無題
この話はついさっき、ほんの数分前に感じた出来事を記録したいと思い今PCに忘れまいと拙いタイピングで文字を打っている
今日は昼から授業ということで、朝はやく起きて畑に水をやりそこから暇を潰していた
雲の多い空だが晴れ間も見える曇りだ、今日は晴れるのだろう
テキトーに携帯でくだらない動画を見たり、本を読んでは内容が難しく眠くなり寝ていた
寝て起きてまた本を読み出した、寝起きの口に不快感を感じながら読もう読もうと返却期限の迫った思想本。〇〇とは、その〇〇をものすごく難しく高卒の自分には難しすぎる。内包的、外延的、二元的態度、爛熟退廃、恬淡無下、、、、、、、、
というか、これは自分が無知なせいなのか?むしろ作者の変態性を感じてきていたとこだった、彼が悪い。そんな本を読んだ直後だから自分の文徴も変わるし、こんな文字に起こしたい衝動に駆られたのだろう。
そんなひねくれた文章をどうにか理解しようと同じところを何往復もしていた時、それは起きた。
早朝の期待を裏切って空が暗くなってる、部屋の電気を消して外の光だけの部屋で読んでいた、布団をソファにしてダメになった人間み
たいな姿勢で悪視力のせいで出来るだけ顔に近づけて文字以外にはピントが合わないくらい近づけて読んでいた
何往復もしてやっとこういうことかとわかった瞬間、今まで文字にしかピントが合ってなかった視界がふと本全体にピントがあった。
外で人と対面で話していてふとその人の奥の物や人を見てしまうみたいに。そうふと本と目があったのだ。
手のひらサイズの本を目一杯開いて両サイドを指で器用に固定するあの見開いた本に表情を感じた。睨んでもいたかもしれない。
外の光が本に影を作り、次のページをめくろうと浮く左ページ、器用な持ち方で傾いた右ページ、それを持つ指のしわ。
それまで文字しかピントが合ってなかった視界には本の外枠の中、文字、しわ、影、持ち手が鮮明に映った。
自分は確かに本に表情を感じ、目があった。そしてその彼は笑ってはいなかった。怒る睨む不機嫌のような顔で自分を見ていた
だが彼と目が合ったそのことに感銘を受けた。心に響く衝撃があった。心が持っていかれてしばらく見つめてしまった。彼の表情を美しいと思った。年季の入った貫禄のあるおじいちゃんみたいに。
なぜ彼の表情を感じたかなぜ怒っていたかはわからない。ここから何を学んだとかでもない。ただただ自分という感性、価値観が心を奪われる体験が今あった、それだけ。