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何をしてもうまくいかない自分を救った"ジャーナリング"のススメ

新卒1年目。自分の持っていたプロジェクトが全て失敗しました。

大学時代にもインターンを経験しており、入社後の研修でも特に苦労することなくスキルを身につけ(たつもりでい)ました。

実際に部署に入ってみると、ぜんぜん何もできない。論点(みたいな実態のないトピック)を整理し、アクションプラン(のような妄想)を連ねただけで、何も前に進めることができませんでした。
結局、「やります」と言って任ててもらった6つのプロジェクトを、どれも完了させることができないまま、期限を迎えてしまいました。

いま思い返せば、どれもちょっとした工夫でプロジェクトを前に進められた気がします。
しかし、当時は「ちょっとした」ヒントに気づけず、何をしてもうまくいかないように感じていました
自分がやっていることが全て無駄なことのように思えて、突破口も見当たらないまま悶々としていました。

そんな中、精神的に疲れ果てていた自分を救ってくれたのが『ジャーナリング』という方法でした。
かれこれ2年近く続けてきたので、今ではそれなりにジャーナリングをうまく活用できるようになりました。
詰まったときや焦りそうなときにも、ジャーナリングを活用することで、落ち着いて自分が考えていることを客観的に捉えたり、深く内省したりできるようになったと思います。

今回は、ジャーナリングとは何か、どのように進めれば良いのか、いくつかのポイントにまとめていきます。


ジャーナリングでは「思ったことをそのまま書く」

内容はとてもシンプル。「その場で感じたこと、考えたことを、紙にひたすら書く」だけ。

当時、メンターからジャーナリングをお勧めされたときは反射的に「そんなことで自分のモヤモヤは解消されるのか?」と疑問に思ったのですが、簡単に始められるため、まずはやってみることにしました。
近くにあったプリント紙とボールペンを手に取り、そのまま思ったことを書き始めました。

大事なのは「とにかく書き進めること」のようです。
テーマを決めて関連する考えを書き出していく場合もありますが、最初は特に何も決めず、自由に書いていくことにしました。

部屋が少し暑いこと。
座っている椅子がやわらかいこと。
まずは体の感覚が文字になりました。

書いている内容は徐々に、内面の感情へと移っていきました。
うまく集中できず、やることがいっぱいあるのにタスクが進まない。
いろんな要素や関係者がゴチャゴチャしていて、ゴールが見えない。
周囲が優しいからこそ、本当は期待を下回っているのにみんな黙っているのではないかと不安になる。
書けば色々と出てくるものです。自分でも、こんなに感じるものが多くあったのか、と不思議な感覚を覚えました。

不安を書き出すことで「自分が何に対し、どう感じているか、どう考えているか」がはっきりとわかってきました。
逆に、書く前は自分の思考や感情を把握できていなかったんだと思います。
同じ思考が脳内にずっといてモヤモヤしたり、同じ悩みがグルグルと現れたり。

書きつづけることで、「今ここ」の気持ちを認識できた感覚がありました。
問題そのものが解決するわけではなくても、自分の思いや考えが整理されるだけで、精神的にかなり楽になれるようです。


無地の大きなノートに、なめらかなペンで書く

初めてジャーナリングを試してから、毎日少しずつ、「今ここ」の気持ちを紙に書くようになりました。

続けていく中で気づいたのは、何かを書くと、連想して気持ちや考えがどんどん出てくることでした。
自分の思考を文字にして、自分の目で見ることで、他の感情を連想してつなげていくことができます。
また、脳内に溜まっていたモヤモヤを吐き出すことで、新たに考える余白ができます

大事なのは「とにかく書き進めること」です。
オススメは、罫線のない白地にたっぷり書ける広いノートを使うことです。
真っ白で大きな紙に書くことで、制約を感じることなく、ずっと書きつづけることができます。

もうひとつ、細かいけれど重要なのが書き心地でした。

ジャーナリングをしている時は、書けば書くほど連想して書きたいことが生まれます。
書くのが止まらないように、抵抗なくスラスラ書けるように、なめらかな書き心地のペンを買うことをオススメします。


誰にも見せずに書き溜める

ジャーナリングで避けたいのは本音を書けないことです。

ジャーナリングで書き出した内容を他の人に見られる可能性があると、「誰かに見られたときにどう説明しよう」「苦しんでいることを他の人に知られたくない」と抵抗が生まれます。
ジャーナリングではフォーマットや言葉づかいを気にすることなく、そのまま吐き出すのが定石です。

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そこで、書いたものを他の人に見せないことが重要になります。

「誰かに見せる文章」には、どうしても他者の視点が入ります。
他の人が読んだときの印象や、ちょっとした言葉づかいによる影響を考えることは、自分が感じたことを感じたままに書くジャーナリングとは相性が悪いです。

他者の視点を入れないで済むよう、ジャーナリングでは自分だけが読むノートに書くことをオススメします。


あとで見直す

ジャーナリングを続けて、やって良かったのは書いた内容を振り返ることでした。
その場で「今ここ」を書くことと同じくらい、いやそれ以上に、あとから書いた内容を見直すことの影響は大きいです。

ノートに書いておけば、パラパラとページをめくるだけで、当時の感情が俯瞰できます。
ぜひ、ジャーナリングが進んだタイミングで過去のページを見返すことをオススメします。

「あの頃はツラかったな...たしかプロジェクトで思い悩んでた時期だったな」「そんなこと思ってたっけ?改めて振り返るとAさんに相談しておけば良かったのかも」など、共感できるものも、新発見もあると思います。
あとは、純粋にノートを書き溜めた達成感も大きいです。

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徐々に慣れてくると、ポジティブな内容に赤丸をつけることを試してみることもオススメします。

ものごとのマイナスな面が目につきやすい私には、赤丸で強調するだけで発見が多かったです。

タスクを終えたり目標を達成したりするより、同僚の話を聞いたり助言したりすることで自分を肯定できること。
お風呂にゆっくり浸かるのが重要な意味を持つこと。
自分にとってポジティブに感じるものごとが、瞬間のリアルな感情として記録されているので、これから何かが起きても自分の機嫌を取りやすくなることにつながります。


さいごに

モヤモヤで何もできなかった自分を救ってくれた先輩には感謝しかありません。
先日、お礼をしようと久しぶりに連絡しました。すると「自分は種を渡しただけ。うまく育ててくれたんだろうね」と返信が。

今では、自分が他のメンバーの話を聞く機会も増えました。
先輩から自分へ、自分から次の人へ。
小さいけれど大事な種を、受け渡していきたいと思います。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

noteだけでなくscrapboxというサービスでも、考えたことや日々の気づきを色々とシェアしていければと思います。

1年目の失敗談はこちらにまとめているので、良ければ読んでみてください。

それでは!

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