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富久田治彦さんへ 10の質問


アッセンブリッジ・ナゴヤの音声配信企画、「名フィルメンバーの対話で綴る2020ー演奏会空白のときー」にむけて、名古屋フィルハーモニー交響楽団の富久田治彦さんへ、アッセンブリッジ・ナゴヤから、インタビュー前に10の質問をし、それぞれに記入していただきました。

その質問シートをこちらの記事で公開いたします。

▼当日のインタビューや演奏の様子はこちらから▼


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ー自粛期間中、毎日のようにしていたことや、やろうと決めていたことはありますか?
もしくは、新しく始めた趣味などあれば、教えてください。

演奏会が次々と中止になり、さまざまな面で厳しかった。私自身は3月8日にリサイタルを予定していたが、延期を余儀なくされつらかった。延期や振替公演の準備が大変だった。

自粛と言われていたが、個人的には、自粛は人間らしさを損なうと考え、なるべく人間らしく普通の生活を努めた。音楽のことが心配で趣味などの余裕はなかった。


ー日常生活の中で美を感じる瞬間や、もの、ことなどあれば教えてください。

手間暇がかかっているもの。素晴らしい演奏。人間のエネルギーが感じられること


ー自粛期間中、よく聴いていた音楽や、読んだ本、オンラインのコンテンツで観たものなどで、印象に残るものがあれば教えてください。

特になし


ー海外との繋がりがある方も多いかと思いますが、同じ演奏家で海外居住の方(オーケストラなど団体も含む)の活動を見聞きされたりして、印象に残っていることがあれば教えてください。 

特にチェコの対応の早さは素晴らしかった。それだけ音楽が必要にされていることが良く伝わってきた。逆にアメリカが再開に苦しんでいる。世界的オペラ、オーケストラが多いので残念。


ーオンラインの活用等「新しい発表の形態」がニューノーマルとして動き出していますが、自粛期間中に、何か新しい音楽活動で個人的にやってみたこと(ご自身で、あるいはご友人らと協働で)、今後やってみたいことはありますか? 

自分自身もYoutubeチャンネルを立ち上げた。



ー自粛期間中、自宅等での練習のみに限定されざるを得ず、ホール等大きな空間での演奏ができない期間が長くなったことで、身体的・内面的な感覚の変化はありましたか?あった場合はどんなことでしょうか。 

常にそのスペースに合わせて音や音楽を作ることは自然に身についている。大きなホールで吹けない4か月間、奏法が変わっていくのが感じられた。

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ー長い自粛期間が明け、演奏会が再開したとき、どのようなお気持ち(感覚)でしたか?もしくは、何かこれまでと音楽やコンサートに対して違う考えになった等、気持ちの変化はありましたか? 

7月に再開したとき、お客様の拍手に圧倒され、自分に力がみなぎることが実感できた。私の吹きたい力、お客様の聴きたい力が強くなったと感じる。
 


ーアート同様、音楽も「不要不急」といわれましたが、そう言われることについて、どう思いましたか?

自分にとっては命を懸けてやっていることなので、正直腹がたった。


ーこちらもまたアート同様、「敷居が高い」と言われがちなクラシック音楽ですが、そのように感じる方への、音楽との距離の縮め方、また楽しみ方などアドバイスがあれば教えてください。

テレビドラマや映画のように、クラシック音楽には「音のドラマ」があります。それを是非、コンサートホールで感じ、楽しんでほしい。


ー 音楽の持つ力にはどのようなものがあるとお考えか、お聞かせください。

魅力だと思う。美しい料理、美しい風景や絵などと同じように、人を惹きつけ夢中にするもの。


Fl+富久田+治彦

富久田 治彦

フルートを12歳で始め、川瀬瑩公氏、伊藤公一氏に師事する。
京都市立芸術大学を経て、1988年同大学院を修了。修了に際し大学院賞を受賞。在学中に第3回日本フルートコンヴェンションコンクール第1位。NHK洋楽オーディションに合格。
1989年名古屋フィルハーモニー交響楽団に入団。その後、第1回日本木管コンクール第2位。1991年にはバロックザールでのリサイタルが評価され、青山音楽賞を受賞。1995年アフィニス文化財団海外研修員に選ばれ、アメリカ合衆国へ留学。ミッシェル・デボスト氏、フェンヴィック・スミス氏らのもとで研鑚を積む。
ソリストとして、名古屋フィルハーモニー交響楽団と共にイベール、ライネッケ、ニールセン、モーツァルト、J.S.バッハ、武満など協奏曲等を数多く演奏している他、宗次ホール主催「富久田治彦プロデュースによる室内楽シリーズ」やリサイタル、アジア・フルート・コングレス、日本フルート・コンヴェンション、および日本各地で開かれるフルート・フェスティバル等で活躍している。2018年には国立台南大学に招聘され、マスタークラスや講演、モーツァルトの協奏曲を演奏した。また韓国釜山市で開かれたアジア・フルート・コングレスではファイナルコンサートの指揮者を務めた。幅広い活動を国外にも展開している。
日本音楽コンクール、日本木管コンクール、全日本吹奏楽コンクール等審査員を歴任。現在、名古屋フィルハーモニー交響楽団首席フルート奏者。京都市立芸術大学、椙山女学園大学非常勤講師、アジア・フルート連盟常任理事。





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