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世に定めなきものは……

きょうは、何を書きましょうか。

古典文学の好きな一節の話です。

「千年・万年とちぎれども、やがてはなるる中もあり。あからさまとは思へども、ながらへ果つることもあり。世に定めなきものは男女のならひなり」 

平家物語の「祇王」(ぎおう)の一節です。

意味は、永遠の愛と誓っても、やがて(すぐに)離れるケースもあれば、反対に、あからさま(そのとき限り)のはずが長く命の果てまで続くケースもある。

男女の縁の不思議さを伝えています。祇王は、白拍子(しらびょうし)として、平清盛を慰撫し親しくつかえましたが、のちにその愛を失い出家します。

最初読んだときは驚きました。ほんとか、一千年前も今も人間模様というのは一緒なん?と。

同時に安心した気持ちにもなりました。古典というても、おそれて構える必要なんかないんや!と。

平家物語は戦記ものとくくられますが、それに収まりきらない、知恵の詰まった宝箱みたいです。

滅びの美学とも称される物語ですが、よむひとにとっては、ながらへ果つることも、、、

時を超えてこれからも愛されていく物語に違いありません。


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