不妊治療の諦めどき
努力が報われない焦りと苛立ち
* IVF (体外受精)を何回かトライしてみたけれど、全然妊娠できる気がしない。それでも出費ばかり嵩んでいく。次こそは!と思いながら、あっさりと振り出しに戻される絶望感。
* 努力しても、時間が経ち、年をとり、可能性は減っていくことに焦りと苛立ち。
* 体外受精の成功率を見ても2%未満で、一体何のために頑張っているのか、大金を叩いているのかわからなくなる虚しさ。
* 旅行も、他にやりたいことも一旦保留にして優先順位高めに頑張っているのに、いつまで保留にしておけばいいの?これ意味あるの?
そんな経験をされている方がこの投稿を見てくださっていると思います。
まさに私がIVF3回目を失敗した時に底辺に落ちました。闇が押し寄せて、いつまでやればいいのだろうか?一体諦めどきはいつなのだろうか?
(実は1回目の失敗の時も、2回目の失敗の時も常に諦めどきはいつ??っていうのはよぎっていましたが、いちばんきつかったのは3回目が失敗した時)
この決断がすごく難しいんですよね。治療の成果が出ない場合に、いつピリオドを打つのか。
人それぞれ、どんなポイントで納得できるのかっていうのが変わってくると思いますが、私は来月日本に行って、日本で一回体外受精を試して、もしダメだったらアメリカの今までと違う、MINI-IVF(低刺激)に特化したクリニックででもう一回体外受精。ということで、あとトータル2回が私の限度だと思っています。(勝負は今年中!)
まあ、そんな決断も途中で変わるかもしれないけれど、今のところそんな考えです。 今までよりもずっと知識も増えてきたし、何をすればいいのかも明確になっているし、色々な思いを整理できてきたので、今はずっと楽に体外受精に向き合えています。
本日は、ぐるぐると悩んでモヤモヤしてしまっている方へのアドバイスというか。そんな悩みが少しでも晴れて楽になれたらな、と思います。
正直正解がないので、あなたが納得いくまで考え通して、ふと気づいた時にあなたのしっくりくる次のステップが湧いてくるものなのかな、と思います。
押し寄せてくる感情の管理
まず、冷静に考えたい時に邪魔になるのがいろんな感情ですよね。悩み解決の前に、その表面にある感情でぐるぐると同じ場所を巡ってしまったりすると思うので、最初はそういった表面にある感情を少しづつ整理して成仏させてあげることが大事だと思います。
人からの期待
あなたから生まれてくる赤ちゃんに期待しているのは、あなた以外にもいるかもしれません。その人たちを早く喜ばせてあげたいとかっていう気持ちも、余計なプレッシャーになってしまうかもしれないし、罪悪感を感じてしまうかもしれない。
いつもの自分以上に頑張れたり、幸せな気持ちになる場合はいいけれど、人からの期待を考えて苦しくなってしまうようであれば、ここは自分の幸せだけにフォーカスして!!勝手に使命を背負って自分を苦しめないで!
結局、あなたが本当に喜ばせたいあの人たちは、あなたが幸せになってくれればそれでいいんだから:)
人に相談する虚しさ
人に相談したところでどうしようもないことぐらいわかっている。
友人はきっと、
「治療やめたら自然妊娠したという人が結構いるみたいだよ」
とか、
「諦めなければいつかは授かるから大丈夫だよ」、
「子供がいない人生も楽しいよ」
などと言ってくれるでしょう。
どれも正解かも知れないです。でも、どんな言葉を聞いたところで、自分の気持ちの整理がついていないと、決断なんてできないし、どんなアドバイスを聞いても他人事だな、とか、無責任なことを言ってくるな、としか思えない。
相手も、むしろこの話題は振ってほしくないと思っているかもしれない。あなたのためを思って何を言っても、多分いいようには受け取られないから。
悩むのはすごく良くわかります。人に相談したい気持ちもすごく良くわかります。何かに縋りたい気持ちもすごく良くわかります。
でも、正解はないし、人それぞれ。相談するなとは言いません。話すだけでも少しストレスは軽減されるから。相談して、帰ってきた答えが何であっても感謝しつつ受け止めて、自分が考えて、自分で消化して、自分(とパートナー)で考えて出した結論を正解にしていくしかないんですよね。
過去への後悔、自己批判
こんなことなら、〇〇年前のあの時に子供を産んでいればよかった、とか、〇〇年前のあの彼ともっと早めに別れていればよかった、〇〇年前のあの時に、仕事を優先していなければよかった。
などなど、過去への後悔やら、自分の決断、とか、決断できなかったことへの自己批判みたいな心の闇の渦がいや〜な気分にさせませんか?
この思いが出てきたら、これは過去で、どうすることもない。その決断をしたからこその素晴らしい体験、出会いもあったはず、と深掘りをしてその想いは成仏させるのです。
今現在変えることができないことへの想いが出てきてしまったら、それを認めた上で、その想いにケジメをつけて沈めて、今考えることは何だろう?と前向きに考えるよう努力をしよう。
ぐるぐると同じところを回らないように、悩むのではなく考え尽くして、ケジメをつけることが大事だと思います。
パートナーへの嫌悪、からの自己嫌悪
自分は出来る限り食事にも気を使ったし、お酒も全然飲まなかった。ヨガにも通った。頑張った、でもパートナーは私がやっているからクリニックについてきたぐらいの感じ。”完全に”協力的ではなかった。私がリサーチして妊活に効く食事だったり運動だったりをシェアするとウザがっていた、などと思った経験はありませんか?
もしかしたらその真逆で、パートナーの方がすごい頑張っていて、協力的で、それがために自分が罪悪感を持つ、というタイプの方もいらっしゃるかも知れません。
私の場合は、パートナーが筋トレをしてくれていれば、とか、パートナーがもっと健康的な食生活をしていれば、受精卵の質が変わっていたかも知れない、とか思ってしまっていたんですよね。
そもそもタイミングで自然にでももっと頑張ってくれていれば、とか。
だけど、これをそのままぶつけたところで相手もいい気分はしないですよね。むしろ逆効果で二人の関係が険悪なものになってしまうと思うんです。
わかっているのに止められずに、実際そんな邪悪な思いをぶつけて喧嘩をしてしまっていました。
(もちろん彼は彼なりに頑張っていたのだろうし、サポートしてくれていましたが。)
で、自分もそんなことが言いたいわけじゃない。本当は2人で幸せになりたくてそのために一緒に頑張りたいのに、、と自分のアプローチの下手さに自己嫌悪に陥ってしまう。
パートナーとは言っても他人な訳なので、価値観も、頑張る度合いも、あなたとは違う。お互い違う物差しを持っているので、自分も、パートナーも本気で取り組んだ。その結果は結果として受け止めて相手も自分も批判しない。
他人をコントロールをすることはできないんですよね。コントロールができるのは自分だけ(それも難しいのに)。相手に感謝の意を示しをしつつ、冷静に話し合うことが大事だな、と思います。
自分が欲しい相手の行動を引き出すために、彼はあなたからどんなことを聞いたらやる気になりますか? お互いが幸せになれるためのアプローチはどんなものでしょうか?
おすすめの選択肢の整理法
「続けるメリットとデメリット」
「やめるメリットとデメリット」
「その他の選択肢(自然にトライを続ける、子供のいない世界、など)のメリット、デメリット」
をリストアップしていく。
頭の中で考えていると、すごい考えるポイントがいっぱいで、行ったり来たりして悩んでしまうと思うんですよね。
はっきり目に見えるように書き出して比較すると整理がしやすいです。
同時に、何がいちばん今あなたを苦しめているか、というのも思いつくがままに紙に書き出すといいと思います。意外な解決法が見つかるかもしれませんよ!
ちなみに、私もこの場を借りて整頓させていただくとこんな感じ。
続けるメリットとデメリット
メリット:
健康な赤ちゃんが生まれる
色々新しいことを一緒に体験していきたい
体外受精は、自然よりも確率は上がると思っているし、確実に受精したグレードの高めの胚を移植するから、プログレスを見れて安心する。
高いからこそ、本気でコンディションを整えようと臨むことができる。
デメリット
値段が高すぎる
他にやりたいことが保留になっている感が嫌
続けてやると病む(そればかり考えてしまうし、パートナーとの関係が、、)
薬の投与で生理痛がひどくなる
辞めるメリットデメリット
メリット
将来他のことを考えられる(第2の人生プラン)
時間にもお金にも余裕ができる
余計な薬を取らなくて良いので体が楽
デメリット
子供を出産するとか、子育てをするということが体験できない人生になる (確率が上がるー自然でもトライし続ければいいのだけれども)
親に孫を見せてあげたかった
その他の選択肢
体外受精は休憩して自然で数ヶ月トライ(今してる)
卵子ドナーで妊娠する(高いのでまだ悩む)
子供を諦めたら、第2の人生、やりたいことにトライする→バンライフ(車中泊で旅行)、ノマドライフ・リモートでいろんな場所から働きたい、無条件に愛する何かを探す、何かに貢献、起業。
苦しいと感じること
お金が湯水のように流れていく
パートナーのライフスタイルにガミガミ言ってしまう→無意味な喧嘩
人生が一時停止状態になっている感がする
とまあこんな感じでした。無理やりこれらを考えて書き出すことで、ぐるぐる回っていたところから、ぽん!と違うアイディアが出てきたりするんですよね。
からの、決断
(私の思考の流れなので、飛ばしたい方は次のセクションへ飛んで ね)
実際、3回目の体外受精が失敗したと気づいた時に、こういうふうに色々オプションを考えていったら、実際に諦める方向で決意したんですよね。
次にすぐサイクルに進むことは絶対にできない金銭的状況と精神状況だったので、体外受精をお休みするというのは絶対でした。
そして”諦めよう”と思いました。
値段が高すぎてバカらしくなったんですよね。成功するかしないかもわからなくて、すでに3回失敗していて、おおよその理由が私の卵の質が悪いからだから。
44−45歳の体外受精成功確率が2%弱ということは、単純計算ですが、
仮に一回の採卵で10個取れたとして、10回採卵してやっと1個か2個当たる、という計算。だとすると、今までやった体外受精が3回で、あと7回やれば可能性は出てくる。
と、いうことはアメリカの体外受精で一回およそ300万円ということを考慮すると、300x7ということで2千100万円注ぎ込むのか。(っていうか無い。)
一回一回落ち込みそうだし、7回やることになると2年間はかかる。で、妊娠しなかったら絶対に狂う。
となると、卵子提供でほぼ確実に、一年以内で健康な赤ちゃんが生まれてくて、一緒に過ごせる時間が増えた方が嬉しい。
しかし、卵子提供も安く無いので、おおよそ500−600万円ぐらいします。
それで、もし精子の質が悪くて失敗ということになったらいかん!
ということで、ガミガミとパートナーに運動しろとか菓子パンを食べるなとかうるさいことを言ったら険悪になるし、で、もう体外受精も卵子提供もやる意義みたいなものを失っちゃって、
やめて、なんならもう2人でいつかやろう、と思っていたことをもうやってしまおうと思ったんですね。
それが、日本バンライフ(車中泊で日本一周旅行)〜!
アメリカには大学を卒業してすぐに来ていて、大人として日本を満喫したことがないし、行ったことがない場所もたくさんあるので、改めて時間をかけて旅行をしたり時間を過ごしたいと思っていたんです。
いつか、じゃなくて今やろうって。旅行を長期しながら自然にトライしたら、気分一点で授かるかもしれないし。だから、仕事を辞めて、半年ぐらいやりたいことをやっちゃおう、って思いました。
で、会社に言う前に友達に数人相談したら、辞めずに長期休暇にしたら?と言う意見が多数で、”あ、なるほどー!”と思って思って長期休暇を取ることにしました。
長期休暇ならば、理由が必要だな、と思ってそれで日本の体外受精もやってみよう!と思った次第です。そもそも日本の体外受精も受けてみたい気持ちはあったのですが、なんかやる前に長期かかるから無理だな、って諦めていたんですよね。でもここで両方かなうプランが出てきてしっくりきたんです。
時期的には、卵の質が改善されるのが最低3−6ヶ月かかるので、これを決意したのが大体11月ごろなので、半年後である五月に設定したんですよね。
今度は絶対に失敗したくないじゃないですか!知識も増えてきたし、全てをトライしてダメなら、諦めがつくってもんですよ。
期限をつける
さて、長々と私の嗜好に付き合っていただきましたが、次のステップは、自分なりの期限をつけること。
以下の3つの項目を基準にパートナーとの話し合うのがいいかと思います。
1.いつまで(例:47歳になるまで、とか、今年中)
2.どこまで(例:採卵あと2回まで)
3.いくらまで(例:あと150万まで)
こう言った項目のうち、自分の中でしっくりくるものを一つ選んで、
その段階ごとにパートナーと話し合うといいのではないかと思います。
色々結果が変わってくると、自分の心も変化があると思うので、絶対的な期限ではなくて、また話し合うためのタイミング的な感じがいいのかと思います。
皆様の決断の少しでも役に立てていたら嬉しいです。
我慢せず、自分の心に素直に従って、悔いのない人生を満喫しましょ♡
ゆるりと一緒に頑張りましょう!