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8 落ちつけ俺

あらすじ #アズールレーン 二次創作「アークの休日」第8話。感電しかけた指揮官(男)、一瞬の覚醒。

まずい。深呼吸だ、クールになれ。

「換装ここまで。指揮官命令だ」
「しかし……」
「おま、やめっ、サーベルしまえ」

第一秘書、アーク・ロイヤル。しばしば駆逐艦がらみで暴れるやつ。

「あの子たちに、万一があったら」
「その前に、抱っこしてでも離脱せい」
「えっ」
「だから余裕もっとけ、っての。な?」

一瞬の間。
ふっと一息ついた、熱気が首の地肌にあたる。あわてて離れたら、髪かき上げて一寸すまなそうに微笑してる。わかりやすさは正義だな。

「いい子だ。三隻とも、連れ帰るぞ。出撃!」

聞き入れたフリをしただけと、気づいたときは遅かった。

部屋を出る瞬間、俺の手から砲チップをかすめとって、入れ替わりに何か握らせやがった。

「Certainly, sir」

……え?

コレは、翻訳モジュールか? 大して容量ないだろ多分。それとも、これで余裕なのか、分からんけど。

つか置いてくな!!

ビルを出たところで、見失っちまった。

やべえ。なんつー型破りだ。
飛行機の代わりに砲つめるなんて、色々アウトじゃねえ?イーグルの立場とか。ついでに、あんな紛らわしい誘いかた反則だろうが。「万一があったら」つって、おまえもだぞ。

あーもう、通した以上は職責だ、べらぼーめ!

腹くくるのを見計らったかのように、アプリに友軍の反応。名前が非表示、てことは非番のだれかだ。えらいスピードでこっちに向かってきた、艤装の単車が急ブレーキ。

「ハーミーズ!?」
「”改”だよ、指揮官。乗って!」


つづく

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