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ドライフラワー

 今、まさに進行している私の恋心はいわば、生花な訳だけれども、まだ蕾だし、これから咲かせることもできない。

 あの歌のドライフラワーは色褪せたとかセピア色とかそういうことの比喩かなと思うけど、一回は満開に咲いたことだってある花だと思う。

 私の場合は十分に咲かせるためには少々時間が足りないし、そもそも咲くための栄養も足りない。いつまで経っても花が開くことはないし、水をやろうと自分から行動することもできない。(これは自分が弱いから)

 むしろ、咲かせてはいけない、まだ蕾だとしても枯れていない綺麗なままで私の心に留めておきたいという思いすらわいてくる。

 鮮明で華やかな思い出にもならないけど、その花のおかげで人生に彩りが添えられたことを大事に大事にとっておきたくて、現れては消え現れては消えしているまだ生温かい私の思いという名の花に、自らシリカゲルをかけて乾燥させようとしている。

 あなたがポツンと水を一滴落としたりするのだけれど、それでまた花は元気を取り戻してしまうのだけれど、そのたびにまだ咲かせるチャンスはあるのかななんて思ってしまうのだけれど、だんだんその気持ちも薄れてやっぱり自分でドライフラワーにしようとしてる。

 未来、振り返った時に行動できなかった自分に後悔するのかなあ。……しないだろうな。この、芽生えた花を大切にドライフラワーにしてでも、大切にこの心に留めて、未来、振り返った時には温かい気持ちになれるだろうか。

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