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ほしい言葉はほしい人からもらえない。

 短期(多分8月末まで)の仕事場で気になる人ができた。多分8つ上。ほんと毎日会いに出勤してるって言っても過言ではない。

 どこが好きなのとか、何がそんな気持ちにさせるのとか、色々考えるけど、自分でもあんまりわからない。でも、その人の一挙手一投足が気になって目で追ってしまうし(自分の席からは背中か横からの姿しか見れない)、あまり用がなくても近くのデスクの人に話に行ってしまう。

 直接話に行けばいいんだけど、恋する乙女の謎心理「鬱陶しいと思われたくない」が発動して、直接は無理だ。とか思いながら「たわいもないことでもいいから、話に来てくれないかな」なんて他力本願なことを考える始末。

 2・3日前まで同じデスクの対角で、同じプロジェクトで働いていたから、仕事の会話とは言え、少なからず話す機会があり、話しにいくのも自然に行けた。けど、今日から私が違うプロジェクトにコンバートされたから、全然違うデスクになったわけだ。

 3区画先のブロックに背中が見えるのみになった。時々聞こえる話し声とか、笑い声とか、真剣になると前のめりにパソコンを見つめる体勢とか、色々見えるんだけど見えるだけになった。

 私はだいぶ勝手に寂しいって言う気持ちを抱えていて、もちろんそれは手がけていたプロジェクトを一旦離れなければいけないという寂しさもあるんだけど、やっぱり普通にその人と時間を共有できないことが寂しい。

 旧プロジェクトメンバーからは何人も、「寂しい」だの「戻ってきてほしい」だの言われるし、近くの席だったってだけの人にまで「そっち行っちゃったの」とか言われるくらいには存在感はあったみたいなんだけど、その人からは信じられないくらいになにも反応がない。

 やっぱりほしい言葉ってほしい人からは貰えないなぁってつくづく思うし、それを勝手に期待して、勝手に傷付いて、勝手に落ち込んでる自分に結構、嫌気がさす。割と毎度毎度同じ道繰り返してるなーって人生振り返って思う。

 きっとその人は全然深く考えてないだろうし、むしろ仕事なんだからそう割り切ることは当たり前だし、理性では理解して、流石に学生の時みたいに考え込んだり病んだりしないで、そういうもんだって少しは思えるようになった。(こんな文章に起こしてる時点で、感情的かなやっぱ)

 最近、自分のこの「気になるな」「好きだな」って言う感情の着地点がわからない。好きだなって言う感情は持っているけど、それが恋愛感情なのかがわからない。

 そうなってくると恋愛感情の定義が難しいんだけど、ここではその性的に好きってことを恋愛感情ということにすると、必ずしもそういう感情を抱いているわけではない。相手がそれを求めるなら多分それでもいいんだけど、それよりかは友愛とか親愛とか、「愛でたい」とか、あと何かにおいて特別とか、そういう存在になりたい気持ちが強くなる。

 そもそも性的な魅力はカケラもないので、自分への期待が低い。その代わり、自分が出来ることを駆使してなんとか好いた相手の脳みそに食い込みたいって思ってる感じ。私にしか頼めない、ふと思い浮かぶのが私、私と居ると楽しい、私の料理が美味しい、私と一緒に時間を過ごすのが楽しい……、とにかくなんでもいいんだけど、私という存在でしか満たせない一部分を相手に持たせたいのだ。

 これまで成功したことはあんまりない。お友達には何人か思い当たる人が居るけども、お友達だ。まあ恋人との境目もよく分からない。結局性的な何かがないと、本当の特別にはなれないのかなぁ。

 なんて思考をぐるぐるさせながら、もうすぐ三十路。でも自分はこの自分で生きてくしかないから、来週からの勤務もその人の姿を見るだけでも楽しめたらいいな。そうやって心満たしていこう。

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