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note始めました。

ニコニコのブロマガが閉鎖することになったのでこっちに移動することにする。と言っても釣りだけでなく何やらと色々書くつもり。

で、1回目の今日は2ヶ月前にニコニコに投稿した動画の話。

2ヶ月前、2021年の3月末頃にニコニコの料理カテゴリで『食戟のボイロキッチン』という企画があって参加させて頂いた(※改めて主催のりょの字さんと声をかけてくださったシヲタンさんに御礼申し上げます)。

その動画では肉チームの一員として参加して、見事に勝利を収めるに値した(と勝手に思っている)先鋒をさせて頂いたのだが、あの動画には色々裏がある。まず、


①ロースの塊が2つあった。

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動画ではあまりコメントで突っ込まれなかったがローストポークに使用した金時豚のロース500gブロックは2つあった。実はこれ、1つは試作で1つは本番で使うつもりだったのだが、1つ目を180℃20分でオーブンで加熱したらうまくいったので2つ目は必要なかった。

じゃ2つ目は捨てたのかというともちろん違って、2つ目も同様にローストを作って食べた。それはもう、むしゃぶり尽くすかのように食べ尽くした。この肉は本当にうまい。これまで食べてきた豚肉と全然違う。徳島のアグリガーデンさんの金時豚。本当にオススメ。

で、このロースについてはここまででこれ以上特段言うことはない。非常にうまくいきました。で終わり。問題は次。

②何回も加熱したテリーヌ(パテ)

パテ断面

動画ではさもきれいに仕上がったこのサーモンピンクの断面。実はこれ、再加熱に再加熱を繰り返して、実際は5回目くらいにやっと出来上がったもの。

なんでそんなことになったのか。

結論からいうとオーブン。

パテ焼き上がり

この料理、某ネットサイトを参考に作ったのだが、調理法としては「型に肉を詰めて」「容器にいれて周りに熱湯を入れ」「オーブン180℃で70分加熱」というものだった。

その通りにやったわけだが、一眼の単焦点特有のボケで誤魔化されているが、竹串を挿して引き抜いたら、見事に生の肉がくっついて出てきている。上の写真ね。赤い点みたいなのが串にくっついているの見えます?これ多分鶏のレバーですね。しかしこの料理を初めて作った私は気づいていない。

「いや、こんなもんじゃないの?情報にあるとおり透明の肉汁が出てるし?」

なんて思ってたら

型から外すところ

冷蔵庫で冷やして型から外してみたら

生パテ

見事に生。真っ赤な肉汁がまわりにまとわりついている。

パテが生

切った断面も見事に生。

もうね。全然火が通ってないの。この下の方の部分ね。これ完全に生。

何が「透明の汁が出ている」だ。今映像見返したら薄いピンクの肉汁が竹串挿したあとから溢れ出しとるわ。

撮影した動画データ残ってるんだけど、今見たら切った断面みえた瞬間に私の「オッシャ!!!」って声が入ってるんですよ。

なにが「オッシャ!!!!!」だよ。これみて「レアに仕上がった」とでも思ったのかよ。豚なんだよこれ。この肉、豚なんだよ!!!!こんなん食ったらお前がお釈迦だよ

そもそもこの調理法、さっきも言ったように型に入れた肉の塊を別の容器に入れて熱湯を入れてからオーブンで加熱する、いわゆる「湯煎焼き」。

湯煎やき

この方法、ゆっくり熱が入って肉がじんわりエレガントな仕上がりになる(←意味がよく分からない)らしいんだけど、直接加熱するわけじゃないから火加減はご自宅のオーブンの火力に応じて調整してくださいねって訳です。

我が家のオーブンはガスオーブンではないから確かに火力は低いかもしれない。お菓子焼いたりしてもなんか焼き目が薄かったりするし。

でもオーブンなんてどれも大差ないだろうと思っていたわけ。例えばネットで見る料理家が公開している料理レシピでも「オーブン時間は各家庭の具合によって異なりますので調整してください」って文言をよく見るけど、あれもレシピや加熱時間どおりに作って「いやこれマズイやんけ!」ってケチつけてくる人に対する一種の防御線だろうと思っていた。実際いますからね。こういう人。

そんなわけで「オーブンでブンッ!」ってすりゃそりゃみな一緒よ、くらいにしか思ったなかったわけだが、


オーブン、モノによってマジで違います(白目


うちのオーブンじゃ結局非力すぎて何回やっても火が通らなかった。何回もやる間、パテを出しては切って断面を確認し、また型に戻して湯を張ってオーブンへ入れて冷却して、ってのを4回もやった。

で、最後に「こりゃ埒がアカン」ってことになって、蒸し器の中に湯を張った型ごといれて「直接湯煎」したことによって

成功した断面

5回目にやっと動画で公開した断面になったわけなんだが、手前にぼんやり映ってる肉が既に切れているのがその前段階の切って中身を確認したあとですね。

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なんせ1回切った断面は、再加熱した後は火の通り具合を確認するには意味をなさない。内部の通り具合を見るには別の個所を切らねばならぬ。こうして見ると既に切ったあとがあるのに、うまい事つなぎ合わせてごまかしとりますわ。いや、ごまかせてないわ。

というわけであの「パテドカンパーニュ」っていうのか「豚肉のテリーヌ」なのか分からんけども、大変ご好評頂いのだが、加熱に加熱に加熱をしまくって足掛け3日かかった(冷蔵庫で冷やしたりしたから)ものでした。

もうこの料理は無理かもしれない、ボツにしようか、いやしかしこれを諦めたら別料理を作り直して撮り直す時間(気力)はない。何より、ロース500g×2・肩ロースミンチ600g・豚トロ200g×2で5000円を超える原料原価がのしかかる。今さらやめるなんてとんでもない、とにかくなんとしてもこれは形にせねばならぬ。という、一体何と戦ってるのか分からない境地に達して無理やり完成させた料理がアレ。


結論から言うと、肉料理はやっぱり難しいねっていうのと、これだけは最後にはっきり言わせてほしいんだけど、あれだけこねくり回したにも関わらず、


味だけは本当に美味しかったです。


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