲斐もないことをやるクソババァになる」
おい、話が違うぞ。
予想だにしない、当たり障りまくるカウンター攻撃。
だけどそれはそれで、なぜか悪い気はしなかった。
現在私は、年甲斐もなく未経験の世界に飛び込み、多ジャンルを同時進行で猛勉強中。年甲斐もなくチャレンジングな日々を送っている。
張先生、クソババァは余計だけど、なんとなく当たってるよ!
という自己紹介。
※張先生は現在、行方不明
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