医療従事者から見た新型コロナウイルスとIngress

本記事は、Ingress Advend Calender 2021 No.1における12/20担当として寄稿するものです。
各論文の著作は筆者に属し、本文章はabsolute119966の医療倫理感と知識・経験に基づき、一所感として投稿いたします。
尚、陰謀論やワクチン反対論を用いた反論は一切受け付けません。
至らぬ初心者でありますので、不足点がありましたらご教授いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。

冬も深まり雪が恋しい季節になりました。
首都圏での冬も早6年目となりますが、やはり雪が降らないことに未だに慣れません。
地元福井では、雪が降り始め福井駅前が可憐な雪化粧を纏ってます。
https://twitter.com/photono_gen/status/1472135703702413314?s=21
申し遅れました、absolute119966と申します。
東京とか横浜辺りで彷徨いてることが多いです。

普段は看護師として働いており、専門は地域医療と腎不全・慢性疾患です。
感染症は専門外とはなりますが、最早「知らない」では済まされなくなった感染症学を改めて学び直している初心者です。
そんな私から送りますのは、表題の
「医療従事者から見た新型コロナウイルスとIngress」です。

1.COVID-19って何?
まずはおさらいから

2019年11月22日に中華人民共和国湖北省武漢市で「原因不明のウイルス性肺炎」が初めて確認され、その後は武漢市内から中国大陸に感染が拡がり、中国以外の国家と地域に拡大していった。新型コロナウイルスの特徴はこれまでの重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)等と同様と思われていたが、過去にない潜伏性の高さから、人類の経済活動を利用して急速に感染を拡大し、2020年1月30日に世界保健機関 (WHO) は6回目となる「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」を宣言 した。2月28日にはこの疾患が世界規模で流行する危険性について最高レベルの「非常に高い」と評価し、3月11日、テドロス・アダノムWHO事務局長はWHOの基準を逸脱してパンデミック(世界的流行)相当との認識を表明した。

Wikipedia-新型コロナウイルス感染症の世界的流行 (2019年-)

つまりどういうことかというと
・従来みられたSARSやMERSとは違う新しい感染症
・結構やばい
・世界中にとんでもない速度で広がった、やばい

あまりこの場合で長く語ってしまうと、とんでもない量の記事になるのでこの辺で。

2.感染しないためにできること
我々は有史以来、現象を観察し研究し文章として残すという叡智を繰り返しています。
陰謀論だとか、捏造だとか騒ぐクラスタもいますが私はそこら辺詳しくないので割愛。

●うがい・手洗いの重要性
冬になるとHCoV(Human CoronaVirus;季節性コロナウイルス)による風邪が流行り出しますが、基本的には交差免疫は期待できないので、冬風邪にかかったないしは良くかかっているからと言って、新型コロナウイルスにかからないということはありえません。基本的にはうがい・手洗いをしっかりし、不織布マスクを装着しましょう。尚、初期の頃ですがインフルエンザウイルスとの重複感染が報告されています。日本では、ほとんど息をしていないように見えますが油断なさらぬよう。

●ワクチン接種後も感染対策行動を緩めないこと
ワクチンを打ったからといって、数々の感染対策行動を緩めることは、
感染者数や重症者数を増やすことにつながる
ので、ワクチンを打っても基本的な感染予防行動は継続しましょう。Breakthrough感染がDelta株以降、報告数が増加しています。最近大流行しているOmicron Variantについては、国立感染症研究所のページが良くまとまっていますので、そちらを参照してください。まだ正直良くわかってない部分の方が多いです。ワクチン2回目打っていても感染する例が見られています。3回目接種し、ようやく闘える抗体を獲得するという報告もあります。兜の緒を緩めずに行きましょう。

●3密を回避すること
疑う余地はありません。換気システムが完備されているところであればいいのか?という疑問がありますが。少し古いデータですが、やはりSocial Distanceを取ることは、有益であるとの結果が報告されています。

●正しい情報を取捨選択し正しく感染予防行動をとること
イベルメクチンが効く(第3相治験中)とか(期待は薄いようですが)、ナファモスタットメチルが効く(臨床研究中)だと(期待は薄い可能性があるようですが)かついには缶詰だの、大和なんとかだの・・・本当にそれ効くんですか???(プラセボの可能性あり)シュールストレミングじゃないんだから(寧ろ効くならそれはそれで面白い)。
従来株までの研究ですが、レムデシビルは効くという研究があります。実際に日本でも、新型コロナウイルス罹患者に使用されています。また、最近ですと抗体カクテル療法に使用されるソトロビマブの有効性も確認できています。

結果的に薬ばかりの話になりましたが、何を伝えたいかと言いますと
メディアやSNSの情報に惑わされない」ことです。有名な人が言えば、それは影響力はあるでしょうけども、果たして正しい知識に基づいたものでしょうか?お笑い芸人やワイドショーのコメンテーターが正しいことを言ってるとは、あまり思えません。エビデンス(正しい手法で正しく評価された研究論文やその結果)に基づいているものでしょうか?「Twitterで」「Youtubeで」とかいう話はあまり信憑性がありません。忽那先生のTwitterやYahooの記事は、信用できると思ってます。おそらく、今後の日本の感染症学を牽引するであろう人物ですし。そうやって、取捨選択し情報が正しいか吟味する能力が問われていると思ってます。コロナ以前もそうでしたが、新型コロナウイルス流行後、より問われています。

初期の頃ですが、日本からはCOVID-19のケアワーカーのバーンアウトについて報告しています。余談ですが、私もバーンアウトした多くの医療者の1人です。もう戻りたくない、可能であれば早々にCOVID-19とはお別れしたいものです。

目の前のそれを信じるのか、信じないのか。
“The world around you is not what it seems”

3.これからのIngress
さて、前置きが随分と長くなりました。
このコロナ禍において、Ingressとは何なのか。というのは、多くの人が語っているので、医療の観点からコロナ禍におけるIngressについて愚考してみたいと思います。

●外に出よう
Hard LockーDownでない限り、以下の用件を満たせば外に出て散歩がてらIngressするのは、健康上とても良いことだと考えています。コロナ禍においては、うつ病のリスクが増大するとの報告(米国)もあります(英国における報告)。外出禁止においては、やはり精神的な負担増大が生じることは避けて通れないようです。COVID-19罹患後、何かしらのPTSDを体験する人は多いようです。「Stay Helathy」を達成する意味でも、適度な運動は不可欠だと考えています。
・不織布マスクの装着
・単独ないしは少数での行動
・密集しないこと
・適切な手洗いを行うこと

人にもよると思いますが、Hard Lock-Downが起きてしまえば、家の中に閉じこもる生活を考えると、気が狂いそうになります。どちらかといえば、私はインドア派ですが、制限されたインドアはおそらく数日が限界になりそうです。仕事柄、結局は出なきゃいけないのですが。今(2021/12/20現在)の日本では、そのような状況には幸いにもなっていませんし、2020/4月ごろの緊急事態宣言時と比べると、そこそこの人が外へと戻ってきたと感じます。

そんな中いかに感染に気をつけつつ、外と自分との関係性を保つかというのは、これからの大きな課題になるのではないでしょうか。

おそらく、この辺ではみうつーさんが詳しく述べられそうなので、ネタを摘まないためにも黙っておきましょう。

4.最後に
長くなりました。シンプルに言いたいことは以下のことです。
・Stay Healthy。笑ってまたお会いしましょう、また会える。またいつの日か。
・メディアには惑わされない。正しい情報を見極めましょう。
・い○のー!Ingressしようぜー!!

以上です。駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
@absolute1119966 ある寒い冬の日に。




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