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西淀川子どもセンターを訪問して

大阪、西淀川の御幣島(みてじま)。もともと写真屋さんだった建物を活用した「ねおほ」を拠点に西淀川子どもセンターが活動をしています。地域の子どもたちに長年寄り添い、その時代ごとの社会状況や家庭状況の変化にともないさまざまなサポートをしてきました。
本来であれば、活動に参加してそのレポートを掲載するのですが、新型コロナウィルス予防の観点から、多くの活動は休止に。社会状況ををみながら、あらためて活動の様子をご紹介していきたいと思います。

今回は、ご訪問時に前代表西川日奈子さんにお伺いした、活動の様子をお伝えしたいと思います。

活動に関して

子どもたちと夜ごはんの時間を共に過ごす「いっしょにごはん!食べナイト?」や、なんでも気軽に話せる子どもと親の相談室「ぽぴんず」、学びなおしや創作を通じた自己表現の場を提供する「てらこやプロジェクト」、また子どもを見守る地域の大人の輪を広げるための「よっしゃ活動」や、現在お休み中ではありますが、子どもへの暴力防止プログラム「CAP」といった各種の活動を通じて地域に根ざした子ども支援に取り組んでいます。

子どもたちとの関わりのなかで気づくこと
よく言われることですが、子どもは『サイレントマジョリティ(物言わぬ多数派)』。やらされる、従わせられる、でなく、子供が主体的な活動が大事だと思います。全国に子ども食堂は4000も立ち上がっています。そのなかで、子どもたちがどういう状況で何を望んでいるのかは、なかなか掴めないと思います。基本的な活動理念として、子どもたちが主体的に参加できる場所を開いていきたいと思っています。子ども自身が主体になることで、まわりが急に見えてくることがあります。子どものなかにも層があって、世代や格差、障がいなど。それをどうやって混ぜていけるのかが課題です。
私たちの活動はとても地道な活動だけど、大人同士がつながる気になれば子どもが察知して安心してきてくれるんです。

「ねおほ」という拠点について
楽しい場所じゃないと子どもは来ないんです。正しい理念とかだけでは寄ってこない。学生ボランティアで社会人になっても手伝ってくれる子も。ボランティアはとても大事ですね。スタッフには心を開かなくても、ボランティアにはぽろっと本音を言ってくれる子もいます。地域に拠点ができて、子どもたちがほかに行く場所の選択肢が増えればいいと思っています。一つのところで完結してしまうと、ひろがりがなくなってしまいます。時代ごとに、子どもとの向き合い方は変わってきています。たとえば障がいのある子どもをどう受け応れるか。少子化と言われているのに支援学校、支援学級は増えています。その事実とともに、子どもたちの生きにくさをよく見ないといけないと思います。本人の能力の問題ではなく、愛着障害があったり。それは親だけの問題ではなく地域や社会の課題と考えたほうがよいこともある。

そして、子どもたちは自分の帰属する場所(部活動や習い事など)ができれば自然と離れていきます。子どもたちの意思で来て、子どもたちの意思で離れていく、としか言えませんね。

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《団体情報》NPO法人 西淀川子どもセンター
代表:西川 奈央人(にしかわ・なおと)
所在地:大阪市西淀川区

Tel: 06-6475-1372
https://nishiyodo-kodomo.net
2007年設立。子ども自身の主体性を尊重した健全育成と、子どもが安心して暮らせるまちづくりをめざして活動開始。夜ごはんの時間を共に過ごす「いっしょににごはん!食べナイト?」や、子どもと親の相談室「ぽぴんず」、学びと自己表現の場を提供する「てらこやプロジェクト」、地域全体で子どもを見守る「よっしゃ活動」など各種事業を展開。地域の中で子どもが安心して過ごせる環境づくりに努める。

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